岸田内閣の新閣僚は「カネ」まみれ! 鈴木俊一財務相、二之湯国家公安委員長、金子農水相、後藤厚労相らの醜聞が次々と

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岸田内閣の新閣僚は「カネ」まみれ! 鈴木俊一財務相、二之湯国家公安委員長、金子農水相、後藤厚労相らの醜聞が次々との画像1
岸田文雄Twitterより


 本日、第100代内閣総理大臣に選出され、内閣を発足させた岸田文雄首相。だが、岸田首相は総裁選で党改革の柱に「政治とカネ」の問題を挙げてきたというのに、党の幹事長に選んだのは「1200万円賄賂」疑惑の説明から逃げっぱなしの甘利明氏。さらに政調会長に据えた高市早苗氏も、総務相でありながらNTTから高級接待を受けていた問題だけではなく同じく総務相時代の2016年に計925万円の「闇ガネ」疑惑が浮上した(過去記事参照→https://lite-ra.com/2016/05/post-2251.html)。そもそも党幹部からしてカネの疑惑を抱えた人物ばかりだ。

 そして、それは本日、発足した岸田内閣の顔ぶれも同じ。というのも、「政治とカネ」の問題を抱えた議員が揃い踏みとなっているからだ。

 たとえば、自民党副総裁に収まった麻生太郎から財務相のポストを“禅譲”した鈴木俊一(衆/岩手2区)。氏は麻生氏の義理の弟にあたるが、ある意味、財務相にもっともふさわしくない人物だ。

 鈴木氏は2000年6月の総選挙で公共事業受注企業8社から計690万円の献金を受け、公選法違反の疑いが指摘されたこともある人物だが、インパクトが大きかったのは「ガソリン代」問題だろう。

 五輪担当相時代の2017年、自身が代表を務める資金管理団体「清鈴会」が2013年から2015年に計上していたガソリン代が「地球33.8周分」に相当する1412万円にものぼることを「週刊新潮」(新潮社)が報道。これは当時、騒がれていた民進党・山尾志桜里衆院議員の「地球5周分」のガソリン代をはるかに上回るものだ。

 しかも、「清鈴会」の政治資金収支報告書では、問題のガソリン代や郵便代、家賃などについて、「領収書等を徴し難かった支出」である「徴難」で1658万円も計上していたことを「週刊ポスト」(小学館)が問題視。複数の支払先を取材したところ、「領収書を発行しないケースはない」という回答が返ってきたと伝えたという。

 森友問題で虚偽答弁を連発した佐川宣寿氏が国税庁長官に就任した際には「“領収書を破棄した”という説明は許されないのに」という怒りの声があがり、全国各地で「納税者一揆」デモが起こったことも記憶に新しい。だが、今度はよりにもよって約1600万円分も領収書なしで報告する人物が、麻生氏の義弟というだけで財務相のポストを与えられたのだ。当然、森友再調査もこの義弟が拒否で押し通すことは必至だろう。

“思い出入閣”で警察行政トップになった二之湯智 公設秘書が一億円強盗事件を起こしたことも

「すでに大臣の失格なし」の新閣僚といえば、国家公安委員長に選ばれた二之湯智(参/京都選挙区)も同様。二之湯氏はすでに来年の参院選への不出馬および引退する意向を示しており、「思い出づくりの初入閣」と揶揄されているが、本人のカネの問題もさることながら、よりにもよって警察行政のトップに据えるとは、はっきり言って滅茶苦茶だ。

 というのも、二之湯氏の公設第2秘書を務めていた男性が2010年、京都市内の不動産会社社長宅に宅配業者を装って押し入り、社長の妻に刃物を突きつけて軽傷を負わせた上、金庫の現金1億円を奪った強盗致傷容疑で逮捕。今年3月、懲役13年の実刑判決が言い渡されたのだ(その後、大阪高裁に控訴)。

 この公設秘書はその後も各地で強盗を繰り返していたとされているが、1億円強盗の際は現役の二之湯氏の公設秘書であり、さらに二之湯氏は「いい秘書がいる」と紹介して他の自民議員に推薦していたという。逮捕時に二之湯氏は「初めはまじめにやっていたが祇園で遊びを覚えてしまった。注意しても聞く耳をもたなかった」と述べていたが、自民府連内でも〈「毎晩遊ぶ金はどこから出ているのか」といぶかる声も上がっていた〉(朝日新聞2018年11月10日付)といい、二之湯氏に監督責任があるのは当然だ。

 また、二之湯氏自身も、2010年〜2014年の政治資金収支報告書に計1070万円を超える「出処不明金」があるとし、2016年に市民団体「政治資金オンブズマン」が京都地方検察庁に告発。「落選対象議員」だと批判されていた。秘書の監督責任はもちろん、政治資金の不透明さも問題ありと言わざるを得ないだろう。

 きたる総選挙で「落選させるべき」大臣といえば、復興・沖縄北方担当相となった西銘恒三郎(衆/沖縄4区)は外せない。西銘氏は2012年の衆院選で普天間基地について「県外移転」を公約に掲げながら、当選後には一転して辺野古への新基地建設を容認。この有権者の裏切り行為も酷いが、もっと下劣なのは、西銘氏がこの年、辺野古関連工事の受注業者から計220万円もの献金を受け取っていたことだ。

 しかも、献金を受け取っていたのは2012年だけではなく、辺野古関連工事の受注業者から2014年の衆院選公示直前に計40万円、2017年の衆院選期間中にも20万円の献金を受けていた。これは国会議員の選挙に関して国と契約した業者による寄付を禁止した公選法199条に抵触する可能性のある行為だが、問題が指摘されるたびに西銘氏の事務所は「返金する」「返金した」と繰り返してきた。つまり、有権者を裏切った上にカネの問題をまったく反省していないのである。

金子農水相は海自パソコン購入で防衛省に圧力、末松文科相は政治資金でエルメス

 さらに、同じく業者からの献金問題では、農水相となった金子原二郎(参/長崎選挙区)もすさまじい。金子氏は自民党総務会長代理を務めていた2013年、海上自衛隊のパソコンを地元業者から購入するよう防衛省に圧力をかけ、海自佐世保地方総監部は金子氏の地元業者2社と約1800万円の契約を結んでいたことが発覚。さらに、その地元業者や社長から過去に合わせて計240万円もの献金を受けていたと報じられたのだ(しんぶん赤旗2013年2月19日付)。

 金子事務所は「地元に発注しろと防衛省に求めたのは、献金を受けたからではなく、あくまで地元業者の声を伝えただけだ」などと抗弁していたが、それでなくても農水相をめぐっては吉川貴盛氏が大臣在任中に鶏卵業者から計500万円の賄賂を受け取っていた問題が起こったばかり(現在、公判中)。にもかかわらず、献金を受けた業者に便宜を図るべく省庁に圧力をかけておいて「地元業者の声を伝えただけ」と強弁するような人物を農水相に据えるとは、岸田首相の言う「政治とカネ」とは一体なんなのか。

 だが、「政治とカネ」の問題を抱える閣僚はこれだけではない。

 たとえば、今後のコロナ対策を担う厚労相に抜擢された旧大蔵省出身の後藤茂之(衆/長野4区)は、法務副大臣時代の2013年、巨額年金資産消失事件を起こしたAIJ投資顧問の傘下のアイティーエム証券からパーティ券を計80万円分、同社代表取締役から50万円の寄付を受けていたことが判明。さらに同社の株式200株(額面で計1000万円分)を保有していたことが発覚。

 また、当選3回にして文科相となった末松信介(参/兵庫選挙区)は、2010年の参院選時に“出所不明”の約1200万円にものぼる巨額の寄付金を収支報告書に記載せず、2016年に政治資金規正法違反で刑事告発されただけでなく、2014年には政治資金で高級ブランド・エルメスに2万5920円を支出。2013年にも「フォブ・シュランク」というフォルクスワーゲン向けの高級カーパーツなどをセレクトしたショップで1万6380円を支出していた。

 一方、ワクチン担当および五輪担当相となった堀内詔子(衆/山梨2区)は、夫が富士急行社長であるだけでなく大久保利通の子孫にあたることなどから「華麗なる一族」とワイドショーでも呼ばれているが、昨年公開された2019年の政治資金収支報告書によると、靖国神社に1万2000円を支出。これは本来、政治資金ではなく私費で負担すべきものであることは言うまでもない。

甘利幹事長の口利き賄賂問題だけじゃない! 茂木外相、萩生田光一経産相にも公選法違反疑惑

 総務相となった金子恭之(衆/熊本4区)も、2002年に地元の川辺川ダム事業関連業者から当時自民党幹事長だった山崎拓の選挙区支部・資金管理団体を経由させた約1000万円の迂回献金疑惑が報じられている。

 さらに、「続投組」である茂木敏充外相(衆/栃木5区)には、女性記者へのセクハラ常習疑惑が持ち上がっただけでなく、地元選挙区で「衆議院手帖」180万円分相当を配布していた公選法違反疑惑を「週刊新潮」が報道(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2018/01/post-3757.html)。重量級の経産相へと横すべりした萩生田光一(衆/東京24区)も、1600万円の迂回献金疑惑ならびに2017年の衆院選期間中に防衛省と取引のあった企業から100万円の寄付を受けていた公選法違反疑惑がある(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/09/post-4995.html)。

 このように、「政治とカネ」問題で名前が挙がってきた閣僚が山盛り状態の岸田内閣。岸田首相は自身の地元である広島で起こった河井夫妻の選挙買収事件における党本部からの1億5000万円問題にかんしても「必要であれば説明する」と発言していたが、甘利明幹事長は早々に「再調査する考えはない」と宣言。ようするに、総裁選では「政治とカネ」問題について丁寧な説明と透明性の確保を謳いながら、岸田首相はそれを反故にしようというのである。

 当然だろう。「政治とカネ」問題を掘り下げれば、河井事件の1億5000万円問題はもちろん「桜を見る会」問題など、安倍晋三・前首相の関与や責任が問われることになる。そこに手を突っ込むことなど、傀儡の岸田首相には天地がひっくり返ろうとも絶対に不可能だからだ。そして、自民党は「生まれ変わる」こともなく、同じような「政治とカネ」の問題を平然と繰り返していくのは間違いない。

 選挙大規模買収事件に反省のひとつもない岸田政権を看過するのか否か。10月31日投開票で決定した次の衆院選でその審判を突きつけるしかないだろう。

最終更新:2021.10.04 09:36

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