シリーズ■安倍晋三の問題は政治性でなく人間性だ!

母親に弟より愛されたい! 安倍首相の岸信介、改憲への拘りは「マザコン」の現れ!?

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「総理の安倍晋三は祖父・岸信介の面影はことある事に口にしても、もう一人の祖父・安倍寛(元衆院議員)についてほとんど触れることはない」「晋三は祖父である岸信介の足跡は事あるごとに口にしても、それに比して晋太郎の生涯を口にすることは乏しい。ましてや、晋太郎に連なる安倍家の家系についての発言はほとんどない」

 これは、父・晋太郎と母・洋子との間にあった微妙な距離感が反映されているのではないか、と著者は見ているようだ。晋太郎は岸家に婿養子に入ったのではなく、あくまで安倍家にこだわった。一方、名門政治一族に生まれ育った洋子の意識は、あくまで政治家・岸信介の娘であり、一族の政治的繁栄だ。そのため夫の晋太郎に政治家として苛立ちと歯がゆさを感じていたという。

 例えば1987年の「中曽根首相禅譲」で、晋太郎ではなく竹下登が指名された際、「今回はこれでいいのだ」と淡々とした夫の姿に、洋子の心は収まらなかったという。

「主人は、政治の世界ばかりでなくいつでも、人を押しのけてでも、というような行動をとる方ではありませんでした。皆さんと、本気になって“理想を追っていく主義”の方だったと思います。でも、世の中は、理想だけではありませんし、そうした中でも、もう少し、ある意味での“強さ”といいますか、そういうものもあった方がよかったのかとも思いますね。でも、それは性格ですから、なかなか……ねっ」(「毎日新聞」94年7月17日付)

 こうした洋子の意識が“母親の愛情を追い求めていた”晋三に伝わらないはずはない。「お父さんより、おじいちゃんの方が政治家として立派」。そんな意識が晋三に植え付けられていったとしてもおかしくはない。

「晋三が父の晋太郎ではなく、祖父である岸信介の大きな写真を官邸に飾り、岸が唯一なしえなかった憲法改正を目標にしているのは、洋子の気持ちを慮っているからですよ。(略)本心は洋子の愛情を人一倍欲していたんです」(晋太郎の元番記者の証言 同書より)

 しかも、政治家になった後、晋三自らを“岸信介”への同化にさらに駆り立てているのが、母・洋子と実弟・岸信夫の関係だという。

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