「民主党のせい」は嘘、新国立競技場は最初から安倍首相の親分・森喜朗の仕掛けだった

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
abemori_01_150711.jpg
左・安倍晋三公式サイトより/右・森喜朗公式サイトより


「自民党のせいじゃなくて民主党が悪い」──昨日、安倍晋三首相と下村博文文科相が、ついにこんな責任転嫁を。

 とんでもないことになっている新国立競技場問題の話である。あらためていうと、現行案では2020年の五輪開幕までに完成しないのが濃厚。しかも、総工費は先日承認された2520億円でも足りず、一説には4000億円にまでのぼるという話も噴出してきた。このままでは「国家の威信をかけたプロジェクト」と呼ばれるこのハコモノがゴミバコ以下になってしまうことは確実だ。

 たしかに新国立のデザインが決定したのは2012年の民主党政権下ではあったが、しかし、この問題を民主党のせいにするのはどう考えたってお門違いだろう。なぜならば、現在の事態は、民主党どころか、安倍首相の“ボス”、森喜朗がつくりだしたものだからである。

 順を追って説明する前に、まず10日の下村文科相による記者会見での釈明を引用しよう。

「(当初の総工費の)1300億円がデザインする人(ザハ・ハディド氏)に伝わっていたか。値段は値段、デザインはデザインということならば、ずさんだったことになる」

 ようするに「ザハ氏のデザインが諸悪の根元!」というのだ。いやいや、この人は総工費がつり上がっていくなかで、東京都に500億以上もの負担を要求したことをお忘れなのだろうか。舛添要一都知事からは説明不足を理由にむべなく断られたわけだが、これをたよりにしていた文科相の責任はどうなる。それこそ「ずさんだった」としか言いようがない。

 次に、同日の安倍首相による国会答弁の内容だ。民主党・辻元清美議員から新国立計画の見直しを問われ、こう答えた。

「国際コンペをやると約束し、監修権等をザハさんに与えると決まったのが2012年11月、我々が政権につく前のことだ。事実として述べると、民主党政権時代に、ザハ案でいくということが決まり、オリンピックを誘致することが決まった」

 つまり「ザハ案に決めたのは民主党政権下だったんだから自民党は知らん!」と。この安倍首相の答弁にすぐさまネットの安倍親衛隊が反応。「ブーメラン投げすぎも大概にしろや糞民主」などと騒いでいるわけだが、おいおい、ネトウヨたちは安倍首相が五輪招致の最終プレゼンでなんと言ったかすら覚えていないのか?

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

「民主党のせい」は嘘、新国立競技場は最初から安倍首相の親分・森喜朗の仕掛けだったのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。五輪安倍晋三宮島みつやの記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄