渡辺謙の不倫はなぜ大々的に報道されたのか? 裏側にバーニング系所属事務所との関係悪化が

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文藝春秋「週刊文春」4月6日号

 3月30日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で報じられた渡辺謙の不倫報道。しかし意外だったのは、このスキャンダルをスポーツ紙や各局のワイドショーが揃って後追いしたことだ。

 というのも渡辺の所属事務所ケイダッシュは、芸能界のドン・周防郁雄率いるバーニングとつながりの深い大手芸能プロであり、バーニング、ジャニーズと並び芸能マスコミにも絶大な影響力のあるコワモテ事務所として知られているからだ。

 そんなケイダッシュ所属の、しかも世界的にも評価の高い大物俳優の不倫、となれば、大手プロの顔色を伺うスポーツ紙、ましてやワイドショーが報じるはずがないと思われたが、まさかのそろい踏み。しかもその報じ方は“サラっと”したアリバイ的なものではなく、かなり大々的でもあった。「文春」の記事を詳報するのはもちろん、渡辺謙の胃がんを妻・南果歩が支えたこと、南が乳がん闘病中であることなども過去映像を使いながら放送し、なのに、なぜ……といった調子で、各局ともけっこうな時間を使って報道していた。

 それだけではなく、31日、渡辺の娘である女優の杏が都内で行われた三菱電気の記者発表会に出席したのだが、この際、報道陣から「渡辺謙さんに不倫報道が出ましたが?」という質問が飛ぶ一幕までも報じられたのだ。杏の所属事務所は別だが、渡辺の所属するケイダッシュに配慮して、普段なら、こういったどんどん話を広げていく波状攻撃のような報じ方はしないだろう。

 さらにスポンサー筋でも異変が起こった。不倫報道直後、渡辺がCM出演している大和証券のHPから、渡辺のCM出演映像がすべて削除されたのだ。これまでの不倫芸能人へのスポンサーの対応を考えても、異例のスピード対処といっていい。しかも大和証券は映像カットについて、不倫報道との関係を認めているのだ。これは、すでに実害が生じているということで、事務所としても過誤できるものではないはずだ。

 だが、こうしたマスコミ報道やスポンサーの対応に対し、芸能関係者たちからは“あの話は本当だったのか”という納得ともいえる反応が起こっていた。

「というのも、ケイダッシュと渡辺の関係がギクシャクし、不協和音さえあるというのは、以前から芸能業界で密かに囁かれていたからです。今回の不倫報道にしても、これまでのケイダッシュや渡辺自身の影響力を考えれば、簡単に押さえつけられるし、そこまでしなくても小さな扱いで済んだはずです。だからこそ、“渡辺と事務所の不仲は本当だった”と納得する声も大きい」(芸能事務所関係者)

 一体、渡辺とケイダッシュの間に何が起こっているのか。それはこれまでのケイダッシュと渡辺の関係に遡る必要があるだろう。そもそも渡辺とケイダッシュの関係は“スキャンダル”からスタートしたものだった。

 デビュー以来、演劇集団「円」に所属していた渡辺だったが、2001年に渡辺を襲ったのが、当時の妻の借金問題に端を発する大スキャンダルだった。渡辺は89年に白血病を患ったが、その闘病生活の中で妻が頼ったのが宗教団体「釈尊会」だった。その活動にのめり込んだ妻は、周囲の友人などから多額の借金をし、税金滞納で自宅が差し押さえられる事態と発展。さらに渡辺の数々の女性関係も浮上し、当時の芸能マスコミは連日のように渡辺に対する大バッシング報道を展開していく。そのため渡辺が頼ったのがバーニング傘下のケイダッシュだった。

「それまで所属していた演劇集団では、ここまでの大スキャンダルを抑えることなど無理でしたからね。ケイダッシュに移籍すれば、スキャンダル対策も万全にもなる。しかも借金問題に悩む渡辺に対し、事務所幹部がその肩代わりをしたとも当時いわれていました」(前同)

 実際、その効果は絶大だった。渡辺がケイダッシュに移籍すると、マスコミのバッシング報道はその思惑通りピタリと止む。2003年12月発売の「週刊文春」(2004年1月8日号)が渡辺の長男で俳優の渡辺大が 借金問題への対応をめぐって“父への告発”記事を掲載するが、ワイドショーは一切無視。しかも大は、この告発によって当時の所属事務所を解雇されてしまう。実の息子でも逆らうものは容赦しないという、ケイダッシュの影響力をまざまざと見せつけたものだった。

 しかしこうした蜜月関係は渡辺がハリウッドに進出し、アメリカに生活の拠点を写し、そして世界的俳優との評価を得るなかで、変貌していったという。

「アメリカの映画ビジネスは日本と違ってエージェント制で、エージェントを介して自分でやりたい仕事やスタッフを選び、ギャラを交渉する。それを目の当たりにした渡辺が、芸能事務所がタレントや芸能界を牛耳る日本のシステムに対し疑問を持ち、意識が変わるのは当然でしょう」(芸能記者)

 しかしそのことで事務所との距離もできたといわれる。一方事務所サイドは、これまで自分たちの力でスキャンダルを抑えておさえてやったのに、その日本の芸能事務所システムに背くなんて“裏切り者”だという意識も働き、またアメリカが拠点の渡辺をコントロールできず、その関係がギクシャクしていったと言われる。

 しかもある出来事がさらに両者の関係を悪化させたという。あるテレビ局関係者はこう話す。

「それが今年新春(1月8日)、放送された毎日放送の開局65周年記念スペシャルドラマ『しあわせの記憶』です。渡辺はこのドラマの主演をしていますが、 “世界の渡辺”にとっては本意ではない仕事だった。しかし事務所側がこれをごり押しして、かなり揉めたと聞いています」

 そこに降って湧いたのが今回の不倫報道だ。各局とも当然のようにケイダッシュにお伺いを立てたらしいが、一切NGとは言われなかったのだという。

「もちろん、渡辺にお灸を据え、自分たちのマスコミへの影響力を見せつけることで、“今後は逆らうとどうなるか”という警告の意味もあったのでしょう」(前同)

 同時に、渡辺と南果歩の別居説も流布されているが、これもケイダッシュによる一種の“見せしめ”だとの指摘もある。だが、情けないのは芸能マスコミだろう。こうしたケイダッシュ側の意向に忠実で渡辺の不倫を報じる一方、しかし、どこまで踏み飲んでいいのか戦々恐々で、「ハリウッドスターだと考えれば“いいのか”みたいなところがある」(『スッキリ!!』(日本テレビ)司会の加藤浩二)、「事務所の方から、ご夫婦の素敵な話を聞いている。この2人はビクともしないんじゃないかな」(『とくダネ』(フジテレビ)司会の小倉智昭など、歯切れの悪いコメントが続出している。

 今回の報道を見ると、日本の芸能プロダクションのタレントとマスコミへの奴隷支配はまだまだ続きそうだ。

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