「セックスに絶望した日本の男は肛門を開発すべき」二村ヒトシと湯山玲子が語る性差別を乗り越える方法とは?

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「「恥」の概念は、日本においては欲情するトリガーのひとつです。「お前、パンツが染みてるぞ」「濡れちゃって恥ずかしい!」で勃起する。(中略)恥の概念があるからこそ、日本人のセックスは表立たないし、そういう、男→女の力学状態が続いている原因にもなっているということ。「女性も性欲があって当たり前なんだ」という革命が女性の中で起こっているけど、それを認めちゃったら、もう性=恥の欲情装置は働かない。ちょっと前までは、そこをおもんぱかって、女性は演技したものだけど、若い世代はそうじゃないでしょうね。男性がセックスレスになるのはよくわかる」

 女性は性に対し受動的で、男はそんな女性を無理やり責めることにより興奮のトリガーを引く。「嫌よ嫌よも好きのうち」に代表される、いまとなっては時代遅れも甚だしい概念が、ベッドのなかではまだ強く息づいている。それは、湯山氏も本書のなかで指摘している通り、「「男らしさ」の呪縛は性の局面にこそ最大限に登場」するからだ。

 二村氏もその意見には同意。「攻めと受け」「支配と被支配」の構図が固まっていたこれまでの「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から抜け出し、より「平等」で、その時々により関係性を変化させる「リバーシブル」なものになれば、セックスへの忌避感も減っていくのではないかと主張する。

「「セックスはリバーシブルなのが自然」になればいいんですが。男はこう、女はこうと決まっているほうが不自然」
「「やりたいときに、やりたい相手に、女の側からも『やりたい』と言える」ようになり、やりたい男は女性の欲望に対したときに萎えない、むしろ興奮するようになっていくほうがいい」
「本当の快楽には男性性も女性性もないんじゃないか、あるいは一組のカップルのそれぞれが濃厚な雄性と雌性の両方を有していてそれが自在に入れ替わるというのが、一番エロいのではないか。セックスに可能性が残ってるとしたら、それだろうと考えています」

 しかし、では、どうすればこれまで我々の「性」を縛ってきた呪縛から抜け出せるのか。先ほど引いた湯山氏の発言にもある通り、現在女性はそのような「女らしさ」の呪縛から抜け出しつつあるが、男たちはまだまだである。二村氏はそのために、男は「受け身の快楽」を知るべきだと提言する。

『ゴルゴ13』のデューク東郷のように、射精したらそっぽを向いてタバコを吸うようなセックスではなく、男も、もっとベッドのなかで感情をあらわにすべき。そのために二村氏は、「肛門」を開発すべきだと語る。

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