聖火お披露目式で五輪の本質表す光景…小池百合子、松岡修造ら来賓はテントで雨をしのいでるのに「手話通訳」は外で濡れながら進行

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「利権関係者以外は捨て駒」という事態は、東京五輪のあらゆる場所で起きている

 実際、「利権関係者以外は捨て駒」という事態はあちこちで起きている。たとえば、日本政府は五輪開催までにボランティアへのワクチン接種を完了させるとし、組織委もボランティア7万人の接種を希望する人すべてに対するワクチン確保のめどが立ったと発表したが、ところがワクチン2回目の接種期間は7月31日から8月11日とされ、五輪の開催期間中には間に合わないことが露呈。すると、丸川珠代・五輪担当相は「1回目の接種でまず1次的な免疫をつけてもらう」などと言い出した。1回接種では十分な効果が得られないというのは政府も認め、必ず2回接種を受けるよう求めているというのに、よりにもよって閣僚が非科学的な主張を繰り広げたのである。

 しかも、政府は6日になって、選手らを送迎するバスの運転手などへのワクチン接種が東京五輪開催までには「とても間に合わない」と、自民党の外交部会で説明。11日には聖火リレーでランナーやスタッフを乗せた送迎バスの運転手の感染が確認されたと公表されたばかりだが、大会期間中には全国から6万台ものバスが集まるという。つまり、ここでまたも「バブル方式」が崩れることが判明したと同時に、政府は五輪スタッフが危険に晒されることを事実上、容認したのである。

 かたや、しっかりワクチン接種を完了させて来日したIOCのトーマス・バッハ会長は、「五輪の特例措置」によって原則14日間の隔離期間が免除され、わずか3日間に短縮。しかも滞在先は5つ星ホテルの「The Okura Tokyo」で、1泊数百万円のVIPルームではないかとも噂されている。この特別厚遇には、忖度なしの真っ当すぎる発言をおこなってきた山口香・前JOC理事が「普段は貴族でも、五輪の時だけはビジネスホテルに宿泊して庶民の気持ちを知る。悪くないですよね。日本には温泉付きのビジネスホテルもありますので!」と提言、ネット上では「バッハ会長もアパホテルで14日間隔離すべき!」という声があがった。

 ぼったくり男爵ら五輪貴族たちは厳戒態勢のなかで特例扱いを受け、一方で「バブル方式で安全安心」という説明が大嘘であることが露呈しながら、ワクチン接種も完了しないままボランティアやバスの運転手たちは危険に晒そうとする。いや、それどころか国民には緊急事態宣言の発出によって我慢を強い、大会開催が感染拡大に拍車をかけるという懸念さえ無視されつづけている。人命を蔑ろにするあからさまなこの「不公平」こそ、東京五輪の本質なのだ。

 そう考えれば、司会者や手話通訳の女性が雨に濡れるなか傘のひとつも差し出されないという状況も、五輪主催者側にとっては「異常」でも何でもない「平常運転」なのだろう。まさに欺瞞だらけの「平和の祭典」と言わざるを得ない。

最終更新:2021.07.12 07:06

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