長時間労働、数万円の自腹買取り、元ヤン店長の暴力支配…ブラックバイトに気をつけろ

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『ブラックバイト』(大内裕和・今野晴貴/堀之内出版)

 新学年のはじまり、新しくアルバイトを始める人も多いだろう。しかし、注意したいのがブラックバイトだ。

 ブラックバイトとは大学生など若者に劣悪な条件での労働を要求する仕事(アルバイト)のことだ。アルバイトにもかかわらず、社員と同様の過大な責任と負担を押し付けられ、大学の講義やゼミを休まざるをえなくなる。大学生にとって最も重要な試験前や試験期間中にも休むことを許されず、試験を欠席して単位を落とす……。こうしたブラックバイトを募集しているのは大手アパレル店に、大手牛丼チェーン、大手コンビニエンスストアと、社員を酷使し使い捨てにしてきた、いわゆる“ブラック企業”なのだ。

 社員を使い捨てにするブラック企業は、今度はアルバイトにも早朝から深夜までの長時間労働に毎月数万円もの自腹買取り……と容赦のない要求をする。その厳しい現実に迫ったのが『ブラックバイト』(大内裕和・今野晴貴/堀之内出版)だ。

 たとえば、大手アパレル店では、アルバイトは翌月1カ月分のシフト希望を出し、シフトが決まることになっているが、Aさんの場合、予定のない日をすべて書き出して提出したところ、あらかじめ約束した時間(週18時間程度)を大幅に超えて、週70時間にも及ぶシフトが組まれてしまった。

「元々の約束に比べて、実に四倍の長さである。この時間は、フルタイムの正社員、つまり一日八時間・週五日働く正社員よりも圧倒的に長い。週五日、朝七時から二〇時半ごろまで、一三~一四時間ほど働いて初めて達成できる労働時間だといえば、その長さが伝わるだろうか」(同書より)

 早朝6時に出社し、深夜23時に退社する日々が続くことになったAさん。

「ひたすらバイト先と家を往復し、家で過ごす時間ほとんどを休養・睡眠に充てる生活に陥ってしまった。これでは学業との両立などありえない。Aさんは『シフトを変えてほしい』『シフトを減らしてほしい』と社員に頼み込んだ。しかし、Aさんの出勤を当てにしている社員の反応は『代わりのバイトを探さなければ休めない』と冷淡なものだった」(同書より)

 結局、代替要員も見つからず、授業やゼミを欠席したために単位を落としてしまった。

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