三浦瑠麗のアマプラCMは削除されたが…amazonもうひとつの気になるCM! 物流センター潜入取材ルポが暴いた実態とは大違い

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出版界でタブー化が進むアマゾンに潜入取材した横田増生インタビュー

──横田さんはアマゾンが日本に上陸してから3年後の2003年11月から約半年間、市川白浜のアマゾン物流センターに潜入し、その体験を本にしていますが、今回、再び潜入した動機、きっかけは何だったのでしょうか。

横田 ひとつは15年前と比べ、アマゾンが桁違いに巨大になっていることです。当時、アマゾンが扱っていたのは書籍とCDくらいでしたが、いまでは食料品から電化製品、日常品など、扱わない商品がないほど、多岐に渡るようになった。人々の生活の依存度もとてつもなく大きい。実際、私でもプライム会員になっていますから(笑)。それで、世界的な規模に成長したアマゾンの内部はどう変わったのか、15年前と比較しようと考えたんですね。それともうひとつ、アマゾンに迫れるのは最後のチャンスかもしれないと思ったことも大きかった。アマゾンは日本上陸当初、出版、書籍を扱うことからスタートしたアマゾンですが、その成長に比例するように、日本のメディアへの影響力もどんどん大きくなっている。マスコミ、特に出版社では今、アマゾンを批判したくないという空気がすごく強くなっています。

──アマゾンが出版界のタブーになりつつあるということですか。

横田 そうです。15年前とはメディア状況が全然違ってきてしまった。なにしろ書籍関連だけでも3千億円ほどの売り上げがあると推定されていますし、出版社としてはこのままアマゾンと手を組んで、ウインウインの関係を続けたい。実際、アマゾンのネガティブな報道はほとんどないでしょう。今回は小学館が出版してくれることになりましたが、この先、どこも出してくれないかもしれない、最後のチャンスだと思ったのです。

──実際、15年ぶりに物流センターに潜入してどんな変化がありましたか?

横田 今回は神奈川県小田原にある日本で一番大きな小田原の物流センターにアルバイトとして入ったのですが、以前とはまったく別の会社になっていた。15年前と大きく違ったのは手作業だったピッキング作業がハンディー端末によってなされていたことです。これは人的ミスが起こり得ないと同時に、効率化のもと労働者が機械で管理されるということです。前回はたとえば1分の間に本を3冊探すという作業でしたが、今回は、秒単位で管理される。ひとつの作業が終わると、「次のピッキングまで⚫秒」という文字が現れ、その数字がゼロへと向かっていく。その“詰められ感”がきつかったですね。しかもピッキングの数は少ないだけでなく、作業時間が短いと「サボっている」とみなされてヒアリングの対象にもなる。作業の精密さ、管理化によって、人間性が奪われる感じでした。アマゾンからしたら作業効率的には格段によくなったのでしょうが、でも働いている人間はさらにしんどくなった。
 しかも、前著で書いたアマゾンの秘密主義も健在でした。携帯電話は絶対持ち込み禁止で、発覚したら即クビ。とにかく物流センターでは人を人として見ていない、がんじがらめのシステムで縛られているんです。そうした異様な管理体制のもと息つく暇もなく、働かされるわけです。
今回潜入して実感したのですが、作業をしていても達成感はないし目標も持てない。そしていつも急き立てられている。丸1日、一言も喋らない日もありました。労働の楽しさがほとんどない、というか皆無です。やりがいがあるとしたらピッキングが早くなるとかランキングの上になるとか。でも時給が上がるわけでもないしね。
もちろん私自身の衰えもあると思います。前回は30代後半でしたが、いまは50代。以前は半年間潜入できましたが、今はとても体がもたない。今回は1日で万歩計は2万5千歩ほど、距離は20キロ以上歩いた計算ですからね。8日間という短い間でも、息絶え絶えでした(笑)。

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