外務省が生長の家系トンデモ極右学者のいいなりに! 南京大虐殺否定に続き東京裁判見直しを世界に発信?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 これでは「日本にはまともな学者はいないのか」と世界から呆れられてもおかしくはない。実際、ユネスコに提出された意見書について、歴史学者の剣持久木・静岡県立大学教授は「ナチスによるユダヤ人虐殺を否定するのと同様の印象を世界に与えかねない」(前出、毎日新聞)と懸念を示している。

 それにしても、外務省はいったいなぜ、こんなトンデモ人物に反論作成を依頼してしまったのか。
 
 高橋氏が今回の意見書に関わることになったのは、中山泰秀・外務副大臣に「説得力のある反論資料の作成」をはたらきかけたことが始まりのようだ。細田派の中山副大臣は安倍首相に近い極右思想の持ち主で、高橋氏の主張にすっかり賛同。外務官僚に「高橋先生に協力してもらえ」と指示をしたと言われている。

 さらに高橋氏は、例の「我が国は南京大虐殺の存在自体を否定しようとしている」発言の原田義昭委員長率いる自民党・国際情報検討委員会にも同様の提案をしている。こうしたさまざまな政治的働きかけにより、自民党や官邸からも、外務省に「高橋氏を使え」という圧力がかかっていたようだ。

 そして、高橋氏は7月9日にパリ・ユネスコ日本代表部を直接訪問し、公使に面談。いつのまにか、日本政府に代わって反論意見書を書くような存在になってしまったのだ。

 しかし、これまでの外務省は自民党や右派団体から圧力がかかっても、国際社会の反応を考えて、ここまで鵜呑みにするということはありえなかった。それがなぜ今回、外務省は丸乗りに近いかたちで高橋氏に意見書を書かせたのだろうか。他でもない外務省関係者が、その裏事情をこう解説する。

「外交はいま、完全に官邸主導。外務省ではなく、官邸にいる2人の元外務官僚が牛耳っています。ひとりは元外務省事務次官で現在、国家安全保障局長である谷内正太郎氏。もうひとりは、元外務省国際法局長で、現在、内閣官房副長官補の兼原信克氏です。外務官僚たちは、いまやこの2人の顔色を伺って仕事をしている。そして、谷内氏と兼原氏は、これまでの外務官僚とは違い、安全保障政策で外務省の悲願を実現してくれた安倍首相や自民党の意向はなんでも聞いて、外務官僚たちを動かしている。今回の意見書も、安倍首相周辺から依頼を受けたこの2人の外務省OBが高橋氏をプッシュしたのではないかと噂されています」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

〈つくる会〉分裂と歴史偽造の深層 正念場の歴史教科書問題

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

外務省が生長の家系トンデモ極右学者のいいなりに! 南京大虐殺否定に続き東京裁判見直しを世界に発信?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。エンジョウトオルトンデモ日本会議歴史修正の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄