青山繁晴ら自民党極右議員が「旧宮家男子を女性皇族の婿養子に」とカルト提言! 竹田恒泰が愛子内親王と結婚して天皇になる可能性も?

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青山繁晴ら自民党極右議員が「旧宮家男子を女性皇族の婿養子に」とカルト提言! 竹田恒泰が愛子内親王と結婚して天皇になる可能性も?の画像1
男系カルト!(青山繁晴事務所フェイスブックより)


 22日に行われた「即位礼正殿の儀」では、安倍首相の「天皇陛下万歳!」の雄叫びに合わせて自衛隊が空砲を連発。あらためて浮き彫りになったのは、この国の右派がいまだに「天皇を中心とした神の国」という戦中のカルト的思想を温存し、その復権を虎視眈々と狙っているという事実だった。

 一方、儀式を中継したテレビマスコミでしきりに語られていたのは、皇室の「後継者問題」だ。現状の皇室典範では〈皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する〉(第一条)と定められている。徳仁天皇の子息である愛子内親王に皇位継承権はなく、次世代の「男系男子」は秋篠宮家の悠仁親王ただ一人。このままでは先細りは免れない、ということで、「女性天皇・女系天皇」を認めるか否かの議論があるのは周知の通り。

 そんな「後継者問題」が盛り上がるタイミングを見計らい、自民党が満を持して“アンチ女系天皇”を打ち出してきた。あの“ネトウヨの尊師(グル)”こと青山繁晴参院議員が代表幹事を務める「日本の尊厳と国益を護る会」なる自民党の極右議員グループである。

 本サイト読者にはおなじみだろうが、青山氏といえば、日々、大ボラを吹きまくってネトウヨから絶大な支持を受けている御仁だ。そんな青山センセイが牽引する「日本の尊厳と国益を護る会」が23日、皇位継承をめぐって、「男系男子」を堅持すべしとの提言を発表したのだが、これがまた、まさに“カルト”としか言いようのないシロモノ。なんと、「男系男子」維持のため「旧宮家」の男子を現皇室の養子にしろ、などと本気で言っているのだ。


 提言では、「男系男子」について〈皇位の歴史が男系・父系による継承であるために、父を一系で辿ることができ、仁徳天皇や神武天皇にまで繋がる天皇家の皇統が続いてきた〉などと述べたうえで、〈今後もし女系天皇、母系天皇を認めれば天皇家の皇室は終わり、異質の王朝(皇室)、すなわち神武天皇から受け継ぐ祭り主ではない「天皇ならざる天皇」を生み出すことに直結する〉と主張する。

「天皇ならざる天皇」という言い回しなんか、いかにも青山センセイらしいハッタリの臭いがプンプンするが、問題は「提言」の後半、“男系男子の維持”の〈具体的な安定策〉としてこうぶちあげていることである。

〈(イ)養子および婿養子案
 旧宮家の男子が、現皇族の養子となられるか、女性皇族の婿養子となられる案。お生まれになる子が即位された場合、父が天皇の血を引くという男系・父系の原則を満たすことができる。〉

 さらに青山センセイたちは、旧宮家の10〜20代の「男系男子」に了承を得て、立法措置により皇族に復帰させるという「旧宮家の皇籍復帰案」もプラン(ロ)として提唱しているが、どっちも同じようなものだ。

 念のため説明しておくが、「旧宮家」とは、戦後の1947年、GHQに特権を享受する宮家の縮小を求められて皇籍離脱した11宮家のこと。当然、現在は一般人である。たとえば、あのネトウヨ丸出しのお騒がせ男である竹田恒泰氏も、この時に皇籍を離脱した旧宮家のひとつ竹田宮の子孫にあたる(ただし、竹田氏が生まれたときにはすでに宮家ではなかったので、竹田恒泰が皇族であった時期は存在しない。彼が一時期まで自己PRに使っていた「旧皇族」というのはウソである)。

 いずれにしても、青山センセイたちは、今の天皇から10親等以上離れた遠い親戚にあたる一般の家庭で生まれた男性を、ただ“男系で天皇の血を引いている”というだけで、世間とは隔絶され基本的人権を著しく制限される皇室にいれようというのである。

 まったく、どうかしているとしか思えない。とりわけ、「女性皇族の婿養子」という発想は、もはや狂気じみてさえいるだろう。

 現実に照らせば、その「旧宮家の男系男子」と結婚させられるのは、明仁上皇の孫である愛子内親王、秋篠宮の佳子内親王、小室圭さんと婚約している眞子内親王の3人と、大正天皇のひ孫である高円宮承子女王、三笠宮彬子女王、三笠宮瑶子女王の3人しか選択肢がないことになる。青山センセイたちは〈婚姻はご当人の自由意志に基づく自然なものでなければならない〉と予防線を張っているが、彼女たちが“男系天皇を絶やさないため”なる理由で旧宮家の男と結婚し、「男系男子」の子どもを産むことを強要されることに変わりはない。“現代の人身御供”と言わずしてなんと言うのか。

 もちろん、当人だけの問題ではない。事実、眞子内親王と小室圭さんの婚約の場合、二人が望む結婚が実現すれば眞子内親王は民間人になるわけだが、それでも、小室さんの母親スキャンダルなどで世間は“一億総姑状態”になってしまった。まして旧宮家の婿養子になるとすれば、“次世代の天皇の父親”というだけでなく、自身にも皇位継承権があるわけだから、到底、国民がすんなりと受け入れるとは思えない。

男系男子を主張する竹田恒泰が「もし私が皇族になってしまったら」の妄想ツイート

 繰り返すが、「旧宮家」と言っても、すでに皇籍離脱から70年以上も経っており、若い世代は一般家庭とほとんど変わらない環境で育ったと推測される。そうした人たちがいきなり皇室に入るというのは普通に考えて無理がある。「天皇家の養子・婿養子案」にしても「皇籍復帰案」にしても、それこそ普通の感覚で言えば「天皇ならざる天皇」であることに変わりはない。

もしそれでも、養子や婿養子に名乗りをあげる旧宮家の人間がいるとしたら、それは相当にファナティックな復古主義者か天皇や皇室の権威を何かに利用しようという腹に一物のある人間だろう。

 いずれにしても、この提言通りになれば、竹田恒泰みたいな輩が佳子内親王や愛子内親王の婿養子になり、「天皇か天皇の父親」になる可能性がある、ということだ。実際、竹田氏自身、本人は「私は皇族にはなりません」などと嘯いているが、以前から「婿養子案」などを含む旧宮家男子の皇籍復帰を主張してきた。最近もこんなツイートをしている。

〈もし私が皇族になってしまったら、、、、悲劇である。
25万人が登録する「竹田恒泰チャンネル」は、Twitterアカウントは、4万人の会員がいる竹田研究会はどうなる?「そこまで言って委員会」「ゴゴスマ」は?文科省が検定中の中学歴史教科書はどうなる?本業のラーメン屋は?? 復帰などありえない。〉(10月21日)

 いや、何言ってんだ、この人。問答無用でナシに決まっているだろう。だいたい、竹田サンは例の「あいちトリエンナーレ」の件で大村秀章・愛知県知事を攻撃しており、「大村知事は即位礼正殿の儀に参列するな!」などとがなり立ててきたが、自称「天皇の親戚」であるにもかかわらず、ご本人はそもそも招待すらされなかったらしい。当然だろう。ようは、皇室からみても“お呼びでない”のである。

 ちなみに、竹田恒泰氏は“明治天皇の玄孫”と紹介されるが、実際には明治天皇の子女の家系なので“明治天皇の男系の玄孫”ではない。男系で辿ると実に南北朝時代にまで遡らなければならないらしく、ここまでくると現在の天皇家とは“男系的にほとんど他人”と呼んで差し支えないだろう。いずれにせよ、こんな“ネトウヨビジネスマン”が「天皇の親戚」と自称している時点で国辱モノなのに、ましてや皇籍復帰して皇位継承権を持つなど、考えるだけでも身の毛がよだつというものだ。

男系男子カルトは青山繁晴や竹田恒泰だけではない! 安倍首相も女系天皇真っ向否定

 しかし、こうした“男系カルト”の妄言を垂れ流しているのは、青山センセイや竹田サンのようなトンデモ人士だけではない。実はこれ、日本会議周辺などが以前から主張してきたことで、ほかならぬ安倍首相自身が“男系カルト”主義者なのだ。

 実際、小泉政権下で「皇室典範に関する有識者会議」が設置され、女性宮家創設の議論が盛り上がったときから、当時官房長官だった安倍首相は「反対派」の急先鋒として振る舞い、第一次安倍政権では女性宮家の議論を封印した。下野時には雑誌で〈二千年以上以上の歴史を持つ皇室と、たかだか六十年あまりの歴史しかもたない憲法や、移ろいやすい世論を、同断に論じることはナンセンスでしかない〉などと鼻息を荒くし、女系天皇を真っ向から否定。その後、民主党野田政権が女性宮家創設議論を復活させたが、安倍首相が政権に返り咲くとまたもや「白紙化」を宣言した。

 では、なぜ連中は「旧宮家男子を婿養子にする」などというイカれた発想を口にするほど、男系の血にこだわるのか。たとえば安倍首相の“ブレーン”のひとりで、直接、男系継承についてレクチャーしたこともあるという八木秀次・麗澤大学教授はこう語っている。

〈これ(男系継承)に手を加えるということは、国柄の崩壊、ひいては天皇制度そのものの否定に直結する。有識者会議メンバーの方々は、あの大東亜戦争で敗れても護持された国体に、マッカーサーでさえできなかったような空恐ろしいことをしようとしているのだという認識があるのかどうか、はなはだ疑問ですね。〉(文藝春秋「諸君!」2006年1月号での所功氏、長谷川三千子埼玉大学教授との鼎談)

 しかも八木氏に言わせれば、「神武天皇のY染色体を継承できるのは男系男子だけ」らしいが、言わずもがな実際に男性のY染色体を辿って行き着くのは“神話”ではなく類人猿だ。何度でも繰り返すが、完全にカルトである。

 いずれにしても、青山センセイや竹田恒泰サン、そして安倍首相のような“男系カルト”たちが言っているのは、「天皇は男系の血そのものである」なるグロテスクな血統主義だ。そして、連中が男系継承にこだわるのは、「神武天皇から続く万世一系」という文字通りの神話を利用して、戦中の「天皇を中心とした神の国」の復活を夢見ているからにほかならない。

 マスコミは「天皇の後継者問題」をしたり顔で議論する前に、まず、安倍政権とその周辺のイかれた戦前回帰思想をちゃんと検証するべきではないのか。

最終更新:2019.10.27 12:04

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