“年金あてにせず金貯めろ”報告書の金融庁を直撃したら…「年金給付は下がる」「年金安心かは厚労省に」

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年金不足に投資を薦めておきながら損失出ても「自己責任」

――それってやっぱり、“年金が下がるけど、政府は知らない。自分でなんとかしろ”としか聞こえません。でも、若い世代では資産のない人、今の生活では貯蓄や投資に回す余裕がないという人も多いですし、給料上がりませんから、40代でもそういう人は少なくない。投資や貯蓄にお金を回す余裕がない人はどうすればいいとお考えなんですか?

 その意味ではですね、なんというか、タテ割りというところも多少あるのかなと思うんですけれども、今回の報告書は、資産のない方に対して、解を出しているわけではありません。ただ、若年期にお金がカツカツなんだという場合は当然あるとは思うんですけれども報告書のコラムに書いているんですが、月に5000円、30年拠出をし続けた場合ですね、今までのパフォーマンスを考えると、たとえば長期積立分散で、だいたい年2%の利回りが実績として出ていますから、246万円までコツコツと積み上げていける。そういうことを考えると、本当に少額でもですね、長期でやっていくということは、資産形成という点では非常に有効なのかなというふうに思っています。

――その利回りを達成するためには、貯蓄だけでは不可能です。実際、報告書では投資を推奨されていますが、投資は100%保証のあるものではない、今後暴落することもあり得る。リーマンショックみたいなことがあったりして下落した場合、政府として投資を煽ったことの責任をとれるんですか。国民の資産が溶けてしまう可能性があるんですよ。自己責任なんですか。

 その点も報告書のなかのコラムで紹介させていただいているんですけれども、おっしゃる通り、率直に申し上げて、投資は「自己責任」というところに当然なってくるかと思います。委員のなかにも、あくまで投資というところは最終的に自己責任なので、ということを強く言われる先生もいらっしゃったので、文書でもその旨を書いております。

――カツカツのなかで5000円なんとか捻出して投資に回せと言っておきながら、そのときの市場の状況でマイナスになったら、自己責任ですか。 

 たしかに、2、3年のスパンで見ると、マイナスも非常に出てきています。実績データとしてですね。ただ、たとえばこれが、保有期間20年になってくると、リーマンショックも含めて、1995年から2015年のデータになるんですけれども、9割くらいが、リターンでいくと2%から6%のところに収斂するという結果になっています

――でも100%安全というわけではないですよね。銀行とか証券会社ならそういう話も違和感ないんですが、安全が保証されているものではないものを国がすすめるっていうことにすごく違和感を感じるんですが。

 とくに、何か個別の商品をすすめているわけではないと思うんですが。たとえば、隣のアメリカだとかを見たときに、市場が活況だったということもあって、アメリカの同世代の高齢者65歳から75歳くらいの金融資産金額を見たときに、ここ20年、30年ほどで3倍くらいにのびてるんですね。

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