ホリエモンとの性的関係、3Pを報道された「女装男子」大島薫が語っていた、新しいかたちのエロス

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 いわゆる「男の娘」ムーブメントに関心を持つ者であれば知らぬ者はいない存在、大島薫である。顔・所作・ファッションは「女」。でも、カラダは「男」。そんな大島薫というAV女優はいかにして誕生したのか? その魅力とは何なのか? 先ごろ出版された、大島薫『ボクらしく。』(マイウェイ出版)を読みながら、男の娘AVという奥深い世界をご紹介していきたい。

 大島がAVにおいて大事にしていたのは「かわいい顔におちんちんが付いている」という「ギャップ」であるという。これは大島が女装に興味をもったきっかけである、同人作家の「ふたなり」絵、そのなかでも特にお気に入りだった絵師「じんじん」の画風の特徴であった。大島はその絵の「美しい女性の顔に、女性的な身体のライン、そこに不釣り合いな禍々しいほどの男性器」という「違和感」に魅せられていく。彼はおちんちん系AVについて『ボクらしく。』のなかでこんなことを語っている。

〈ボクはもともと、アニメや漫画の男の娘が好きでした(中略)やはりこのジャンルの醍醐味は、可愛い顔におちんちんが付いているというギャップですよね。
 しかし、これはフィクションだからできることであって、現実には女の子と見間違えるほどの美少年はいません。ずっとAV業界でこの手のジャンルは「ニューハーフ」と呼ばれる人たちが、男の娘という名前でまかり通っていました。
 ここでいうニューハーフさんとは、女性ホルモンや去勢手術により、身体を女性に近づけている人たちのことです。そういった方はかなり女性寄りの身体つきや、顔立ちをしているのですが、どうしても勃起力が弱くなります。かといって、男性のままの女装男子では、どうしても見た目のクオリティーが伴わない……。
 女装男子・男の娘・ニューハーフにしても、結局のところみんな「女の子のような可愛い顔に、でっかいおちんちん」が見たいのです。男らしい顔・身体に、男性器がついていても、「それは男なんだから当たり前でしょ?」といった感じで、あまりギャップはありませんし、女の子みたいな顔と身体に、小さなおちんちんがちょこんと付いていても、ちょっと大きなクリトリスといった印象で、十分なギャップを感じられません。
 ボクがAVに出演する際は、ここにかなり気を使ったと思います〉

 女性的な顔・身体は目指したいが、女性ホルモンや去勢手術で男根の力を弱めてしまったら「ギャップ」が出なくなってしまう。そのため大島は医療的なものには手を出さずに(これを「ノンホルノンオペ」と呼ぶ)、女性的な「記号」を会得しようとした。

 女装中心で生活しながら、自然に女声が出せるようテープレコーダーに録音しながら練習・身体の線を変えるためコルセットしながら過ごす・胸を吸引器で膨らます・ボトックスを打って筋肉の動きを止め細くする・上部頸椎矯正に通って身体の嵩を縮めるなど、血のにじむような努力を重ねる。その結果、大島は女装AVに出演する傍らメンズエステのセラピスト店で働くことに成功する。そこは男性客と女性セラピストが一対一で施術を行うタイプのエステ店だった。つまり、ノンホルノンオペのまま、大島はついに「女性」にしか見えない人間になったのである。

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