それでも言う! ASKAの愛人・栩内被告の覚せい剤使用は冤罪だ!

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 尿検査と毛髪鑑定で陽性反応が出たことも彼らの論調を後押ししている。尿検査で陽性になったことに対して栩内側は逮捕当日、2人がセックスした際、「宮崎さん(ASKA)の精液が混入した」と証言したが、検察側証人の科学捜査研究所検査員が「陽性反応になるためには、少なくとも370回分の射精が必要」と反論。すると、マスコミはそのことを嬉々として伝え、「栩内被告の主張が崩れた」と断じた。だが、覚せい剤に詳しい専門家はこう語る。

「たしかに覚せい剤をやっている相手が普通に射精をしただけでは、尿検査で陽性になることはないが、その相手が陰茎に覚せい剤成分を塗っていれば、陽性になる可能性は高い」

 毛髪についても同様だ。毛髪鑑定は2回行われており、1度目は覚せい剤反応が陽性だったが、2度目は陰性だった。そのため、栩内被告は逮捕当日、セックスの際に汗かきのASKAの汗が付着した可能性を主張したが、科捜査研の別の担当係官が出廷。「髪の毛は何度も洗浄してから鑑定した。汗が付着したために陽性になったなどありえない」と反論した。

 また2回の鑑定結果が分かれたことについても、係官は同時期に採取した毛髪を分割しているため「覚醒剤成分が含まれる試料が散逸して、得られる薬物濃度が変わることもある」とした。

 ワイドショーやマスコミもこれを受けて専門家たちに同様のコメントをさせた。「検査の前に洗浄しないなんてありえない」「1回でも陽性反応が出ればクロ」。

 しかし、だとしたらなぜわざわざ2回の検査をしたのか。通常、こういう検査を2回やることはほとんどない。しかも、栩内被告の弁護士によれば、2回目の鑑定をすることを申し出たのは弁護側でなく警察側だったという。「1回でも陽性反応が出ればクロ」なら、すでに1回目で陽性反応が出ているわけだから、2回目は必要がない。それをわざわざやったというのは、何かミスがあったのではないか。

 鑑定を行った係官は「毛髪は何度も洗浄してから鑑定にかけた」というが、誰かが客観的にそれを証明しているわけではない。

 しかも、不思議なのは2回の鑑定結果が違うのに、3回目の鑑定をしなかったことだ。それをしない捜査当局はなにか後ろ暗いものでもあるではないのか。

 こうした疑問を持つのは、過去において捜査当局は数々の証拠でっち上げや、鑑定の誤りを繰り返してきたからだ。

 その最たる例が足利事件だ。この事件は日本で初めてDNAによって逮捕、立証された事件だった。しかし当時の鑑定は精度が低く、後にアメリカでは同じ鑑定方法でのえん罪事件が数多く発覚していた。

 最高裁では弁護側が最新技術でのDNA鑑定を提出し、裁判においても再鑑定を申し立てたが、最高裁は認めず、犯人とされた菅家利和さんの有罪が確定されてしまったのだ。さらに菅家さんは再審請求を行うが、宇都宮地裁はそれを6年も放置した末に、DNAの再鑑定すらせずに再審を棄却した。そして逮捕から18年も経った09年、東京高裁が再鑑定を決定し、DNA不一致、えん罪が明らかになった。

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