横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」49

玉城デニー沖縄県知事が訪米で訴えたこと! NYでは「民主主義を沖縄に」と講演、米国務省には辺野古の欠陥を指摘

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翁長知事が命をかけた埋立承認撤回をツブす安倍政権に徹底的な抵抗

「翁長前知事の遺志を引継ぐ」と訴えて圧勝した玉城知事の“弔い合戦”は、第二幕に突入した。県知事選で示された民意に安倍政権(首相)が寄り添おうとしない以上、政権交代にまで追い込まない限り、翁長前知事が託した辺野古新基地阻止を実現することが出来ない。だからこそ聞く耳を持たない安倍政権とトランプ政権を日米の野党がそろって追及、共に政権交代に追い込む連携が重要なのだ。今回の早期訪米はその第一歩となったのは間違いない。

 防衛省沖縄防衛局が私人になりすまして「行政不服審査法(制度)」を乱用、翁長前知事が病床から指示を出した埋立承認撤回の効力を一時的に失わせる「執行停止」を石井啓一国交大臣(公明党)が決定した10月30日、謝花喜一郎副知事は野党合同ヒアリングで声を震わせつつ、次のように訴えた。

「8月4日、私は翁長知事に呼ばれて病室でお会いしました。『本当は(埋立承認撤回を)僕がやりたかったけれども、もしもの場合は君に頼む』とおっしゃられ、私は『そんなことはないです。ぜひ、知事頑張ってください』と言ったら、点滴を続けながら『そうだな』と言って笑っていた。その4日後に亡くなってしまったのです」
「翁長知事が本当に命がけでやったものを、このようにいとも簡単に(執行停止を決めた国交省の審査決定文書の)数ページで決定がなされることに、沖縄県民は本当に怒っております」

 こうして翁長前知事から謝花副知事に託された埋立承認撤回について玉城知事は、今回の早期訪米でアメリカ政府にきちんと伝えた。承認撤回の根拠の一つが軟弱地盤問題であったからだ。準備不足などの声もあったが、一定の成果をあげたのは間違いない。ただし「海兵隊関係者との面談」は実現しなかった。 

 最後の囲み取材で玉城知事は「海兵隊関係者との面談が実現した場合、『私は海兵隊員の息子です』と伝えたい」とも語り、悔しさをにじませたが、2月にも実施される県民投票の結果をアメリカ側に伝えるための再訪米について、玉城知事は可能性を否定しなかった。再訪米で海兵隊関係者との面談が実現すれば、新基地を使用する米軍側に軟弱地盤問題を伝える貴重な機会となる。頑なな対応を続ける思考停止状態の日米両政府に対し、逆に闘争心をかきたてていく玉城知事から目が離せない。

最終更新:2018.11.24 08:24

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