菅首相の言語能力が崩壊寸前! 官僚を「左遷した」と本音ポロリ 女性官僚登用の理由を聞かれ「女性のきめ細やかさ」と偏見丸出し

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菅首相の言語能力が崩壊寸前! 官僚を「左遷した」と本音ポロリ 女性官僚登用の理由を聞かれ「女性のきめ細やかさ」と偏見丸出しの画像1
首相官邸HPより


 山田真貴子・内閣広報官は辞職したものの、菅義偉首相への批判は収まる気配がない。当然だろう。自身の長男からの違法接待があれだけ大きな問題になっていたのに一旦は山田氏の処分を拒否。世論の反発を浴び、今度はコロナ禍で医療が逼迫しているにもかかわらず「入院」という手を使って、「辞職」させたのだ。

 遅すぎる対応と世論を読めない悪手の連発に、自党内や保守メディアからも「菅政権は大丈夫なのか」という声が上がり始めた。

 しかも、ここにきて、菅首相は発言でもボロがどんどん出てきている。就任時からしゃべりのポンコツぶりは指摘されていたが、最近はキレたあげくに「言っちゃいけない本音」がどんどん漏れ出てきているのだ。

 たとえば、1日の衆院予算委員会では、質疑に立った立憲民主党の山井和則衆院議員が、菅首相の著書『政治家の覚悟』(文春新書)を取り上げ、このなかで菅首相が「責任は最後は政治家がとる」と書いていると指摘した上で、自分の息子の接待によって山田氏が結果的に体調を崩して辞職せざるを得なくなったことを「自分は関係ない」と言うのか、と追及。

 すると、菅首相は「まず、私自身が、そうしたいまのご質問に答える立場じゃないというふうに思います」と述べながらも、あきらかに怒気を含んだ声でこんなことを言い出したのだ。

「それと私自身の、官僚が、左遷するという話でした。私は、感情で、人事をやったことはありません」
「堂々と、政と官の役割は、しっかりとしたなかでおこなうべきであると。そのなかで、そうでなければ、本に、左遷したことなんか書くわけないじゃないですか!」

 菅首相の言う“左遷したことを書いた本”というのはもちろん質問に出た『政治家の覚悟』のこと。「『伝家の宝刀』人事権」という章で、総務相時代、自分の掲げた方針に否定的だった課長を更迭したことを書いているのだが、しかし、実際にはこの本では「左遷」という言葉は使っていない。

 当然だろう。「左遷」というのは、今までより低い役職や能力に見合わない業務に配置転換すること。報復や意趣返しで行われることも多く、公正な人事でないイメージもあるため、人事をする側は仮にそうした意図があっても、絶対に口にはしない。

 ところが、菅首相は「感情で人事をやったことはない」と言いながら、自分がやった人事を「左遷」と言いきってしまったのだ。これって、感情で人事をやったと認めているも同然ではないのか。

山田氏続投明言の際に「女性の広報官」と強調した理由を聞かれ、ジェンダーバイアスの上塗り発言

 実際、『政治家の覚悟』に書かれている人事の経緯をみても、菅氏のやったことは「感情の人事」以外の何物でもない。総務相時代、菅氏が更迭したのは、当時、情報通信政策局放送政策課長だった南俊行氏。この南氏が新聞社の論説委員との懇談の場で菅氏のNHK改革の方針に対して否定的なことを口にしたという話が、総務相だった菅氏のところに漏れ伝わってきた。すると、菅氏は聞くや否や、「質問もされていないのに一課長が勝手に発言するのは許せない。担当課長を代える」と宣言。幹部から「マスコミに書かれ、大問題になりますよ」と進言されても「構わない。おれの決意を示すためにやるんだ」「いいから、代えるんだ」と押し切ったのだという。

 面と向かって反対されたわけでなく、懇談で否定的な意見を語っていたことを伝え聞いただけで、その人物を更迭するとは「報復人事」「恐怖支配」としか言いようがない。まさに「課長ごときが生意気な、左遷してやる」というのが当時の菅氏の本音だったのだ。

 しかも、南氏を「左遷」したあと、菅首相が後任に抜擢したのは、菅首相の長男による接待を受けていた吉田眞人・総務審議官だった。ようするに菅首相はこういう「感情の人事」で官僚に恐怖を植え付け、忖度官僚だけを周りに配置してきたのである。その結果、起きたのが長男による接待だったのだ。

 しかし、だとしても、国会で追い詰められ、自ら「左遷」という本音を漏らして感情的人事を認めてしまうとは、ポンコツにも程があるだろう。

 菅首相のポンコツ発言はこれだけではない。こんな状況で、女性差別と言っていいジェンダーバイアス丸出しの発言まで口にしてしまったのだ。

 それは、1日におこなわれたぶら下がりでのこと。菅首相はその1週間前のぶら下がりで山田内閣広報官を続投させることについて「女性の広報官として期待している」と説明していたが、この日、記者からその発言を受けて「登用の理由に女性であることを強調したのはなぜか」という質問が出た。すると、菅首相はこう語ったのだ。

「あのー、いままさに、女性のきめ細かさとか、あるいは日本の官僚の女性の数も非常に少ないですし、そうした女性として働いてきた、まあそういう経験もあります。行政にも長けてます。そういうかたちのなかで期待して登用させていただいた」

 汚職問題で処分しなかった理由に「女性」であることを持ち出したことも論外なのに、今度は「女性のきめ細かさ」って……。「きめ細かさ」というのは女性特有のものなどではなく、女性が押し付けられてきた固定的な観念や規範、ジェンダーバイアスにほかならない。そうした「女性とは」「男性とは」という固定化が偏見や差別を生んでいるというのに、菅首相はしゃあしゃあと言ってのけたのである。

 2日の衆院予算委員会では、自民党の鬼木誠衆院議員が丸川珠代五輪担当相を持ち上げようと「(国際会議の場でも)各国首脳からアジアンビューティーと呼ばれ、大変人気があった」などと言い出し、「セクハラだしルッキズムだ」と批判を浴びているが、上に立つ菅首相がこの有様なのだから、自民党が女性差別を理解するなど、どだい無理な話なのだ。

ひとり親や非正規労働者に「この私が話を聞いた」と対応を約束したのに裏切った菅首相

 もっとも、追い詰められた菅首相に起きているのはこうした“醜悪な本音のダダ漏れ”だけではない。その場の勢いでことを口走り、あとになってその責任を取らずに頬被りしてしまうということも起きている。

 菅首相は1月29日、立憲民主党の川内博史衆院議員からの要望を聞き入れ、ひとり親や非正規労働者ら6人と面会。〈休業支援の対象とならない大企業の非正規労働者を支援対象にする〉ことや〈低所得の子育て世帯に子どもの入学や進級に備えた給付金を支給すること〉が直接要望されると、「対応を検討していく」「この私が話を聞いたんだから」と明言した。

 「この私が話を聞いたんだから」という発言自体、傲慢さがプンプン匂う、プチ鹿島が命名した「権力快感おじさん」らしい言葉だったが、それでも面会をおこなったことや支援を約束したことは重要だ。そう本サイトも考えていたが、ところが菅政権は大企業の非正規雇用にも休業支援金の対象を拡大するとしたものの、「1月8日以降の休業分が対象」とし、昨年分を含めようとしなかったのだ。

 これには当然、野党から批判が巻き起こったが、それでも政府は「昨秋以降で検討」とし、さらに批判を浴びる結果に。結果、昨春分まで拡大することとなったが、昨春分の補償は平均賃金の6割となり、中小企業対象者の8割補償と差をつけるかたちとなった。

 いや、そればかりか、要望を受けた低所得子育て世帯への給付金は実現しておらず、立憲や共産党など野党4党はひとり親のみならずふたり親世帯も含めた給付金支給の法案を提出している状態だ。

 「この私が話を聞いたんだから」と大見得を切っておきながら、この体たらく。これには、1日の衆院予算委員会で山井議員が「総理に面会してもなかなか政策が実現せず、一方、高額接待をしたら業界の言うことを聞いてもらえるのではないかということでは、コロナで苦しむ国民もやってられないのではないか」と追及をおこなったが、しかし、菅首相の返答はこんなものだった。

「私は国民にとって必要なものは、客観的に考えてきたようなものは、必ずしっかり対応する、そういう次第です」

 要望を完全なかたちで実行しようともせず、挙げ句にこの言い草。これでは支援の拡充を「国民にとって不必要だと判断した」と言っているようなものではないか。

 ろくでもない本音を開陳するだけではなく、自信満々に約束したことも、すぐに実行できるものなのにしようとしない。これをみれば、もはや総理大臣としての体裁を取り繕うことさえできなくなっていることがよくわかるだろう。

 こんなポンコツ首相が権力を握っていたら、これから先、それこそ国民に大きな悲劇をもたらしかねない。菅首相は自ら総理の器でないことを認めて一刻も早く辞職すべきではないか。

最終更新:2021.03.03 07:11

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