こども庁「こども家庭庁」への名称変更はトンデモ「親学」を提唱する日本会議・高橋史朗と自民党極右勢力の仕業だった!

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家父長制的家族観・ジェンダー観を押し付ける「家庭教育支援法案」法制化の危険

 実際、この「こども家庭庁」への変更は、たんに名称に「家庭」が入っただけの話ではなく、重大な問題をはらんでいる。それは、この「こども家庭庁」の創設によって、「親学」がベースとなった「家庭教育支援法案」の法制化に一気に突き進む可能性があるからだ。

 この「家庭教育支援法案」は、安倍氏が会長となり2012年4月に発足させた「親学推進議員連盟」が立法化を宿願としてきたもので、安倍政権は2017年に国会提出を目論んだが、野党の反対によって見送られた。だが、岸田自民党は先の衆院選における公約で〈「家庭教育支援法」の制定に向けた取組みを推進します〉と明記した。

 そして、この「家庭教育支援法案」では、家庭教育を「父母その他の保護者の第一義的責任」とし、「子に生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努める」としている。ようするに、戦中の「戦時家庭教育指導要項」と同様に「あるべき家庭教育」を国が定め、国家が家庭での教育を統制しようというものなのだが、さらに法案では国と自治体が家庭教育支援のための「施策」を策定することを義務付け、学校や保育所、地域住民等はこの「施策」に協力する努力義務を課している。そして、この「施策」で活用させようとしているのが「親学」なのだ。

 前述したように「親学」は「子どもが幼いあいだは母親が家にいるべき」という家父長制的家族観・ジェンダー観に基づき、「いじめや不登校、子どもの自殺の責任は親の教育にある」「親が変われば子も変わる」などと親(とりわけ母親)の責任を強調するものだ。つまり、「こども庁」の創設によって子どもの権利が守られる政策が求められているというのに、「こども家庭庁」に名称変更されたことにより、子どもの権利よりも親の責任の重視、国家による家庭教育の統制という、子どもの問題をより深刻にさせるような方向へ舵を切る可能性が出てきたのだ。

 実際、「こども家庭庁」にするべきだと訴えてきた高橋氏らをはじめとする極右連中は、「こども庁創設をめぐって自民党に過激な性教育活動家や人権活動家がコミットしており、「子どもの権利の拡大解釈によって国家や家庭、親子のつながりを断絶しようとしている」と主張。

 また、高橋氏は、「こども庁」創設のために設けられた有識者会議において必要性が強調された「包括的性教育」も問題視。「包括的性教育」とはユネスコが提唱しているもので、「人間関係」「価値観、人権、文化、セクシュアリティ」「ジェンダーの理解」「暴力と安全」などをキーコンセプトに、「子どもたちの健康とウェルビーイング(幸福や喜び)や、子どもたちの尊厳を実現する」「個々が尊重された社会的、性的な関係を育てる」ために必要な知識やスキル、態度、価値観を身に付けさせることを目的としているもの(NHK『クローズアップ現代+』「性暴力を考えるvol.145」)で、まさに日本において遅れているものだと言えるが、これを高橋氏は「過激な性教育」にほかならないと指弾した。

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