天皇の生前退位問題で安倍政権の改憲利用が始まった! 内閣法制局が「第1条改憲必要」デマを日テレにリーク

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 その意味では、「生前退位」への賛否は別としても、これをめぐる一連の動きについてもっとも憲法的な問題となるのは、第4条に抵触するかどうかということだろう。天皇はビデオメッセージのなかで「生前退位」という語を避けるなど、極めて慎重に言葉を選んでいたものの、これを実現したいという意向は誰の目にも明らかだった。そして、実際に安倍政権は「お気持ち」を受け、政治的に様々な手立てを現在講じている。控えめに言っても、これは極めて黒に近いグレーゾーンである。

 しかし違憲の疑いが強いとしても、現実として、各社世論調査が示しているとおり、国民の大多数は今上天皇に対する同情や共感的な感情を抱いており、政権としてはこれを無視するわけにはいかない。かといって、安倍政権の支持層である日本会議などの極右カルト勢力は皇室典範の改正や生前退位そのものを拒絶している。安倍首相にとっては、こうした声も完全に無視することはできない。

 したがって、政権周辺ではこの両者(大多数の国民と、一部のカルト極右陣営)の両方を納得させる策を講じる必要がある。言うまでもなく、そのプランAは報じられているとおり「一代限りの特例法」の制定だが、これは“皇室典範だけは死守する”という極右支持層へのメッセージであり、防御的意味合いが強い。だからこそ、政権はいま、より攻勢に出るプランB=“「生前退位」第1条違反論”に対する国民の反応を窺っていると考えられる。

 つまりこういうことだ。仮に「生前退位」が第1条に違反するという解釈を採用するとすれば、天皇の地位を「国民の総意」の上位に位置づけるよう改憲することで「生前退位」をクリアできる、という理屈になる。これは法理論としてはナンセンスであるが、国民にとっては非常に理解(誤解)しやすいロジックだ。

 しかし、その意味するところは、「生前退位」のバーターとして“天皇の権限を強化する改憲”を進めるということに他ならない。そして、これこそ日本会議や安倍首相の悲願とするものであることは、もはや言をまたないだろう。

 2012年に発表された自民党の憲法改正草案を見てもあきらかだ。事実、自民党改憲草案第1条では、天皇は国家の「象徴」から「元首」へと改められている。ここに明治憲法下のように、国民支配の装置として再び天皇を政治利用しようという意図を読み取る向きは、専門家の間でも少なくない。ただし天皇の政治利用の目論見が浮かび上がるのは、第1条だけではない。

 たとえば、現行第4条1項前半では《天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い》と規定されているが、自民党改憲草案では〈天皇は、この憲法の定める国事に関する行為を行い〉と、「のみ」という限定が消されている。また、現行第3条前半の《天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし》については、自民党改憲草案では《助言と承認》が〈内閣の進言〉なる言葉に置き換えられている。いずれも、天皇の権限が従来よりも拡大する可能性のある変更だ。

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