ピエール瀧めぐる松本人志とビートたけしの発言は芸術への冒涜だ! 松本「ドラッグで演技はドーピング」の無教養

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復興を祝う『あまちゃん』総集編の後編を中止にしたNHK

 しかし、松本、たけしのこうした言動は、彼らだけの問題ではない。むしろ、既成の価値ではおさまらない表現にまで踏み込んできたふたりがこんな凡庸な発言をしたというのは、それくらい日本の社会やメディアが「法を犯したものがかかわった作品はすべて自粛して当然」という価値観に覆われているということだろう。

 実際、今回の事件では、映像作品・音楽作品で過剰としか思えない自粛が相次いでいる。なかでもひどいのが、NHKだ。大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』でピエール瀧の出演部分をすべてカット、代役に立てて撮り直すことになったのはやむをえないとしても、信じがたいのは、三陸鉄道リアス線開通を祝い、NHK BSプレミアムで放送される予定だった連続テレビ小説『あまちゃん』の総集編への対応だろう。

 3月17日に前編、3月24日に後編が放送されるスケジュールだったが、ピエール瀧の出演がない前編が予定通りオンエアーされたものの、ピエール瀧の出演シーンのある後編は放送が見送られた。

 これに対し、『あまちゃん』で音楽を担当した大友良英は〈やはりどう考えても「あまちゃん」後編の放送自粛は良くない。再放送が三陸鉄道リアス線開通祝いのためにあること。犯した罪を裁くのは司法であるべきで番組の自粛では何も解決しないこと。そもそも一個人の問題であり番組が連帯責任を負うべきものではないことなどが理由。どうにかならないものか〉とツイートしている。

 東日本大震災からの復興を祈る目的の再放送であるのならば後編も放送しなくてはその意図が視聴者に伝わらないのは自明で、こんな「右にならえ」「出た杭になりたくない」というような反応しかできないのであれば、何の意味もない。NHKは自分たちが社会に対してどんなメッセージを送りたくて番組をつくっているのか、もう一度胸に手を当てて思いを馳せるべきだろう。

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