保険会社の社員が自分では入らない保険、自分でも入っている保険

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『保険外交員も実は知らない生保の話』(日経プレミアシリーズ)

「いざ」というときのために入っておきたい、とされる生命保険や医療保険。だが、実際に保険をセールスする保険外交員はどういった保険に入っているのだろうか。

「セミナーに参加された方などから『後田さんが入っている保険は何ですか?』と質問されることがあります。私はいま、民間の保険には何も加入していません」

 と書くのは、保険コンサルタントの後田亨氏。生命保険会社に営業職として10年間在籍していた経験などをもとに、生命保険会社の儲けのカラクリを明らかにし、その商品や広告に疑問を呈している後田氏の新刊は『保険外交員も実は知らない生保の話』(日経プレミアシリーズ)だ。

 生命保険協会の「年次統計」によると、最新の平成24年度の保険料収入は約37兆円。国の所得税、法人税、消費税収の合計40兆円に迫るいきおいだ。しかし、加入者の多くは商品を詳しくわからないままに、保険を「不安」や「安心」といったCMや保険外交員のセールストークに煽られて加入する。本来考えるべき経済合理性や、自分の人生設計にふさわしいかどうかは置き去りにされているのが実情だ。

 たとえば、外貨建て終身保険の場合はその運用益が為替で調整されて消え去ってしまうケースが多いし、変額終身保険も景気が好転しないかぎりは利益が出ない。……さらにもっと問題な保険がある。入院を前提に支払われる民間の医療保険だ

「たとえば、保険に精通している保険会社の人たちは、消費者の関心が高い『医療保険』に入りたがりません。『入院日額5000円プランでは2週間入院しても7万円。健康保険には「高額療養費制度」があり、一般的な収入の現役世代では1カ月に数十万円の医療費がかかっても、自己負担額は9万円程度だ。だったら、入院への備えは保険より貯蓄の方がふさわしい』と判断しているわけです。

 最近も、ある保険会社の上層部の人にお会いした際、『医療保険は健康保険に加入していたら不要な商品だと思う。でも売れるから(取り扱いをやめるわけにもいかず)しょうがない』と言われたことがあるくらい」「私が会社員だったら健康保険の保険料を給料から引かれた上で、さらに民間の『医療保険』への加入を検討する気にはなれませんし、現在の自分の立場でも、入院等への備えとしては保険商品の利用より貯蓄を優先しています」(同書より)

 ただ、最近まで後田氏もアフラックの「三大疾病終身保険」に加入していたという。

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