テレビ初放映!『永遠の0』に元特攻要員が危機感表明!「この映画を観て多くの人が感動するのは恐い」

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 また、『永遠の0』の主人公・宮部はラバウルからの生還後、海軍航空隊で教官を務めるのだが、教え子を戦地へ行かせぬため、操縦テストの評価に決して「可」を与えようとしない。これについても、元特攻要員の岩井氏はこう疑問を呈する。

「いくらその人に操縦技術があるとしても、そういう人が教官になって教育をする立場になるということが不自然です。教官になれば死ぬことを厭わないように教えていかなければいけないわけですから、その点では違和感がありますね」

  戦争中、教官が教え子に伝えるのは、人を殺す技術と、国に命を捧げるという精神だけだったというのだ。

「そういう精神の問題について一切触れないというのならそういう人が教官であることもありうるとは思います。僕も別のところですが、海軍水雷学校教官という発令を受け、水上特攻隊員になる人たちを教育したことがあるけれど、自分の死生観などについて話したことなどは一度もありません。もっぱら技術的な話だけでしたから」

 岩井氏は、その自らの体験から、『永遠の0』の宮部は「考えられないことです」「フィクションですね」と断言するのだ。そのうえで、作中描写について「海軍の持っていた暴力性の描き方は足りないです」と指摘し、実際の兵士や下士官の“生活”について、こう語る。

「毎晩、巡検というのがあるんですね。陸軍でいう消灯になるんでしょうか、それが終わってから通称で『整列』というのがあって、甲板の陰かどこかに立たされて毎日のように精神棒で尻を叩くんです。だから上陸して風呂屋などに行くと恥ずかしかったそうです。尻に叩かれた痕が赤く残っていて。それがあるから海軍の秩序というか、そういうものが整然としていたわけです。こういうもので強制していたのです。映画にはそういう部分が全然描かれないままに、宮部のような搭乗員が出来上がってくるというのは不自然ですね。いきなり飛行機に乗れたわけではないんですよ」

 一般水兵たちが直面した戦争には、敵との戦闘だけでなく、軍隊内での陰湿ないじめや、上官からの体罰もあった。だが、『永遠の0』では一人前になった後の“大空を駆ける操縦士”としての姿しか提示しない。VFXを駆使した迫力のある空戦シーンに至るまでに、そのような苛酷な現実があったことなど、受け手は知る由もないのだ。

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