辺野古で米軍に拘束された芥川賞作家・目取真俊が「不当逮捕」の実態を告白! 百田尚樹の沖縄ヘイトデマ批判も

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 もはや拷問に近い状況だが、さらにこの間、目取真氏が何度も弁護士との接見を要求するも認められなかったという。日本国憲法が第34条で〈何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない〉と記して保障している権利にもかかわらずに、だ。目取真氏は、講演でこのように訴えた。

「『基地の中だからしかたがない』と思ってしまったらおしまいです。本来は日本の弁護士が基地のなかに入って接見できるべき。そうでなければ、法的な知識のない私たち一般市民は身を守る術がない。そもそも憲法で弁護士を呼ぶ権利が保障されているのは、冤罪を防ぎ、思想弾圧がないようにと考えたからのはず。それが、基地のなかではいかされていないのです」

 まさに“治外法権”と言うしかない。これは日米地位協定が事実上、日本の憲法よりも上位に位置していることを意味するが、それは沖縄の基地だけの問題ではなく、たとえば日本全国どこでも米軍機が墜落すれば、協定によってその周辺は封鎖されてしまう。そして、民間人が一歩でも禁止区域に立ち入れば、目取真氏のケースと同様、身柄を拘束され、弁護士も呼べないまま外部と遮断されてしまう。

 戦後日本がいまだに“主権を回復していない”という恐ろしい現実。だが、沖縄は基地を負担して当然とする右派メディアや極右言論人たちは、この事実をネグり、沖縄へのデマ攻撃すら繰り返しているのだ。目取真氏もこの状況を強く懸念する。

「戦後、ほとんどの沖縄島の住民は収容所に入れられました。軍人でもないのに。その間に米軍が勝手に線を引いて、金網のなかに基地をつくっていった。いまの普天間基地も、そのようにしてもともと人が住んでいたところに米軍が勝手につくった基地です。どこかのバカな作家が、かつては田んぼで人がいなかったとか言っていますが、馬鹿にするなという話です」

 本サイトでもつぶさにデマを解説したように、昨年、作家の百田尚樹氏が「もともと普天間の周りには何もなかった」「基地ができて商売になるから人が住みだした」などというトンデモ言説を散々振りまいたのは記憶に新しい。こうした“沖縄ヘイト”がいま、ネット上でもさも真実かのように流通してしまっている。その典型が「沖縄は米軍基地で飯を食っている」というものだが、実際には沖縄の基地経済への依存度は1972年の復帰直後の15.5%から2013年度には5.1%まで下がっている(県ホームページより)。

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