上村達男・元NHK経営委員長代行インタビュー

元経営委員がNHK籾井会長の退陣を要求!「放送法に反しているのは籾井氏だ」

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 現状を見る限りでは、籾井会長は新年度も会長の座におさまりつづけることになりそうだ。まもなく、会長に権限のある新たな役員人事も発表されるだろう。昨年、会長就任直後に、理事全員に白紙の辞表を提出させ大きな批判を浴びたにもかかわらず、その後の理事の担務を決定する人事では「会長の専権事項」と、経営委員の多くが難色を示す強引なやり方で押し切った籾井氏のことだ。今年の人事もまた一騒ぎあるに違いない。

 国際放送に対して見せる政府の強い関心を考えると、去年の籾井人事で行われた重要ポストの交代劇が改めて気になってくる。NHKの全ての番組に対して実質的な権限を持つ放送総局長に関する人事だ。それまで総局長を務めていた石田研一氏は事実上の降格処分と思える内部監査担務を命じられ、その後釜として放送総局長に任命されたのは、白紙辞表問題で理事らが激怒する中、唯一露骨に籾井会長におもねった人物と噂される、経済部出身の板野裕爾氏だった。しかも籾井会長は、これまで別々の理事が担当していた国内放送の統括と、国際放送の統括を、板野氏ひとりの担務として集約させている。これは過去に慣例のないことだという。

「経営上の責任者ではあっても番組に直接的に介入することはない籾井会長よりも、直で現場に影響力を持つ放送総局長のほうがずっと直接的な『圧力』となり得る。内部ではますます忖度気質が高まり、自粛ムードが広がっている」という現場職員の声もある。何よりも、安倍政権の覚えめでたい籾井会長就任以降、『ニュースウオッチ9』など、NHKのニュース番組が露骨に安倍政権寄りになっていったことは本サイトでも幾度となく指摘してきた事実だ。加えて政府による「国際放送」への強い意欲が、どう現場に反映されていくのかも気になるところ。

 経営委員会が今後会長に対して厳しい態度を示さない限り、今年も安倍政権と直結ともいえる籾井会長の意向が役員人事に反映され、その影響が現場の職員にも及んでいくことは間違いなさそうだ。

「例えば金融業界なら、金融庁や財務省が経営に改善命令を出すなどの介入が行われることは多々ありますが、NHKは公共放送という特性上官庁は介入できないしくみになっています。現在の構造では、経営委員12名によるガバナンスしか行われない状態です。常勤監査委員が役員会議に出席はしても参考人扱いで、役員や会長に対して監査監督を適切に行えるような機能を果たせていない。結果、会長の権限が突出して強くなってしまうのです。定められた資格要件を満たした立派な人物が会長であればそれでもまだ良いのですが、現在のような状況ではそれも難しい。繰り返しになりますが、やはり個人的見解が放送法違反であるような人物が会長であるべきではないと私は思いますね」 

 2年連続の「予算案全会一致承認ならず」の不名誉を招いた張本人に対し、平成27年度の新経営委員たちはどう対峙するのか。まずは4月に行われる経営委員会の報告を待ちたい。
(山崎舞野)

最終更新:2017.12.23 06:52

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