安保法制でNHKの偏向ぶりが改めてヒドい! 首相の言い分だけ強調しヤジ問題はスルー

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 また、6月18日の国会で安倍首相は「国際情勢にも目をつぶり、従来の解釈に固執するのは、まさに政治家としての責任の放棄だ」と言い、集団的自衛権は違憲だとする多くの批判をお得意の論理のすり替えでシャットアウトしたが、これを伝えたNHKの正午のニュースは、テロップで「衆院予算委 集団的自衛権の行使“従来解釈への固執は政治家の責任放棄”」と打ち、安倍首相の言い分を正当化するかのように前面に押し出した。政権寄りの報道を行うフジテレビや日本テレビでさえ、同じ時間帯のニュースでは「「安保」「年金」で集中審議」(フジ『FNNスピーク』)、「安保関連法案など集中審議」(日テレ『NNN ストレイトニュース』)と打ち出していたことを考えると、NHKがいかに露骨であるかがよくわかるはずだ。

 だが、このようなNHKの態度はいまにはじまった話ではない。2013年の特定秘密保護法案採決のときも、強行採決を行う寸前でNHKは国会中継を打ち切った。また、元NHKディレクターの戸崎賢二氏が昨年7月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定するまでの『ニュースウオッチ9』を分析した結果によると、〈首相や政府側の言動が放送時間(167分)の約7割を占め、反対派の市民や識者の言動はわずか77秒しか報じられなかった〉(前出・週刊ポスト)という。

 しかも、その集団的自衛権の行使容認に絡んで安保法制懇の報告書が出たその日、『ニュースウオッチ9』には礒崎陽輔首相補佐官が、行使容認が閣議決定した後には『クローズアップ現代』に菅義偉官房長官が出演。まるで政権の広報と化しているかのようだったが、この『クロ現』では国谷裕子キャスターが「他国の戦争に巻き込まれるのでは」「憲法の解釈を簡単に変えていいのか」と質問。これに菅官房長官が激怒し、番組終了後、籾井会長をはじめ上層部が直々に謝罪したというが、国谷キャスターのごく当然の質問にさえ怒り出したことを考えると、やはり菅官房長官はNHKを“身内”“飼い犬”と捉えていたのだろう。

 もちろん、この「不偏不党」の原則を捨てたNHKの報道の元凶は、安倍首相を後ろ盾とする籾井勝人会長の存在が大きい。だが、根本的な問題は、政権が公共放送を“下僕化”させてしまうという異常な状態を“許している”点にある。

 奇しくも先月、NHKは『マイケル・サンデルの白熱教室』で世界各国の放送人を集め、「公共放送の未来を考えよう」と題して番組を放送した。そのなかで、サンデル教授は“政権に都合の悪い報道を行うか?”“政権が介入してきたら自主規制するか?”と問いかけた。そのとき、イギリス・BBCのスタッフは「BBCは事実を尊重し、権力に立ち向かい圧力に屈しないということが原則」「政府の糾弾や圧力には屈しない」と答えた。一方、サンデル教授に“政権に都合の悪い報道を行って呼び出しをくらい、そのあとまた物議を醸しそうな話題を取り上げることになった場合、自主規制するか?”と振られたNHK制作局部長は、「エグゼクティブたちの覚悟次第だと思います」と気弱に述べた。

 エグゼクティブの覚悟に左右されてしまう公共放送。……情けなくて悲しくなるが、こんな具合だからNHKだけ受信しない商品まで出回ってしまうのだ。いや、もう多くの国民はこの商品名と同じように「イラネッチケー」と、NHKにそっぽを向きはじめているかもしれないが。
(水井多賀子)

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