自衛隊の隠蔽はイラク日報だけじゃない! 南スーダンでは「宿営地に25発の弾頭、弾痕9か所」の被害を隠蔽

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

文書漏洩の取り調べで「この件は官邸マター」「行政の長も激怒」の言葉が

 それだけではない。大貫氏が青木氏に明かしたところによれば、この「省秘」指定から2日後の9月5日前後、情報本部の統合情報部周辺では、さらなる隠蔽工作が行われていたというのだ。情報本部に在籍していた大貫氏がこう証言している。

「これも上層部の指示でしたが、問題化した文書をパソコンから削除しろと職場で指示されました。国会で騒がれてしまったから、必死で隠滅を図ろうとしているのだと私は受け止めました」

 さらに大貫氏は、取り調べにあたる刑務官から「この件は官邸マターだから捜査に協力しろ」「この件については行政の長も激怒しているんだぞ」といった言葉も浴びせられたという。

 つまり、安倍首相が国会で「文書は確認できなかった」と強弁したから、防衛省は実在する文書をなかったことにするため、秘密文書に指定し、省内からも痕跡を消そうとした。そうとしか思えない。詳しくは青木氏の『情報隠蔽国家』を読んでもらいたいが、この安保関連文書の隠蔽問題にしても、森友・加計学園問題や自衛隊日報問題にしても、その根はすべて、安倍首相につながっているのである。

 私たちは「見える」ことのみを“現実”だと把握する。しかし、公文書の隠滅は、国民から真実を隠し、のちの歴史の検証をも遮断してしまう。それは、為政者にとって、ありのままの現実が不都合だからにほかならない。実は、すでに海外での戦闘で自衛隊員が死亡しており、政府がそれを隠していたとしても、もはや、少しも不思議ではないだろう。いま、安倍政権のもとで起きている事態の深刻さは、その域にまで達しているのだ。

最終更新:2018.05.28 11:54

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

自衛隊の隠蔽はイラク日報だけじゃない! 南スーダンでは「宿営地に25発の弾頭、弾痕9か所」の被害を隠蔽のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。PKO安保法制編集部自衛隊青木理の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄