新型コロナで高須院長やネトウヨが北朝鮮の「全員隔離」を絶賛! 一方、元厚労省検疫官は海上隔離を「効果なし」「パニック生むだけ」

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元厚労相検疫官がクルーズ船海上隔離を「効果なし」「パニック生むだけ」と批判

 そもそも、新型コロナウイルスは大々的に入国拒否したり、感染の可能性がある人たちを強制隔離するほどのものなのか。

 こう言うと、「現に人が死んでる」「中国では患者の数が3万人に迫ろうとしている」などという思考停止の批判が噴出するだろうが、現段階では、SARSやMERSよりも致死率は低く、死亡者や患者数もインフルエンザのほうがよっぽど多い。少なくとも、新型コロナウイルスに対する「国境を封鎖しろ」「感染者は離島に隔離しろ」というような反応は過剰だろう。

 5日放送の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)でも、ゲスト出演した元厚労省検疫官の木村もりよ医師が、強制隔離のような横浜港でのクルーズ船乗客の留め置き措置について「科学的根拠がない」と強く批判していた。

「船の留め置きをしたというのは、基本的には科学的根拠に基づいていないと思っています。すでに水際で留め置くということの限界というのは、かつて14世紀から15世紀にペストが流行った時代に、40日間イタリアの海岸線に留め置いたわけです。そこで汚染国から来た人はいれるんじゃない、すべてを遮断しましょう(とした)。でも、結局のところペストから逃れた国はなかった」

 さらに木村氏は、入国拒否や強制隔離の施策がもたらす弊害について強く批判していた。

「科学的にいわゆる水際作戦で感染症を食い止めたというような歴史的な科学的根拠、エビデンスというのはございません。むしろ、それから得られる“負の遺産”というのが非常に大きい問題となっております。それは必要以上にですね、現在のこの新型コロナウイルスというものに関して過剰な反応を起こしてしまう、すなわち、もう罹ったら死んでしまうんじゃないか、それはマスクが飛ぶように売れている現象からもそうですし、それからもう一つは差別ですね」
「こういうこと(クルーズ船の留め置き)がやられるだけで、水際で防がなきゃならないものなのか、防げるものなのか、っていう幻影のもとに検疫活動が行われると、結局、14日も停められちゃうくらい怖いウイルスなんだというイメージが出てきて、自分たちが罪人ではないか、みたいな思いまで出てきてしまう。これは明らかにおかしいと思います」

 木村氏は番組のなかで、入国拒否や海上隔離のような政府の対策を「はっきり言って時代錯誤なやり方」と明言し、「情報公開の徹底化を厚生労働省はもっとやるべきだ」と力を込めていたが、実際、日本で起きている“新型コロナパニック”は、テレビマスコミが必要以上に不安を煽り、中国人や感染者への偏見や差別を助長するような特集を繰り返していることが原因だ。こういうときこそ、政府は情報公開を徹底し、暴走するマスコミや大衆を冷静にさせる必要がある。にもかかわらず、安倍首相は国会でも「入国拒否措置の地域拡大」の可能性を述べるなど、“ウイルス対策やっている感”をアピールすることしか頭にない。これでは、パニックはおさまるどころか、ますます混迷を極めていくのは目に見えているだろう。

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