亡くなった俳優の加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」!生前繰り返し語った戦争への危機感と憲法への思い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
katou_01_20180711.png
加藤の出演した『この子を残して』(DVD版)

 今月9日、俳優の加藤剛氏が亡くなっていたことがわかった。80歳だった。

 加藤剛氏といえば、30年近くにわたって続いた『大岡越前』(TBS)での大岡忠相役が印象的だが、もうひとつ知られている側面が、戦争を知る世代として、「俳優」の仕事を通して、平和への思いを伝え続けてきた姿だ。

 加藤氏は1962年にテレビドラマ版『人間の條件』(TBS)で本格的なデビューをしている。『人間の條件』では、第二次世界大戦中の満州を舞台に、激化する戦争のなかにおいても、自らの正義を貫き通す役を演じた。デビュー作が『人間の條件』であったということは、加藤氏の俳優としてのキャリアの方向性を決定づけたようだ。2015年4月12日付しんぶん赤旗日曜版で彼はこのように語っている。

「「人間の條件」で、平和な世の中をつくり、戦争に反対することが、僕の俳優という仕事の基本になりました。以来、どの作品に出ても、平和のために自分は何ができるかと考えてきました」

 その後、加藤氏は『大岡越前』や、映画『砂の器』といった作品をヒットに導く一方で、「戦争」を題材にした作品にも多く出演している。木下恵介監督作品『この子を残して』では長崎で原爆により被爆した放射線医学の永井隆博士を演じ、また、舞台『コルチャック先生』ではユダヤ人孤児院の院長でナチスの弾圧のもとガス室におくられたヤヌシュ・コルチャックを演じた。

 2014年の読売新聞のインタビューでも、「僕は戦争反対の一心で俳優を続けてきましたから、観客の心に平和への思い、弱い人への思いやりをこれからも与え続けられるよう、仕事を続けたい」(読売新聞2014年6月9日夕刊)と語り、その俳優人生をかけて戦争反対の思いを貫いてきたことを明かしている。

 加藤氏のこうした反戦への強い思いは、加藤氏自身の生い立ちと無縁ではないだろう。

 加藤氏は1938年に静岡で生まれた。東京方面に向かうB29から焼夷弾が落とされることも珍しくない環境で育つ。加藤氏はこの戦争で身内を二人も亡くしている。

 ひとりは、実の兄のように慕っていた義兄。軍医だった義兄は北マリアナ諸島のテニアン島で頭部を撃たれて即死した。また、二番目の姉は結核を患っており、戦後の厳しい食糧難と物資不足のなかでまともな医療を受けられなかったことが災いして亡くなってしまった。まだ28歳の若さだった。

 そんな加藤氏にとって、近年の日本の状況は看過できるものではなかった。特に、第二次安倍晋三政権以降の動きには、直接的な表現を用いて痛罵している。

「今の政権は、憲法違反の政権です。アメリカの戦争に協力するため、勝手に憲法の解釈を変えて、戦争法を通してしまった。
 安倍首相は、「国民に理解されていないから反対されている」などと言いますが、私たちは戦争への道を開くことになる法律だとよく理解しているから反対しているんです」(2015年11月29日付しんぶん赤旗日曜版)

 戦争が終わったことで、「もう枕元に防空頭巾を置いて寝なくていいんだ」(15年4月12日付しんぶん赤旗日曜版)と心からの安堵を抱いた経験をもつ世代として、日本国憲法、特に9条は何ものにも代え難い希望だった。加藤氏は日本国憲法を「戦争で命を奪われた人たちの夢の形見」とまで呼んでいる。

「私は、憲法は、戦争で命を奪われた人たちの夢の形見だと思っています。多くの犠牲の上に、今の平和な世の中がある。だから私たちには、子どもたちのために憲法を守る使命があると思います」(15年11月29日付しんぶん赤旗日曜版)

 しかし、その憲法がいま危うい立場に追いやられようとしている。この国は過去の教訓を忘れ、再び「戦争ができる国」へ戻る方向へ舵を切りつつある。その先にあるのは、70年以上前に体験し、二度と繰り返さないと誓ったはずの悲劇の再来だ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

亡くなった俳優の加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」!生前繰り返し語った戦争への危機感と憲法への思いのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。この子を残して加藤剛大岡越前安倍政権桂歌丸編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 菅首相が東北新社創業者のもうひとつの献金を隠していた理由
2 菅首相、麻生財相、小泉環境相らが参加する“会費月10万円以上の秘密勉強会”
3 菅首相が追い詰められ本音ダダ漏れ、ジェンダーバイアス発言も
4 『バイキング』がリコール不正で高須院長を露骨擁護!スポンサーに忖度か
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
7 田崎史郎が山田真貴子辞職でも「入院は山田氏の判断」「食べたの3万円分」
8 大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく批判を吊るし上げ
9 文春の元編集長の子どももフジに入社!
10 原発事故前に安倍が地震対策拒否
11 イノッチが夫婦別姓反対派を一蹴!
12 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
13 安倍の原発事故責任逃れの手口とは?
14 福島沖地震で東電が福島原発の異変を隠蔽!菅首相も「すべて正常」
15 菅首相の長男による総務省幹部接待は贈収賄だ! 接待音声データで菅長男が…
16 安倍首相が会見も新しい対策ゼロ! 質問打ち切りに記者から怒号
17 菅首相が山田内閣広報官を処分しない理由に女性問題を悪用!
18 愛知リコール不正は維新にも責任 事務局長は維新の衆院選公認候補
19 小田嶋隆・武田砂鉄対談 後編 糸井重里と松本人志をあらためて語る
20 山田真貴子内閣広報官が育鵬社の教科書に“男女平等の象徴”として登場!
1年金データのマイナンバーはやはり中国に流出か…厚労省部会の報告書が指摘
2福島沖地震で東電が福島原発の異変を隠蔽!菅首相も「すべて正常」
3 愛知リコール不正は維新にも責任 事務局長は維新の衆院選公認候補
4丸川珠代は五輪担当相に不適格!「娘として」発言、ヘイトデマ丸乗り
5菅首相が東北新社創業者のもうひとつの献金を隠していた理由
6菅首相が“コロナ会見中止は山田内閣広報官隠し”と追及され逆ギレ!
7山田真貴子内閣広報官が育鵬社の教科書に“男女平等の象徴”として登場!
8菅首相が山田内閣広報官を処分しない理由に女性問題を悪用!
9大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく批判を吊るし上げ
10菅首相、麻生財相、小泉環境相らが参加する“会費月10万円以上の秘密勉強会”
11菅首相が追い詰められ本音ダダ漏れ、ジェンダーバイアス発言も
12田崎史郎が山田真貴子辞職でも「入院は山田氏の判断」「食べたの3万円分」
13『バイキング』がリコール不正で高須院長を露骨擁護!スポンサーに忖度か
14 菅首相の長男による総務省幹部接待は贈収賄だ! 接待音声データで菅長男が…
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄