“オーバー30”女子のTL初体験報告

子持ち”オーバー30”女子が話題のソフトSM系TLを読んでみたら……

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「このTL読んでおいて。レビューよろしく」
 知り合いのサイゾー編集者から、そんなそっけないメールが届いた。ちょっと待て、TLとはつまり、“ティーンズラブ”のこと。私、ティーンから遠のいて早十数年のオーバー30、しかも既婚の子持ち。いや、どう考えても無理だろう。

 それに内容は、例えばよく少女マンガに登場するようなミステリアスでクールな男の子が、「おしおきだぞ?」なんて言い、これまた少女マンガの登場人物のような可愛い女の子が、「いやあぁぁん」と顔を赤らめる……なんて内容じゃないだろうか。

 読んだことはないが、きっとそうに違いない。で、さっそく断りのメールを入れてたところ、くだんの編集者からこんな返事が。

「いや、最近のTLって別にティーンズ向けにかぎらないんだって。まあ、ためしに読んでみてよ。ちょっとSMっぽいのセレクトしてみたから」

 渋々引き受けたものの、わたしゃ、Sっぽい男の子にも、もちろんSMプレイにもまっったく興味がないのだが……。子どもを寝かしつけたあと、気乗りせぬまま読み始めたこのときには、読み進める指が止まらなくなってしまってしまうとは、まさか知る由もなかった。

 まず1冊目は、『甘々お仕置きラブライフ』。

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 BL小説家を目指す千春は、両隣に住む年上の幼馴染をモデルに、妄想を爆発させBL小説を執筆中。アイドル系王子様タイプの碧と、イケメン俳優系俺様タイプの蓮。どちらかと言えば蓮に惹かれているけど、そっけなくされるたびに碧に優しくされ、千春の心は揺れ続けていた。

 そんな中、高校卒業と同時に出版社勤務の碧と小説家の蓮の、3人で暮らすことになった千春。男2人と暮らすというだけでもビックリだが、そこでの生活はもっとスゴい!

「小説の表現力を養うために」と、2人に押さえつけられ、乳首を責められ、アソコを舐められ、身体を開発され続けるという、いやらしい毎日を送ることになってしまうのだ。

「ここをこんなに赤くしちゃって…」
「おまえの弱いとこ……もうビンビンだ」

 なすがままに攻められ快楽に身を任せる千春だが、ヴァージンのためエッチはいつも寸止め。イケメン2人が「抜けがけ禁止」を掲げ、千春を求めて水面下で散らす火花は、徐々にヒートアップ。そんなことを知らない千春は、蓮から甘い調教を受けアソコを濡らして欲しがれば、数時間後には碧からいじわるにイカされる。

 ちょっとこんな設定、これまでAVでも官能小説でも見たことない。読んでいるうちにドキドキしてくる。エッチだけじゃなくて、千春の揺れ動く心にシンクロして、なんかもう……。

 そして2冊目は、『診察シテヤル。ドS上司の診察室』。

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 院内でも大人気のミステリアスなイケメン御曹司の医師・八神先生が担当の内科Bに配属された美紀。診察室に入るやいなや、突然のキス、乳首責め、そしてロータープレイ!

 驚きつつもされるがままの最中、患者が入室して八神は勘違いであることに気付く。

 いざ患者相手に診察を始めると、さきほどの美紀同様、必要な乳首舐めからクンニを施し、患者はイキっぱなしの放心状態に。いやいや勘違いって、なんで患者さんにそんなことを!?

 何を隠そう「内科B」とは世を忍ぶ仮の科、実態は「SEX科」という前代未聞の診療科だったのだ。診療内容は患者の病状に沿い、目の前でエッチしたり、お仕置きプレイをしたり、痴漢をしたりと様々。

 そのたびにエッチな診察に駆り出される美紀だが、戸惑いながらも八神が医師として真摯で患者から信頼されていること、そして、クールなのに激しいも優しいプレイに、されるたびにカラダが欲していることに気付き惹かれていく。ホンマかいな、こんなエロいことばっかしてて……。

「八神先生に触ってもらえないとだめになっちゃったんです!」

 素直な気持ちを伝える美紀に、八神は見下した冷たい目つきで言う。

「診察台にあがれ。俺がおまえを診察してやるって言ってんだよ」

 口調とは裏腹に、優しく繊細な指づかいで美紀の敏感なところを探り当てるのだった。

 う〜ん、この設定は出産歴のある私にはちょっとリアリティがなくて、エロい気持ちより笑いがこみあげてきた。もうちょっと若いコ向きかもね。

 最後はコチラ、『高梨くんの半分はサドでできています』。

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 人を惹きつける独特のオーラを振りまき、常に周囲に人が集まる大学内の有名人・高梨くんを、なぜだか池波さんは「コワイ」と思っていた。その矢先、飲み会で酔った池波さんはトイレへ、待ち構えていたのは高梨くん。すると強引に個室へ押し込まれ、押し倒してキス、激しい愛撫、強引な絶頂……。涙を流す池波さんに、高梨くんは興奮気味に言う。

「それが見たかった」

 なんと高梨くん、池波さんの涙にのみ欲情するという性癖を告白、とんでもない変態だと避ける池波さんだったが、結局はなぜか受け入れてしまう。それどころか、強引でイジワルな高梨くんの言葉責めやエッチを欲し、自ら腰を振ってしまうことも。

 芽生える恋心と共に比例して頭をよぎるのは、「セフレ」という関係性の脆さ。池波さんを「俺のおもちゃ」と扱いつつ、他の男と接した罰として池波さんにお仕置きをする高梨くんの本心は、そして隠された過去とは。

 ああ、ふたりの間に漂う焦燥感がたまらない……。

 あれ? 3タイトル一気読みしてしまった。最初は展開の唐突さにツッコんでいたのに。ふと気付くと、読了と同時に数年ぶりにカラダが疼いていた。
 
 女のツボを刺激する丁寧な乳首責めやクンニシーンや、イジワルで強引だけど、どことなくお姫様扱いされているような優しさを感じるエッチシーンが、きっと原因だ。
 
 かつてそんなエッチをしたことがあっただろうか? いや、現実にはそんな理想を叶えてくれる男性なんていない。ココに登場する男性たちは、一見自分勝手なドSだが、女性をイカせることを最優先にしているのだ。それに、彼らの俺様ぶりやイジワルの裏には、必ず照れや優しさ、必死さが見え隠れし、それが可愛くてたまらない。

 そして、夢中になってしまった最大の理由は、思わず感情移入せざるを得なかったからだろう。激しいエッチシーンはあれど、ベースは少女マンガの世界観だ。「恋」「失恋」「喪失感」「すれ違い」「あの人のために流す涙」少女マンガの切なさエッセンス。さらにそこに「私のカラダに欲情するオトコたち」「成すがままにしてくれるエッチ」「心とカラダ両方に宿るもどかしさ」という、夫婦間では成立しない理想的なエッチがプラスされているのだ。TLにはアラフォーの私でも十分興奮するポテンシャルがある。

 いや、TLはもしかしたら、オーバー30既婚者が二度と抱いてはいけない・抱くことができないそんな感情を擬似体験させてくれる、“サプリ”になるかもしれない。

追記 スマートフォン専用のコミック書店「ベリーベリー!ブック!」では、これらの作品が11月5日まで、1巻または2話まで無料で読めるそうだ。
(蒜野 恋)

『甘々お仕置きラブライフ』


『診察シテヤル。ドS上司の診察室』

『高梨くんの半分はサドでできています』

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