川内原発再稼働に「長渕剛がその気になれば阻止できる」の声が…脱原発を語ってきた長渕よ、原発ゲート前でゲリラライブをやってくれ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 前述の『ワイドナショー』でも、「戦後復興後、高らかに我々は生きてきましたけど、そのなかに負の遺産はありました。負の遺産を残しておきながら、そのことにきちっとケリもつけないくせに、次のこと(安保法案)をやっていこうとする俺らの大将、ちょっと違うんじゃない?」と発言。「負の遺産」という言葉を使い、問題を先送りして原発再稼動に踏み切る姿勢を批判していた。

 長渕は、東日本大震災発生直後から定期的に被災地を訪れ、航空自衛隊松島基地や石巻の避難所での慰問ライブ・避難生活を余儀なくされた浪江町の子どもたちを鹿児島に招いてサマーキャンプを主催するなど、実際に“行動”を起こしながら復興支援に協力してきた。

 こうした活動の一環として、2012年3月には、特別番組『報道STATIONスペシャル「愛おしきあなたへ」』(テレビ朝日系)に出演し、福島第一原発20km圏内に入り警戒区域の実情を取材。その際に残した「もはや原発の有無を問う余地はない。立場や名刺はいったん脇に置いて、いち個人として現実を直視し、感性で見つめてほしい」という発言は当時ニュースにも取り上げられている。

 また、14年9月には、音楽評論家である湯川れい子氏のツイッターアカウントを通し、こんなコメントも発表した。

「長渕さんから嬉しいメールが来ました。個人的な私信なのでご紹介は出来ないけれど、「美しい支那海を想い、故郷を思うと、今のままの川内原発の再稼働は許せません!」って。やっぱりそうだよね」

 それらの発言に加え、彼の原発批判はメディアを通してのコメントだけにはとどまらない。12年5月に発売されたアルバム『Stay Alive』のなかには、「カモメ」という、原発をテーマにした楽曲が収録されている。

〈浪江の街の駅前の/ひしゃげたまんまの商店街/パン屋も床屋も雑貨屋も/命の音が聞こえない/全滅していた暮らしの中/壊れた信号機だけが点滅していた/僕はただ立ちつくし空を見上げて泣いた〉
〈男は牛たちの乳を泣きながら搾っている/来る日も来る日も毎日/泣きながら乳を搾ってる/捨てては搾って搾っては捨てて泣いてる/男は牛舎でつぶやいた/「原発さえなければ…」〉
〈止めてくれ/原発を/止めてくれ/今すぐ/母親から子供を引き裂き/子供から母親を裂く/乳房をくわえる赤子の/瞳をどうやって僕は見つめればいいの〉
(「カモメ」歌詞より引用)

 原発のない世界を希求する“祈り”にも似た静かな長渕の歌声は、マッチョな思想をもつ彼のファンに原発について考え直す契機を与え、14年10月には「男たちの脱原発」と題された、長渕ファンによる小規模な脱原発デモ行進も行なわれている。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

川内原発再稼働に「長渕剛がその気になれば阻止できる」の声が…脱原発を語ってきた長渕よ、原発ゲート前でゲリラライブをやってくれ!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。原発新田 樹長渕剛の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄