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女性アシスタントのマンガに興奮して…エロマンガ家の意外な日常

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『まるせい』(少年画報社)

 少年の知的好奇心と股間を刺激し、青年の下心と妄想を膨らまし、おっさんの失った過去を色鮮やかに思い出させる、男の人生にとって、欠かすことのできない「エロマンガ」。だが、その作り手であるエロマンガ家の生態は謎に包まれている。彼らはいったい、どのような日々を過ごし、どんなことを考え、どういったことをしながらあんなヌルグチョエロマンガを描いているのだろうか。

 安い原稿料に微々たる印税、結果ついてまわる貧困。読者からネットなどでボロクソに叩かれる。連載している雑誌が警察にガサ入れされる。出版社が原稿を紛失し、単行本化されない。一般誌の人気作品に対して嫉妬を抱きつつ、「なぜ、自分には描けないのか」と絶望を深める、などなど、きっとその日常は悲惨極まりないはずだ。

 などと想像していたら、そのエロマンガ家の生態を描いているマンガがあると聞いた。『まるせい』(少年画報社)という成人マンガを表す業界用語をタイトルにした作品で、作者は20年以上をエロマンガ家として過ごした、エロマンガ界の古参ともいえる花見沢Q太郎。内容は、本人曰く「62%の事実と46%の絵空事でできています」という。やけに中途半端な数字と、足すと100%を超えるところが気になるが、自伝的な作品で、エロマンガ家の日常がけっこうリアルに描かれているようだ。さっそく読んでみると……。

 なんと、編集者とごはんを食べつつ酒をたしなんでいる描写があるではないか! しかも、すごく和気あいあいとしており、仲が良さげだ。おかしい……マンガ家と編集者は犬猿の仲ではないのか。編集者はマンガ家のケツを叩き、原稿を催促し、ときには作品の引き延ばし、ストーリー・設定の変更を行おうとする存在で、マンガ家はそれに抗いながらも、締切を守らず、編集者に対する不平不満を作品内などでぶちまける、という構図が古くから成り立っているのではなかったか。その代表的なものとして『アラタカンガタリ〜革神語〜』の作者である渡瀬悠宇が作品の方向性をねじ曲げられたと、編集者によるパワハラ被害を告発したという事件もあったではないか。『まるせい』では、そんな醜い対立を微塵も感じさせないどころか、編集者と朝までカラオケにいってたりするのだから、パラレルワールドの出来事なんじゃないかという疑いさえもってしまう。ううむ、これはさっそくのギャップである。

 おっと、同じエロマンガ家同士で親睦を深めている描写もあるではないか。おかしい。エロマンガ家はたったひとり、孤独に黙々とヌレグチョな絵を描き進め、友人なんかももちろんおらず、下手すれば家族にさえも縁を切られているような、そんな人間ではないのか。それなのに『まるせい』では、主人公が同じ雑誌で描くエロマンガ家たちに単行本発売記念パーティーなんか開いてもらっているし、なんだったら、原稿がピンチのときにはエロマンガ家仲間が集まり、全員が一丸となって原稿を描くシーンとかもある。おかしい、こんなの反道徳的なことを描いている人間のすることじゃない。これでは、これではまるで……いや、結論を急ぐのはやめよう。きっと、もっとえげつない、顔を背けたくなるようなドロドロの醜いシーンがあるはずだ。

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