「全国民が取り組め」の椎名林檎と対照的! メダリストの有森裕子が五輪至上主義を批判し「社会ファーストであるべき」

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招致に関わった有森裕子が東京五輪の現状に「全然違う」

 有森氏は6月17日に放送された『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)にゲスト出演したが、この日のテーマは「リスナー国民投票 東京オリンピック・パラリンピック、今からでも返上するべき?」だった。司会の久米宏氏はこれまでことあるごとに「東京五輪開催反対」「アンチ東京五輪」を叫んでいる急先鋒的存在だが、この日も「たとえ最後の一人となろうとも、2020年のオリンピック開催は反対」と気勢をあげ、有森氏はそれに賛同するかたちで、現在の五輪のあり方、そしてアスリートファーストに疑問を呈したのだ。

 有森はまず“アスリートファースト”という言葉に対する違和感について、こう語っている。

「(アスリートファーストという言葉は)違和感だし、どういう意味合いで言っているのか、みなさんそれぞれすごく違うような気がするんです。アスリートがアスリートファーストで考えて欲しいと言うのと、まわりの人が言うのは違うと思うんです。しかも掲げて言うほどのものではなく、本当は“社会ファースト”だと思うんです。スポーツも文化もすべて社会で人間がきちんと楽しく、平和に健康でいるための手段のひとつ。音楽や物をつくる、スポーツする。オリンピックもそうした手段のひとつだと思うんです。ですからすべては社会の感覚と一致しないといけない。そうすると“手段”がファーストになるのはおかしいですよね。すべては社会ファースト。ですから社会のことを考えて、その感覚と一致しなくてはいけない。でもいまのオリンピックの考え方とか、ことの進め方は、ある時点から、もちろん招致のときからあったのですが、あまりにも“オリンピックだからいいだろう”“だからいいだろう”“だからこう決めるんだよ”とあまりに横柄で。なぜこうまで偉そうになっちゃうんだろう。社会とずれる感覚を打ち立てて物事を進めている。横柄だし、雑だし傲慢」

 上述したように、東京五輪開催は現在、アスリートファーストどころか“オリンピックファースト”で強引に進められている。たとえば新国立競技場問題や競技会場決定のプロセス、費用の問題など、さまざまに指摘される問題が、この社会に生きる市民の生活を置き去りに、すべてが“オリンピックだから”と押し切られてしまっている。この状況に対し、有森は「スポーツも文化もすべて社会で人間がきちんと楽しく、平和に健康でいるための手段のひとつ」であり、まず“社会ファースト”であるべきだと主張しているのだ。

“社会ファースト”という視点から、さらに有森氏はそもそもの東京五輪開催の理念の変遷、そして“五輪返上”の声についてもこう触れた。

「そもそもなぜ東京五輪を招致したのか。一番大切なのが、復興だったはずです。スポーツによって、日本を元気に変えよう。日本に大きな災害があって、オリンピックを呼ぶことで復興させられるんだと、最たる手本になる国になる。そのつもりで私もブエノスアイレスでロビー活動をしました。でも蓋を開けたら全然いま違う。復興どころか、どこを見ているんだろう。結局何をやろうとしているんだろうというのが正直あります。どこか不安で、反抗したくなるような、やらなきゃいい、返上すればいいという感情を促してしまう。すごく残念です」
「そのしわ寄せは子どもたちにいく」

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