共謀罪をめぐる状況は石川啄木が大逆事件について警告した内容とそっくりだった! 暗黒の歴史を繰り返させるな!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
takuboku_01_160612.jpg
『啄木詩集』(岩波書店)

 共謀罪法案が参院で審議入りしている。しかし、表現や思想の自由を著しく侵害するおそれや、公権力による恣意的解釈が横行するのではないかといった法案の危険性はいまだに払拭されぬまま。与党は今国会の会期内に成立させたいとしているが、こんな状態のまま法案を通してしまうことは、即ち「民主主義の死」とも言えるだろう。

 しかし、安倍晋三応援団たるネトウヨは「警察による“恣意的な解釈”だの“権限の拡大”なんていうのはテロ予備軍の妄言」としているが、それが言いがかりなどでは決してないことは、日本史の教科書のページを開けばすぐにわかることである。

 公権力はちょっとしたきっかけでいとも容易く暴走する。その端的な例のひとつが、1910年に起きた大逆事件(幸徳事件)だろう。

 これは、明治天皇暗殺計画を企てたとして幸徳秋水ら大勢の無政府主義者や社会主義者らがいっせいに検挙され、幸徳を含む12名が死刑に処された事件。しかし、実際に暗殺計画に関わったのはそのうち数名でしかなく、これは権力に楯突く思想家たちを根絶やしにするためのでっちあげ事件だとされている。

 この事件に対して尋常ならざる執着をもち、公権力の暴走を批判し続けたのが、石川啄木である。

 周知の通り、彼は1912年に肺結核により26歳の若さでこの世を去っているが、死の前年には「ココアのひと匙」という詩を書き、幸徳らの運命に共感の念を送った。

〈われは知る、テロリストの
かなしき心を──
言葉とおこなひとを分かちがたき
ただひとつの心を、
奪はれたる言葉のかはりに
おこなひをもて語らむとする心を、
われとわがからだを適に擲げつくる心を──
しかして、そは真面目にして熱心なる人の常に有つかなしみなり。

はてしなき議論の後の
冷めたるココアのひと匙を啜りて、
そのうすにがき舌触りに、
われは知る、テロリストの
かなしき、かなしき心を。〉

 啄木は大逆事件と出会ったとき、東京朝日新聞に勤めていた。1910年6月2日、啄木は物々しい報道管制と同時にこの事件のことを知る。そのときのことをこのように記録している。

〈東京各新聞社、東京地方裁判所検事局より本件の犯罪に関する一切の事の記事差止命令を受く。各新聞社皆この命令によつて初めて本件の発生を知れり。命令はやがて全国の新聞社に通達せられたり〉(「日本無政府主義者陰謀事件経過及び付帯現象」)

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

共謀罪をめぐる状況は石川啄木が大逆事件について警告した内容とそっくりだった! 暗黒の歴史を繰り返させるな!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。共謀罪文学編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 ナチス礼賛、高須院長がまた訴訟恫喝!
2 ネトウヨ高須院長に息子が苦言!
3 高校生平和大使の演説中止と安倍政権
4 加計学園獣医学部施設の設計図疑惑
5 ローラが所属プロに奴隷契約の終了を
6 三浦瑠麗が戦前賛美、その御用学者体質
7 安倍政権が福井国体を戦前賛美に利用
8 長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表
9 松本人志追及に井上公造が「圧力ない」
10 吉永小百合が「9条は変えさせない」
11 葵つかさが「松潤とは終わった」と
12 ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
13 日本の外務省が文大統領と同様の発言
14 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
15 『永遠の0』は恐い!元特攻要員が批判
16 トランプ差別発言に有本香と玉川徹が
17 ネトサポの親玉が愛人に告発された
18 田中ともえが安保法制で夫婦喧嘩
19 春樹『騎士団長殺し』と南京虐殺描写
20 中居ジャニーズ残留とキスマイ
1ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
2 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
3長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表
4久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
5綾瀬はるかが毒ガス製造の元兵士を取材
6テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
7三浦瑠麗が戦前賛美、その御用学者体質
8高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
9市原悦子が語る戦争と安倍政権への怒り
10長崎のメッセージも安倍には届かず!
11グアム北ミサイルは存立危機事態でない
12 高校生平和大使の演説中止と安倍政権
13トランプ的どっちもどっち論横行の日本
14仲代達矢と桂歌丸が語った戦争体験
15寂聴「憲法を汚した安倍は世界の恥」
16手塚治虫が描いた戦争をいま読み直す
17閉会中審査、小野寺防衛相も隠蔽体質
18幹部から新人までほとんどが商売右翼
19極右丸出し”日本ファースト”は小池命名
20加計学園獣医学部施設の設計図疑惑
PR
PR 飲むだけで女性のカラダの悩みを解消!?

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」