官邸前で「安倍は嘘つき」と声をあげたら逮捕? 東京都でデモや直撃取材を取り締まれる恐ろしい条例が成立寸前!

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小池百合子都知事は乱用の危険性を問われ、「“基本的に”ない」と

 こうした市民による正当な抗議活動やジャーナリストの取材活動は、当然、言論・表現の自由、報道の自由、国民の知る権利といったように憲法によって保障されている。今回の都の迷惑防止条例改正案は憲法に違反する疑いさえあるのだ。

 しかも、もっとも危険極まりないのは、被害者ではなく警察官の判断によって逮捕・告訴ができるという点。警察官が「安倍は嘘つき」「安倍は辞めろ」という抗議を「悪意の感情」と判断すれば、逮捕できてしまうのである。定義の曖昧さをもって乱用される危険はかなり高いと言えるだろう。

 実際、迷惑防止条例の「つきまとい行為にかんする規制」は、2002年にも警視庁が都議会定例会に提出していたが、〈規制対象の広範性から憲法が保障する人権侵害であるとの世論の力によって削除され、実質廃案〉となった経緯がある(自由法曹団東京支部「東京都迷惑防止条例改正に反対する意見書」より)。にもかかわらず、そうした世論の危惧はまったく反映されないまま、唐突に都議会にあげられ、いままさに可決寸前のところまでトントン拍子で進んでしまったのだ。

 16日におこなわれた定例記者会見で小池百合子都知事は、乱用の危険性を記者から問われた際、「基本的にはない」と回答した。成立前から「基本的には」と言っていることからしても、小池都知事の狙いは明白だ。

 だいたい、この条例改正案でもっとも利するのは、安倍政権であることは間違いない。連日、官邸前では、文書改ざんや森友問題に対する抗議活動が高まっているが、一方で警察による過剰警備はますますひどくなっている。もし条例改正案が施行されれば、「逮捕されるかも」という不安から足が遠のく人が出てくるだけではなく、不当な逮捕が続出する可能性まである。事実上、小池都知事と安倍首相という“2大ファシスト”がタッグを組み、市民を上から押さえつけようというのだ。

 先述したように、この危険な改正案は29日に本会議で採決がおこなわれる。東京がこうした改正案を成立させれば、その動きが地方に広がることも大いに考えられる。言論に対する弾圧が平気でおこなわれる社会への、その瀬戸際に立っているのだ。

 都庁前では危機意識をもった市民たちが抗議の声をあげている。まだ、やれることはある。都議会第一党である都民ファーストをはじめ、賛成に回っている共産党以外の会派への抗議、メディアへの働きかけなどを含めて29日までに世論を高め、なんとしても廃案に追い込む必要がある。

最終更新:2018.03.24 11:09

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