高橋洋一、岸博幸、原英史…加計問題を「岩盤規制突破」と正当化する安倍応援団が裏で“特区コンサル”企業に協力していた

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高橋洋一氏は特区コンサルタント会社の「顧問」だった

 しかし、問題はここからだ。じつはこの特区BC社の「顧問」に、「獣医学部新設は岩盤規制を突破しただけ」と繰り返し主張し、安倍政権を必死に擁護してきた、経済学者の高橋洋一氏が就いていたのだ。

 高橋氏といえば、元大蔵省官僚で、小泉内閣で竹中平蔵経済財政政策担当相の補佐官となり、第一安倍政権では内閣参事官を務めるなど、規制緩和推進派の人物。今回も、〈参入障壁は有害無益〉〈規制緩和に反対する立場の人は、一般に既得権側〉などと述べ、「行政が歪められた」と告発した前川喜平・前文部科学事務次官に対しては文科省の「挙証責任」論をぶってきた“獣医学部新設擁護”の急先鋒となってきた論客である。

 だが、実際には高橋氏は、国家戦略特区に提案しようとする自治体や事業者をサポートするコンサルティング会社の顧問、つまり、国家戦略特区という枠組みによって儲けている会社にかかわる、利害関係者だったのである。

 しかも、高橋氏と同様に「獣医学部新設は岩盤規制を突破しただけ」と声高に叫んできた論客が、この“国家戦略特区ビジネス”を展開する特区BC社にはかかわっていた。それは元経産省官僚で慶應義塾大学教授の岸博幸氏だ。

 岸氏の主張も高橋氏とほぼ同じで、「一連の手続きに違法性はない」「内閣府と文科省が交渉して文科省が負けただけ」と主張。なかでも産経ニュースのインタビューでは、前川氏のことを「官僚のクズ」と口汚く罵り、『ニュース女子』(DHCシアター)では「てめえが行政歪めてたくせに、そのこと何も言わないで、今回の問題だけ行政が歪められたって書く新聞の神経がわかんない」とメディア批判もおこなってきた。

 しかし、この岸氏も、特区BC社が「企画協力」する「少人数セミナー」で講演していることが、同社の会社案内の資料にはしっかり写真入りで紹介されているのだ。

 この会社案内によると、同社は特区申請の手続き1案件につき「150万円〜」の料金を取っていたようだが、もうひとつ、同額で〈有識者ネットワークを活用した各種シンポジウム・セミナー/各種メディア・媒体活用〉をおこなう「広報・PRサポート」のサービスも用意している。岸氏や顧問の高橋氏は、そうしたセミナーで講演を引き受けていたことが資料には記載されているのである。

 だが、驚くのはまだ早い。なんとこの特区BC社には、国家戦略特区の決定プロセスにかかわる「当事者」までもが関係していた。国家戦略特区の「生みの親」であり、国家戦略特区諮問会議の民間議員である竹中平蔵氏だ。

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