“冤罪”袴田事件はどのようにつくられ、どんな真相が隠蔽されたのか!?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
hakamadajiken_01_150102.jpg
『袴田事件──冤罪・強盗殺人の真相』(プレジデント社)

 1966年に静岡県の一家4人が惨殺され、放火された「袴田事件」で、強盗殺人などの罪に問われ死刑が確定していた袴田巌さん(78)について、静岡地裁(村山浩明裁判長)は昨年3月27日、再審開始を認める決定をし、あわせて刑の執行停止も決めた。

 刑が確定した事件について、確定囚がその再審開始決定を得る事は、“ラクダが針の穴を通るより難しい”と言われる事もあるほど困難だ。袴田さんは逮捕からこの日まで約50年も塀の中にいた。しかも、死刑が確定した1980年からは、いつ“その日”が来るか、と怯えながらである。静岡地裁は「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑いがあり、犯人と認めるには合理的疑いが残る」とこれまでの捜査や裁判所の判断に誤りがある可能性を示唆している。

『袴田事件──冤罪・強盗殺人の真相』(山本徹美 /プレジデント社)は、絶版になっていた同書に追記がなされ再審決定後の7月に出版されたものだが、これによれば、確かにこの「袴田事件」は証拠捏造、自白の強要、見込み捜査など、捜査機関のずさんさ、乱暴さが際立っている。さらにカネ目的の“強盗殺人”には到底思えないような、真犯人による何らかの意図を感じさせる猟奇的な態様も見られるのだ。

 袴田事件は1966年6月30日の夜に静岡県清水市で起こった。味噌製造会社「こがね味噌」の専務(当時41)宅が火事になり、焼け跡から専務とその妻(同38)、次女(同17)、長男(同14)の遺体が発見された。全員に刃物によるものとみられる刺し傷が多数あったことから、事件として捜査開始。同年8月「こがね味噌」従業員であった元プロボクサー、袴田巌さんが逮捕された。袴田さんは逮捕当初から否認していたが約1カ月後に自白。公判開始以降、一環して否認を貫いたが、死刑判決が下され、最高裁で確定していた。

 まず逮捕直後から自白までの袴田さんには、この手のずさんな捜査にありがちな連日の厳しい取り調べが行われていたことは周知の通りだ。清水警察署が保管する「留置人出入簿」によると、袴田さんには基本、朝8時前後から23時前後まで取り調べが続き、自白までの数日間はラストスパートと言わんばかりに、午前8時前後から午前2時までの調べが行われている。この影響か、自白4日前には初めて医師の診察を受け「からだ全体がむくみまして、中耳炎を起こし、膿が出るようになりまして、耳などもほとんど、いったことが聞こえないようになりました」と訴えている。「寝不足が原因と思います。(午前)12時頃終わって、留置場に戻されまして、床につくんですが、かわるがわる酔っぱらいを連れてきまして、2つか3つ離れたとなりの部屋に入れまして、それが一晩中騒いでいるんです」とも訴えており、睡眠も十分ではなかったことが伺える。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

袴田事件 ― 冤罪・強盗殺人事件の深層

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

“冤罪”袴田事件はどのようにつくられ、どんな真相が隠蔽されたのか!?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。冤罪捏造高橋ユキの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安保法制密約で自衛隊将校が実名告発!
2 安倍政権が企む“子なし世帯増税”の異常性
3 安倍の教育無償化はやっぱり嘘だった
4 柳広司、中原昌也らが東京五輪に疑問の声
5 日馬富士暴行で貴乃花批判のおかしさ
6 欅坂・平手が「今年はひどいことばかり」
7 安倍がネトウヨ『報道特注』に出演熱望
8 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
9 内田樹が喝破!安倍独裁を容認させるもの
10 たけしが安倍を「軍国主義」と批判!
11 武富士より恐い奨学金の実態
12 「不倫学」が教える防止策とは?
13 稲垣、草なぎ、香取と日本財団の関係
14 オリラジ中田が日馬富士事件で松本批判?
15 美輪明宏が安倍と支持者を一喝!
16 鶴保前沖縄担当相に辺野古利権疑惑
17 国連が安倍政権のメディア圧力に勧告へ
18 “菅官房長官語”の非人間性を証明!
19 マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
20 今年も紅白はジャニーズが私物化
1国連が安倍政権のメディア圧力に勧告へ
2加計学園で設置審委員が内情暴露!
3直撃!前川前次官が加計認可の動きを批判
4日本大使館が「民進党は米国が分裂させた」
5義家前文科副大臣が加計疑惑に茶番質問
6萩生田が前川前次官にシンゴジラを観ろ
7安倍政権が乱発するトンデモ閣議決定
8欧米で安倍と訪日トランプに嘲笑の嵐
9安倍の教育無償化はやっぱり嘘だった
10鶴保前沖縄担当相に辺野古利権疑惑
11内田樹が喝破!安倍独裁を容認させるもの
12マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
13沖縄タイムス記者が官邸と百田に反撃
14安倍がネトウヨ『報道特注』に出演熱望
15山口敬之めぐり文春vs新潮がバトル
16安倍政権が企む“子なし世帯増税”の異常性
17 柳広司、中原昌也らが東京五輪に疑問の声
18「朝日、死ね」足立議員のトンデモぶり
19 安保法制密約で自衛隊将校が実名告発!
20JASRACが坂本龍一を騙しうち!

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」