朝日新聞でなんでも両論併記の“中立病”が進行中! 難民中傷イラストを「風刺」、安保法制は「海外で評価」

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 ようするに、朝日はこんな民主主義の根幹にかかわるような問題でさえ、自分たちの態度を鮮明にせず、「どっちもどっち、微妙な問題ですなあ」「いろいろありますが、ようはバランスですよねえ」と高みの見物を決め込んでいるのだ。まさにあきれ返るほどの、中立病――。

 実際、朝日の姿勢に対してネットではこんな厳しい批判の声があがった。

「はすみとしこの難民愚弄イラストを「風刺」かもしれないと語る朝日新聞は異常」
「どうやったらこれが風刺に見えるんだよ間抜け」
「世界のマスコミが朝日は馬鹿じゃないのかと思うだろう」
「こんな話題まで両論併記で逃げるな、その程度責任持って発信しろよ」

 だが、このなんでもかんでも両論併記の中立病的態度というのは、たまたまでなく、最近の朝日の社内の空気を反映したものなのかもしれない。朝日新聞の記者がこんな内情を語る。

「昨年夏の朝日バッシング以降、社内は腰砕けというか、完全に萎縮していますからね。とにかくちょっと踏み込んだ記事を書くと、すぐに『偏向といわれないようにしろ、もっと慎重にやれ』と上からストップがかかる。しかも、バッシングのときに辞任した杉浦信之編集担当取締役にかわって、編集のトップに就任した西村陽一取締役が、『朝日はこれから中道でいく』と宣言したらしいんです。で、編集幹部が一斉にその意向を忖度して、中立的な報道を現場に押し付けるようになった。何かを主張するときは、必ず反対意見を併記しろ、と、異常なくらいバランスをとるようになった」

 そういえば、一連の安保法制報道でも、全面反対の論陣を張ったような印象をもたれているが、実際はそんなことはまったくなかった。SEALDsなどの反対デモは大きく報道していたが、強い反対姿勢を示す記事はそれくらい。政治部が安倍政権の欺瞞を鋭く追及するような記事はほとんどなかった。

 たとえば、東京新聞や毎日新聞が追及していた安倍首相の答弁のデタラメぶりについても、朝日はまったく批判していないし、クローズアップされた経済的徴兵制の問題なども本格的に問題にする記事はほとんどなかった。

 参院特別委で共産党が追及した、統合幕僚長と米軍幹部間の安保法制成立を前提とした“密約”疑惑についても、防衛省の内部文章がでてきているのに、数百文字のベタ記事扱いで、本格的な取材は皆無だった。

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