ビートたけしよ、お前もか! 安倍首相に一切突っ込まず接待状態に…「出てくれてありがたい」「安倍さんの話は最高だった」

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『ビートたけしの私が嫉妬したスゴイ人』(フジテレビ)番組HPより


 たけしよ、お前もか……。昨晩、安倍首相が出演した特番『ビートたけしの私が嫉妬したスゴイ人』(フジテレビ)を見ていて、そう呟かずにはいられなかった。

 番組は、アスリートや俳優など10人の「一流」の著名人が、各々に「嫉妬した」という人物を告白するという企画。そのひとりに安倍首相が含まれており、ゲストとして、MCのたけしや劇団ひとりらが待つスタジオに登場した。

 もちろん、たけしはもともとリベラルではない。むしろ人権や平等といった戦後民主主義的な価値観を茶化す芸で脚光を浴びた芸人であり、社会的発言をするようになってからも反動的なスタンスをとることが少なくなかった。しかし、それでも成り上がり的権力志向丸出しの松本人志などとは違って、最低限の教養は感じられたし、右から左まですべてを茶化すという姿勢は保持し続けていると思っていた。しかも、たけしは最近、安倍政権にさすがに危機感を感じ始めたのか、その右傾化政策を批判する発言もするようになっていた。

 たとえば、著書のなかでは、安倍政権が推し進める道徳教育について「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」と批判していたし、例の一億総活躍なるキャッチコピーについても「こんなスローガン、『軍国主義を日本中・世界中に思い起こさせたい!』と、あえて狙ってやってるのかと思うぐらいだよ」とぶった切っていた。

 だから、たけしの番組に安倍首相が出ると聞いた当初、安倍首相と真っ向から対峙するのは無理でも、鋭い風刺や揶揄のひとつやふたつはぶっ放してくれるのではないかと密かに期待していたのだ。

 しかし、放送された番組では、そんなものはひとつもなかった。それどころか安倍首相のアピールに乗っかり続け、“安倍PR番組”の接待役を忠実に務めたのである。

 たけしは安倍首相がスタジオに登場すると、はやくも「おれは自慢じゃないけどね、野党に下野したときにね、麻生さんと安倍さんはよく番組に出てくれたんだよ」「ありがたい」と感謝を表明する。

 この時点ですでにガッカリ感満載だったのだが、本当に失望したのはそのあとだった。本題に入り、安倍首相が「嫉妬する人」は石原慎太郎だと言い、「なんでも言いたいことを言いながら全てを手に入れている」などと絶賛すると、たけしはただ一言「慎太郎さんはどっちにも与しない感じがありますよね」とうなづいただけだったのだ。

「ニュースを扱うわけでもない純粋な正月バラエティ番組なんだから、そんなもんでしょ?」と言う人もいるかもしれないが、このたけしの姿勢は、本職のお笑い芸人としても、ありえない。

 安倍首相があの石原に嫉妬しているというのは、政治的なスタンスとは関係なく、ツッコミどころ満載のネタで、「じゃあ、安倍さんも石原さんみたいに核武装しろとか、中国と戦争したいとか本当は言いたいの?」とか、いくらでも切り込むことができた。ところが、たけしはそんなそぶりなんて一切見せず、まったく的外れな慎太郎論を口にして、その場をごまかしたのだ。

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