ビートたけしが年末特番で差別用語を使った酷いLGBT差別を連発! これでなぜ問題にならないのか

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たけしの差別に触れないマスコミ、ネットも「たけし節」「毒舌」「痛快」と

 さらに問題なのは、このたけしの大量の差別発言をメディアがスルーし、全く問題視していないことだ。羽生選手について「ホモだろう」と発言したことを取り上げたネット記事はあったが、それも「たけし節」「毒舌」「痛快」などと半ば持ち上げるようなトーンだった。あとは中国メディアの翻訳記事で「中国ファンも激怒」と報じるようなものだけ。

 テレビやスポーツ紙にいたっては、1週間以上たった今もまったく報じていない日頃『新・情報7DAYS ニュースキャスター』(TBS)などでの毒にも薬にもならない時事コメントをありがたがって記事にしているくせに、だ。

 たけしは売れっこ大物芸能人というのにくわえて、映画監督として世界的に評価され文化人的なポジションも得ている。世界的映画監督でもあるたけしを批判してはいけないという自主規制がはたらいているのではないか。実際、こうした空気はネット空間も支配しているようで、SNSでも今回のたけし発言に対する批判は、その発言の酷さに比して非常に少ない。

 同じく売れっ子大物芸能人である明石家さんまの旧態依然とした女性観をベースにした発言が女性蔑視的だとしてネット上で批判されることがあるのに対し、たけしの今回の差別発言はスルーされていると言ってもいい。

 大物芸能人や世界的映画監督という権威をバックに、完全な差別発言を「毒舌」「奔放」「たけし節」などとして持ち上げたり、スルーする風潮が、差別を温存していることをメディアは自覚するべきだろう。

 ハッキリ言うが、たけしはお笑い芸人としてはもちろん知識人としても完全に終わっている。そもそも今回のLGBT差別発言の背景にあるのは、同性愛と暴力的性支配の混同など、「性的マイノリティ」についての無知だ。こんな人間を知識人としてありがたがることがどういう結果をもたらすか、メディアはわかっているのか。

 たけしは3年後に新作映画を世界に向けて発表すると言っていたが、とんでもない時代錯誤の差別観を世界にさらし、“世界のキタノ”ブランドを毀損するようなことにならないといいのだが……。

最終更新:2019.01.03 09:36

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