年末特別企画 リテラの2019振り返り

2019年、驕りと妄想が最高潮の安倍首相バカ丸出し&暴言集! 台風被害も桜もなかったことにして“私が国家だ”

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「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」
「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」

9月5日、東方経済フォーラム演説で

 進展どころかロシアに見くびられ、日本国内で「北方領土は日本固有の領土」と主張することすらできなくなっているほど後退している北方領土問題。そんな現実をごまかそうとしたのか、安倍首相がプーチン大統領に向かって呼びかけたのが、この悪寒が走るようなポエムだった。誰がどう見ても、あきらかに同じ未来を見ていないし、同じゴールにも向かっていないと思うのだが、無論、このポエムにはウラジーミルことプーチン大統領も失笑するしかなかった。
 とはいえ、このポエムを書いたのは安倍首相ではなく、スピーチライターの谷口智彦・内閣官房参与ではないかと見られている。谷口参与といえば、以前、本サイトでも取り上げたように( https://lite-ra.com/2018/08/post-4205.html )、『安倍晋三の真実』なる安倍礼賛本を数々のヘイト本で知られる悟空出版から出版するなどヘイトメディアにまったく抵抗のない人物なのだが、2018年に「月刊Hanada」(飛鳥新社)が安倍首相を大ヨイショする総力特集を組んだ際も安倍御用評論家の小川榮太郎氏と対談。じつはこのときの対談のタイトルが「安倍総理は残り3年、駆けて、駆けて、駆け抜ける」という、悪寒ポエムとそっくりのものだったのだ。
 記事タイトルを谷口参与が付けたとは考えにくいが、それを気に入って谷口参与はスピーチに使いまわしたのか。ヘイト雑誌の見出しを国際会議での演説に採用するとはさすがの“安倍政権クオリティ”だが、安倍首相は谷口参与のスピーチ原稿をべた褒めして「練習で読み上げているときに、自分でも思わず涙ぐんでしまうんだ」などと言っているらしい。
「ウラジーミル、君と僕は…」も涙ぐみながら練習したのかどうかはわからないが、その外交が完全に失敗しているということだけはたしかだ。

「韓国は国と国との約束を守らないことが明確になった」
7月7日放送、フジテレビ『日曜報道 THE PRIME』で

 プーチンへの気持ち悪いポエムとは対照的に、韓国には強気のハラスメント的態度をとりつづける安倍首相。日韓関係を一気に悪化させた、輸出規制や「ホワイト国」除外も、安倍首相の意向を受けて官邸が「徴用工判決への報復の方法を何か考えろ」と関係各省に命じて、経済産業省が無理やり絞り出した方法だったことがわかっている。
 もっとも、政治問題の圧力に貿易問題を利用することは国際社会ではご法度。このまま韓国にWTOに提訴されたら敗けるのが明らかだったため、政府は一貫してこの措置について「徴用工判決と無関係で」「安全保障上の問題」「貿易管理体制に不備があったにすぎない」などと言い張ってきた。
ところが、安倍首相本人はそんなことおかまいなし、このようにテレビ番組で実際には徴用工問題への報復であることを自ら暴露としてしまったのだ。
 その後、両国の経済悪化だけでなく、韓国のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄宣言まで進んだこの日韓対立だが、アメリカから圧力がかかり、11月に韓国側がGSOMIA失効直前に破棄を中止し、韓国がWTO提訴を取り下げるかわりに日本側が輸出規制解除に向けた協議を再開するという方向で合意を見た。ところが、このときも官邸はマスコミに「安倍総理は『一切妥協していない』と語っている」「パーフェクトゲーム」などと吹聴。韓国が勝手に降りただけというような発表をし、韓国から抗議を受ける始末だった。しかも、安倍首相はいまも「徴用工問題の解決が先」などと言い張っている。
 ようするに、安倍首相が大事なのは、国益よりも日本の戦争加害を否定するという歴史修正主義の実現、韓国を攻撃する“嫌韓キャンペーン”なのであり、そのためには日本の安全保障を危機に晒しても平気なのである。

「『四角い仁鶴がまーるく収め』る、そういう解決策を見いだしたい」
4月20日、なんばグランド花月の吉本新喜劇に登場して

 ちなみに、こうしたギャグに対し場内では笑いはほとんど起きず、デイリースポーツが「安倍首相 吉本新喜劇でスベる「ほんまに本物です!」、反応今イチ、飛び入り出演」と見出しを打つほどお寒い空気だったらしい。だがこれ、失笑して見過ごせるような話ではない。表向きは「G20交通規制の協力呼びかけ」などとしていたが、このサプライズ登場の翌日に投開票だった大阪12区衆院補選のテコ入れが目的だったことはミエミエだったからだ。
 選挙運動にまで利用する安倍首相と吉本の蜜月関係──。実際、安倍首相は闇営業問題で揺れていた6月にも西川きよしら吉本所属芸人らを首相公邸に招き、同月には大崎洋会長を沖縄県の普天間基地や那覇軍港など返還が見込まれる米軍施設・区域の跡地利用に関する政府の有識者懇談会メンバーに選んでいる。一方、吉本芸人・小籔千豊を起用した厚労省の「人生会議」ポスターが問題になったことは記憶に新しいが、これにかぎらず、吉本は想像以上に行政のありとあらゆるところに入り込み、行政仕事を受注しまくっている。
 だが、こうした安倍首相忖度の吉本芸人起用には大きな問題がある。それは、吉本芸人の起用によって、各省庁の発するメッセージが本来、官公庁としてあるべき姿勢からどんどん遠ざかり、歪められてしまうという問題だ。
 言うまでもなく、PRや広告というのは普通、依頼主が打ち出したいメッセージに沿ってタレントを選ぶものだが、吉本が一括して制作を請け負えば、当然のように自社タレントを起用する。つまり、本来伝えるべきメッセージよりタレントのキャラクター性が優先されてしまうのである。しかも、そこで持ち込まれるキャラクター性はバラエティに蔓延する反ポリコレ芸の延長線上にあるものであり、吉本タレントありきの結果、公共性への配慮がおざなりにされてしまうのだ。
 安倍首相と吉本の関係は税金を使った「癒着」としか言いようがなく、安倍首相による私物化の一例だ。政府と吉本興業の“関係”をもっと疑問視すべきである。

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