地下鉄出口封鎖、通行阻止…官邸前デモの過剰警備がひどい! 拡大する抗議封じ込めのため官邸が警視庁に圧力か

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警察官が「デモには一般の市民はこない」と暴言、参加者に背後から肘打ち

 たとえば、ここ最近の金曜夜、抗議活動がおこなわれている総理官邸前交差点にもっとも近い東京メトロ国会議事堂前駅では、改札を出た後、地上に出ようにも多くの出口を警察が封鎖しており、ひとつの出口からしか出られないような状態になっている。また、総理官邸前交差点へとつづく内閣府下交差点の歩道などは通行止めとなっており、溜池山王駅から官邸前に向かうにも警察が歩道を規制し参加者を迂回させるなどといった事例が発生している。

 しかし、さらに酷いのは、警官による歩道の規制、歩道と車道のあいだの鉄柵によるバリケードの設置だ。

 佐川氏証人喚問後、初となった同30日の抗議デモでは、国会議事堂前駅3・4番出口あたりの歩道で警官が隊列を組み、「これ以上、前(官邸前方向)へは行けない」と参加者の通行を阻止。それによって歩道には人が溢れかえり、いつ将棋倒しが起こってもおかしくはない状態となった。結局、警察官はそのエリアでの歩道上での隊列をやめたが、今度は車道に移りバリケードを強化。歩道はデモ参加者ですし詰めとなり、筆者が目撃したなかでは、体調の悪化を訴える年配者もいた。だが、それでも警察は鉄柵を外そうとはせず、そのためデモ参加者らが身体をもち上げて鉄柵を越えさせ、なんとか車道に駆け付けた救護班に看てもらうという措置がとられていた。

 しかも、じつはその前日の3月29日には、弁護士有志による「官邸前見守り弁護団」が警視庁に過剰警備の見直しを求める申し入れ書を提出しており、そこにはこんな実態も綴られていた。

〈通行規制のために歩道に上がった警察官が、抗議参加者の持つプラカードやカメラを手で払い除けたり、参加者の体に背後から肘打ちしたりするなどの暴力を振るっていることが参加者の多数の証言から明らかとなっている〉
〈警察官が参加した市民に対して「一般の人はデモには来ません」(つまり、デモに来ている人は一般人ではないということ)などと冷笑しながら言い放つなど、極めて侮辱的発言・態度を取るに至っている〉

 過剰警備を指摘されておきながら、翌30日は改善されるどころか悪化した警察官の警備姿勢。そもそも「安全」のために警備をおこなうのであれば、車の往来も少ない場所なのだから、将棋倒しの危険を回避するためにも車道を1車線でも開放すればいいだけの話。だが、むしろ警察は危険を増すような警備を敷き、デモ参加者に暴力を振るい、「一般人ではない」と暴言を放つというあるまじき態度をとっているのである。

 この状況を受け、「官邸前見守り弁護団」は昨日5日、記者会見を開き、それを複数のメディアが過剰警備について伝えた成果もあってか、今夜は駅出口の封鎖も解除されるなど警備はやや緩和されている。だが、これで安心とは言えない。機を見てさらに過剰警備を進める可能性があるからだ。

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