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小池百合子が都知事になったら安倍首相と手を組み「改憲」の扇動役になる! “お試し改憲”提案の過去も
上・自由民主党HPより/下・小池百合子オフィシャルサイトより
東京都知事選も最終盤。候補者レースで優勢といわれるのが元防衛相・小池百合子氏だが、本サイトでは、彼女の“本質”が極右ヘイト政治家であり、ゴリゴリのマッチョ思想の持ち主で“女性の敵”であること、東京に核ミサイルを配備するトンデモ計画を語っていたこと、他にも表現規制推進やネトサポの総指揮官だったことなど、様々にその“危険性”をお伝えしてきた。
だが、そのなかでももっとも危惧されるのが、都知事に就任した小池氏が、安倍首相とタッグを組んで、「改憲」の旗振り役を務める可能性だ。
本サイトでも何度も指摘してきたように、小池氏はバリバリの改憲派で、以前から日本国憲法への敵視をむき出しにしてきた。たとえば、自民党の広報本部長を務めていた2011年にはこんなツイートを発している。
〈本日、サンフランシスコ講和条約発効日である4月28日を主権回復記念日として祝日とする議員立法を総務会で承認し、衆議院に提出いたしました。祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外します。〉
さらに遡ると、2000年11月には国会で“現行憲法の廃止”まで肯定していた。衆院憲法調査会で参考人として承知された石原慎太郎都知事(当時)が“いまの憲法には歴史的正当性がない”などと述べたのを受けて、このように発言したのだ。
「結論から申し上げれば、一たん現行の憲法を停止する、廃止する、その上で新しいものをつくっていく、私はその方が、逆に、今のしがらみとか既得権とか、今のものをどのようにどの部分をてにをはを変えるというような議論では、本来もう間に合わないのではないかというふうに思っておりますので、基本的に賛同するところでございます」(国会会議録より)
日本国憲法を「借り物」と攻撃する小池氏は、信じられないことに、改憲ならぬ“廃憲”を主張しているのである。念のため確認しておくが、現行憲法は99条で議員など公務員の憲法遵守擁護の義務を規定している。だが、小池氏は“そんなものどうでもよい”と言わんばかりに「憲法の停止、廃止」を謳いあげ、その更地のうえに新憲法を作ろうというのだ。
また、今、安倍政権や自民党がしきりに口にしている緊急事態条項などから着手する「お試し改憲」についても小池氏はいち早く提案していた。2011年、右派論客である渡部昇一・上智大学名誉教授との対談では、“本丸は9条だが、まずは他の条項を変えてアレルギーを抜くべきだ”として、このように示唆している。
「九条を前面に出すとこの国はすぐ思考停止に陥り、右だ左だと言い合うばかりで何も進まないという事態が何十年も続いてきました。塩野七生さんもおっしゃっているのですが、まずは誰が聞いても『いい』と言えるような憲法から改正して、『憲法は改正できるものだ』という意識を共有するところからはじめたほうが、結果的には早く憲法を改正できるのではないかと思うんです」(『渡部昇一、「女子会」に挑む!』ワック、2011年)
そして、第二次安倍政権が成立し、与党内で具体的に“改憲の手順”が話し合われていた昨年2月の段階では、国会という場を使って“16年参院選後の改憲”をアピール。安倍首相への質問のかたちで、財政の権限を定めた憲法83条から「お試し改憲」すべきだと水を向けた。
「例えば、緊急事態に関して、八十三条、財政に関して(の改憲)といったような形を想定しておられるのか、総理の今のイメージをお聞かせいただきたいと思います」
「いきなり全部のメニューを最初からというよりも、ひとつそのような形で進める、九十六条(改憲の発議要件)よりも私は八十三条から始めるべきではないだろうか、このように思っております」
自民党の改正案によれば、この83条改憲は、現行の「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使する」という条項に、「財政の健全性は、法律の定めることにより確保されなければならない」という条項を加えるというもの。一見、どうでもいいような改憲に見えるが、実際は、増税や社会保障費切り捨ての根拠になる可能性もある十分に危険な改憲案だ。
小池氏から質問を受けた安倍首相は、慎重に言葉を選びながらもときおり小さく笑みを浮かべるなどまんざらでもない様子だった。実際に、「お試し改憲」が83条になるのか、96条になるのか、あるいは緊急事態条項の新設になるのかはわからないが、この時に見せた阿吽のやりとりからもわかるように、小池氏が都知事になった暁には、安倍首相とがっちり手を組み、改憲のスピーカー役を務める可能性が極めて高いのだ。
「世間では小池氏と安倍首相の仲が悪いという印象で捉えられていますが、実は自民党で小池氏を毛嫌いしているのは森喜朗氏など安倍首相の周辺で、総理自体は別に小池氏とウマが合わないわけではない。実際、今回の都知事選でも安倍首相は周囲に『小池さんでいいんじゃないかな』と漏らしていたといわれています。もちろん、表向きは増田寛也氏支持ですが、それはあくまで建前。一時は明日の応援演説に入るという情報も流れましたが、やはり見送る可能性も高いと伝えられています。いずれにせよ安倍首相は、実際には二股をかけていて、選挙後は勝ち馬に乗るでしょう」(全国紙政治部記者)
また、小池氏のほうも、第一次安倍内閣時に女性初の防衛相に任命してもらったことに多少なりとも恩義を感じているという。事実、今回の選挙戦でも、当初はあれだけ“反・自民都連”を打ち出していたものの、支持が高まるにつれて安倍首相に秋波を送るようになってきた。
たとえば日刊ゲンダイ27日付インタビューで小池氏は、告示前に自民党に「進退伺」を提出したことなど党本部との関係について質問され、完全に安倍首相の顔色を伺うような発言をしている。
「(進退伺の)返事はいただいておりませんが、私は自民党と戦っているわけじゃなく、都連の一部と戦っているんです。ひょっとしたら、(相手は)ひとりです。官邸でも、上の人はこの事態をよくお分かりだと思います」
さらに言えば、安倍首相から見れば、小池氏が都知事になるメリットは“極右世論形成”の意味でかなり大きい。そもそも都知事は、国務大臣や国会議員よりも、党是や立場に拘束されずに自由に発言することのできるポストだ。またマスコミもその発言を取り上げるうえで野党のような対抗勢力に気配りする必要がほとんどないから、都知事の思想は非常に世の中に浸透しやすい。
その最たる例が石原慎太郎氏だろう。石原氏の度重なる極右発言はマスコミに大きく取り上げられ、近年の社会の右傾化のバックグラウンドになったのは間違いない。また、在職中に「尖閣諸島を東京都が買う」などと明言した際には中国政府との激しい軋轢を生み、結果、収拾を図ろうとした当時の民主党政権が国有化するなど、日中関係にも多大な悪影響を及ぼした。その意味では、都知事というのは国会議員や大臣よりもはるかに国内外の世論に影響を与える役職なのだ。
そして小池氏は、今回の選挙戦でも「韓国人学校への都有地貸与の白紙化」や外国人参政権への反対を強く打ち出しており、都知事になれば社会を右に傾ける極右路線を邁進することは火を見るより明らかだ。さらに、かねてから日教組を“反日教育をしている”と敵視してきた小池氏は、都を発端に教育の改悪に着手する可能性も高い。たとえば憲法遵守を訴える都立学校の教員たちを取り締まるように仕向けるなどということもやりかねないだろう。もちろん、日本の中枢である都行政の“改憲教育”は、地方にも波及していく。安倍首相としては願ったりかなったりの状況なわけだ。
私たちは、このまま小池氏を都知事にさせて、安倍首相との“憲法破壊タッグ”を結成させてもいいのだろうか。有権者は投票前に、今一度よく考えてみてもらいたい。
(編集部)
最終更新:2016.07.29 08:13
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