『ミヤネ屋』も『ひるおび!』も「仏でテロが起きたのは自由と人権尊重のせい」…テロを利用して人権制限キャンペーンが

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 だが、これらの解説はすべて真っ赤な嘘だ。フランスはたしかに以前は、監視、盗聴に消極的だった。しかしこのところ、テロ対策として諜報活動を強化していた。昨年春には、内務省の国内情報中央局を国内治安総局に再編し、今年1月のシャルリ・エブド襲撃事件をきっかけに、警察や国の情報機関の権限を強化し人員を増強。夏には新たな法的枠組みを設け、警察に“裁判所の令状なしで”電話の盗聴や通信傍受ができる広範囲な権限を与えるようになった。

 今回のテロが起きたのは、その後のことなのだ。つまり、諜報活動をいくら強化しても、市民の携帯電話の盗聴や、郵便物の開封などという“プライバシーを侵害する”対策を重ねても、テロは防げないということを証明したのが、パリ同時多発テロだったのだ。

 そもそも、テロは自由と人権の保障された民主主義国家だけで起きているわけではない。中東やアフリカの独裁国家でも、さらには中国でも起きているではないか。

 にもかかわらず、テロをむりやり自由と人権のせいにして、その制限を叫ぶ。これはどう考えても、諜報活動の強化と人権制限が必要という世論を作り出そうとしているとしか思えない。

 実際、19日放送の『ひるおび!』では、公共政策調査会の板橋功、元在フランス公使の山田文比古・東京外国語大学教授、軍事ジャーナリストの黒井文太郎らゲストコメンテーター、そして司会の恵俊彰が一緒になって、テロ対策には通信傍受が重要であること、日本が他国に比べて遅れていることをしきりに強調していた。

 たとえば、警察の天下り団体である公共政策調査会の研究員である板橋の解説はこんな調子だ。

「もともとテロ対策というのは、個人の自由とか権利を制限するものなんですね。ですから自由と安全のバランスをどうやってとるかというのが、9.11以降の非常に大きな問題なんですね。たとえば愛国者法では、いまだにそうなんですが、外国人は無令状で拘束できるんですよ。こうした人権の問題とテロ対策のバランスをいかにとっていくのか。また通信傍受については、アメリカは行政傍受ができる。日本は司法傍受しかできません。犯罪があってはじめてできるんですね。ところが行政傍受はテロを未然に防ぐための傍受ですね。そういう仕組みがある。日本もそろそろ必要かとは思うんですが」

 これに対して、レギュラーコメンテーターの室井佑月が「個人の自由を犠牲にしても結局、テロって減ってないじゃないですか。被害をうけている人って増えていますよね」と、盗聴や監視を強めても効果をあげていないことを指摘したのだが、板橋は「防いでる事件がものすごくあるんですよ、実は。全部は公開しません。なぜかというとインテリジェンス情報によって防いでいるものは手口を公開することになるので」などと強弁。

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