AV親バレ問題で浮き彫りになった鈴木涼美と紗倉まなの違い…AVへの嫌悪を受け入れる鈴木と偏見に抗い続ける紗倉

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鈴木涼美は母から「テロリストなら守れるけどAV女優は守れない」と

 ただ、そのような例は、AV出演をめぐる社会認識のいち側面であって、世間にはやはり根強い偏見と拒否感がある。前掲『愛と子宮に花束を』では、母から言われたというこんな強烈な言葉たちも紹介されていた。

「前にあなたが詐欺やテロリストで世間からバッシングされても、私はあなたの娘としての素晴らしさをもって心の中で信じて守ってあげられるかもしれないけど、AV女優になったら守るすべを失った、って話したじゃない? ヤクの売人でも豊田商事みたいな悪徳商法でも、売りはらった後はお金しか手元に残らないから、償い続けたらいつかその過去を払拭するっていうの? そういうことができるかもしれないけど、身体やオンナを売るっていうことはさ、お金はもらうけど、それで何かを売り渡してはいるけど、それでも身体もオンナも売る前と変わらずあなたの手元に残るからね、だから一生消えないと思うのよ」
「もう少し元気になったらね、私、命が尽きるまでに、児童文学者で、女子大で保育士や幼稚園教諭を目指す娘たちに、絵本の素晴らしさを教えている立場でありながら、娘をよりによってAV嬢に育て上げてしまった、その責任について書いておかなきゃいけないと思っているの」

「AV女優になられるぐらいなら、クスリの売人にでもなったほうがマシ」と言わんばかりの、娘にしてみればかなり厳しい言葉だが、鈴木氏自体はこの言葉を親としての愛ゆえのものであると受け止めていた。実際、このような反応を示す母と、「週刊文春」報道後の周囲の反応とを引き比べて、彼女はこのように感じていたという。

〈週刊誌に経歴を書かれてさらにそれをワイドショーで小さく読まれたりしながら、なぜか過剰に反応して擁護してくる人たちを私は不気味に感じていた。経歴を肯定したり、なぜか褒めたりしてくる人間を信用できなかった。私をちゃんと愛している母は、絶対に私のことを肯定も許しもしなかったし、私を傷めつけ私が簡単に手に入れられたであろう幸福を奪った私自身を叱責し続けた。私はそれをすでに母に命をかけて教えられていた。だから私を安易に肯定する人間は気持ちが悪かった〉

 鈴木氏はこのように「AV女優」という職業に対しする母親の憎悪を、仕方がないものとして受け入れているようだが、まったく違う考え方をもつAV女優もいる。現在でも人気女優のひとりとして活躍している紗倉まなだ。

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