百田尚樹だけじゃない! 櫻井よし子、八木秀次、チャンネル桜、つくる会…安倍首相のお仲間が沖縄ヘイトに大集結

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 というのも、7月25日、我那覇氏は前述のKAZUYA氏と那覇市内でトークショーを行っており、立ち見がでるほどの盛況だったというが、これを後援したのが「チーム沖縄」と「沖縄対策本部」という団体。同団体は、かねてより在特会とのつながりがあり、実際数年前には、在特会会長(当時)の桜井誠氏が在特会沖縄支部をつくる目的で沖縄へ出向き、両者は意気投合したと言われている。

 加えて、「正す会」HP上の告知ページには、名うての保守言論人が名を連ねるなかで、右派市民団体「なでしこアクション」の代表・山本優美子氏の名前もあった。本サイトでも何度か解説しているとおり、山本氏は元在特会事務局長。つまり、一見右派のなかでもレイヤーが異なるように思える彼・彼女たちが、沖縄という題目のもと集結しているのである。これはどういうことなのだろうか。

 ネット右翼とヘイトスピーチ問題を追及し続け、沖縄にも勢力的に取材へ赴くジャーナリスト・安田浩一氏がこう語る。

「沖縄というのは、保守言論人にせよ草の根保守にせよ、あるいはネット右翼にせよ、彼らが集りやすい素地があります。というのも、沖縄世論は日本のなかでもとりわけ“基地アレルギー”が強く、いまもまさに辺野古埋め立ての問題などで注目を集めていますよね。それが、彼らからしてれば『左翼の巣窟』『赤い島』というふうに映るわけです。こうした状況下では“反・反基地+反左翼+反メディア”というスローガンが容易に成り立つがゆえに、政治家から草の根保守、行動保守までもが結合しやすいのではないでしょうか」

 たしかに、安田氏の言うとおり、今年4月の「正す会」結成式では、元自民党沖縄県連会長・西田健次郎氏の姿も確認されているし、また、代表の我那覇氏は、昨年、自民党などの推薦を受けて3選に臨んだ前沖縄県知事・仲井真弘多氏の後援会で仕事をしていたとも公言している。なるほど、彼らの政治的連結はわれわれが思っているよりもはるかに進んでいる、そういうことだろう。

 百田氏や八木氏という安倍首相のとりまきの右派言論人、中山氏や西田氏などの右派政治家、さらには嫌韓反中本の著者にネトウヨYouTuber、そして、草の根保守とヘイト団体関係者……ようするに、今回の「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」が表しているのは、日本の右派が上から下まで渾然一体化した姿だったのだ。

 これは同時に、安倍首相を中心とする自民党政権が、ネット右翼も含む様々な階層を取り込み、世論形成に利用している事実とも重なる。一方では東アジア情勢の緊迫を喧伝して国防強化を雄々しく謳いながら、他方では在日外国人を差別・排斥する卑劣な運動を組み込む。もはや、安倍政権にとって、日本の伝統保守が重んじてきた思想信条などはどうでもよく、なりふりかまわずに自らの願望を押しとおしたいだけなのだろう。

 つまるところ、いま官邸は、頭痛の種である百田氏や、在特会界隈との関係を切り、安倍政治をクリーンなものであるというイメージにしたがっているが、もう手遅れの段階まで進んでいるのだ。そう、われわれがいま目にしている安倍政権は、ヘドロと化した保守思想の頽落、そのグロテスクな中心点なのである。
(梶田陽介)

最終更新:2015.08.20 09:22

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