共謀罪強行採決を批判したSKY-HIがエイベックスから怒られた!? それでも口はつぐまないラッパーとしての決意

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SKY-HIが「キョウボウザイ」を世に出すことを決意した理由

 スキャンダルの火消しのための強行採決であったこと、安倍首相の答弁は嘘に嘘を塗り重ねていること、テロや五輪など後付けの理由が次々と付け加えられ何のための法律なのかさっぱりわからなくなっていったことなど、ここでラップされている主張はすべてその通りで、まさに「痛快」と言うほかない。

 そして、1分40秒にわたる怒濤のラップで構成される「キョウボウザイ」は、最後、こんな言葉で締めくくられるのであった。

〈黙ってた方が良いか そうか
 たまったもんじゃない〉

「MUSICA」インタビューによれば、共謀罪が強行採決された日、彼はAAAのツアーで広島に行っていたという。強行採決のニュースを見た時点では、彼はこの曲を発表するつもりはなかったという。これだけミュージシャンがいるのだから、誰かがやるだろうと思ったからだ。ただ、もしも広島でのライブを終えて東京に戻った時点で誰も共謀罪をテーマにした楽曲を出していなかった場合、そのときは自分がやろうと思い、巡業先に持って行っていた機材でビートだけはつくっておいたとSKY-HIは語る。結果として、他のミュージシャンからアクションが出ることはなく、彼は「キョウボウザイ」を発表することにした。

「音楽に政治をもち込むな」などというバカげた意見が跋扈する現在の日本で、政治的トピックを扱った楽曲を出せば批判もあるだろう。しかし、そういったネガティブ要因を乗り越えてでも「キョウボウザイ」を世に出すことを決意したのは、ラッパーとして、表現者としての矜持だったという。

 表現の自由を侵害する可能性、表現活動を萎縮させる可能性を指摘される法律が出ているなか、このまま「キョウボウザイ」を出さずにいたら、共謀罪に対してミュージシャンが自らの音楽を通してなんのアクションも起こさなかったという歴史を残してしまう。そのことを彼は危惧した。「このタイミングでそういうものを提示しておくことは、自分にとってというよりも、社会において必要なことだと思って」としたうえでSKY-HIはこのように語る。

「ラッパーは社会を映す鏡であるはずだから、知らぬ存ぜぬの社会にするべきだって言うなら何も言わないが正解なんだろうけど、俺にはそれが正解とはとても思えない──特に人前に立って、人の人生の時間をもらってライヴやったり音楽作ったりしてるってことは、その人が生きる社会の中にいかに自分がちゃんと存在できるか、その人の子供とかに繋がっていった時にいかに自分がいい形でバトンを渡せるかを考えるべきで。だからあのタイミングで誰も提示しないっていうのはあり得ないだろう、と」

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