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田崎史郎が『モーニングショー』から消えた! 玉川徹にツッコまれるのを嫌がり降板説 政権代理人が跋扈するテレビの体質は変わらない
かつて頻繁に『羽鳥慎一モーニングショー』出演していた田崎氏だったが
安倍政権の御用ジャーナリストの代表格、田崎スシローこと田崎史郎氏。田崎氏にある異変が起きているのにお気づきだろうか。
と言っても、反安倍に転じたとかそういう話ではない。河井克行・前法相と河井案里参院議員が買収容疑で逮捕された問題でも、「常識外れかも知れないですけれども、政治の世界ではあり得ることなんですね」「陣中見舞い、当選祝いのかたちなら許される」と正当化したり、河井夫妻と安倍首相は親しくないと吹聴したり、相変わらず安倍擁護活動を展開している。
ところが、そんな田崎スシローが最近、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)にめっきり出演しなくなっているのだ。
田崎氏といえば『ひるおび!』(TBS)への出演が有名だが、安倍政権に不祥事が発覚したり、批判の多い法案の審議中など、政権のターニングポイントになると決まって『モーニングショー』にも出てきて、官邸の意向を代弁、ありえない論理で政権を擁護し、玉川徹氏らと舌戦を展開してきた。ところが、ここしばらくその田崎氏の姿がみられなくなってしまったのだ。
いったいどうしたのだろうか。田崎氏といえば、昨年にも「桜を見る会」問題の最中、ジャパンライフとの癒着を理由に、一時期テレビ出演を辞退していたことがあった。しかし今回は、上述のとおり、河井前法相夫妻逮捕や持続化給付金をめぐる電通との癒着問題などをめぐり、『ひるおび!』や『とくダネ!』(フジテレビ)などに出ては政権を擁護している。出演していないのは、『モーニングショー』だけである。
本サイトであらためて確認してみたら、緊急事態宣言発出された前後の4月第2週は毎日のように出演していたのだが、4月9日を最後に、もう2カ月以上も『モーニングショー』に出演していないのだ。
まず、考えられるのは、視聴者の抗議で番組側が田崎氏を降ろした可能性だ。『モーニングショー』は玉川徹氏や青木理氏ら政権批判を厭わないコメンテーターも出演していることからもわかるように、リベラルからの支持が強い番組。そのためか、田崎氏に批判的な視聴者の声が多かった。
とくに今回のコロナ禍で『モーニングショー』は安倍政権のコロナ対応批判をリードし、安倍政権の杜撰なコロナ対応に疑問や不満を抱く人々の支持を集めていた。
そのため、田崎氏の露骨な政権擁護に対して抗議や批判がいつも以上に巻き起こっていた。たとえば、4月6日放送回では、コロナでの死亡者数が正確なのかという議論のなかで、田崎氏が「肺炎で亡くなった人のことをあとでCT検査をして、コロナかどうかいちいち判断している」という誰が考えてもありえないデマ解説をし、橋下徹氏にまで批判されていた。
また、9日放送回では、西村康稔コロナ担当相が休業要請の2週間先延ばしを自治体に求めた問題でも、大嘘が発覚している。
田崎氏は西村担当相に直接、電話で聞いたとして、「西村さんは専門家の意見として伝えただけ」と擁護。その「専門家」として、厚生労働省のクラスター対策班メンバーの西浦博・北海道大学教授の名前を出したのだが、当の西浦教授がそうした発言をしていないと否定し、〈休業は補償つきで今すぐやらないといけません〉とツイートしたのだ。
こうした言動に対する抗議、批判の声を受け、きちんと政権批判をするために、『モーニングショー』は田崎氏を出演NGにしたのだろうか。そう思っていたら、どうやら事情はまったく逆だったようだ。
「実は、田崎さんのほうから『モーニングショー』出演を断っているそうです。テレ朝にどう説明しているかはわかりませんが、田崎さん本人というより、奥さんから出ないでほしいと言われたらしい。田崎さんは、最近「週刊文春」(文藝春秋)のインタビューでも、大学時代の半同棲生活や時事通信で干されていたときに奥さんに支えられた話などをしていましたが、愛妻家。あの世代にはめずらしく、夫婦で仕事の話などもけっこうするようです。ほかの番組と違って、『モーニングショー』では玉川徹などに激しく反論されてボコボコにされることも多いから、見ていられないってことなんじゃないのかな」(テレビ局関係者)
田崎氏が自ら『モーニングショー』を出演NGに!? 「週刊文春」で語った妻の存在
たしかに、『ひるおび』などでは同じく安倍応援団の八代英輝弁護士やMCの恵俊彰などが田崎氏に追随し安倍政権に批判的なコメンテーターのほうが孤立しがちだが、『モーニングショー』では玉川徹氏らコメンテーター陣らからコテンパンに反論されるという場面が、定番化していた感もある。
実際、4月9日に出演した際も、玉川氏から緊急事態宣言が遅すぎると追及され、苦し紛れに「玉川さんほど短絡的に、バッといけるものじゃないんです!」と半ギレし、さらに玉川氏に反論されるという場面があった。
こうした田崎氏の姿を妻が見るに見かねてアドバイスしたということだろうか。実際、「週刊文春」のインタビュー「家の履歴書」で妻のことを語っている田崎氏を見ていると、さもありなんという感じがしなくもない。
もちろん、一方では、田崎氏自身が判断したという可能性も十分ある。前述したように、田崎氏は4月6日のCT検査におけるデマ発言や9日の西浦教授への責任転嫁デマで大きな批判を浴びており、「『モーニングショー』では玉川に突っ込まれて無理筋な擁護になり、そのうち大けがにつながりかねない」と判断したのかもしれない。
また、「官邸から『モーニングショー』に出るな」と指示を受けたのではないかという情報も流れている。
「とくに、西村コロナ担当大臣の休業要請先延ばしを『西村さんは専門家の意見として伝えただけ』と擁護して西浦教授から否定された件では、西村大臣がデマの情報源として批判されましたからね。官邸が、あの番組で擁護しても逆に政権にマイナスになるだけだから出ないほうがいい、とアドバイスしたのかもしれない」(全国紙政治部記者)
いずれにしても、『モーニングショー』が田崎氏の出演を断っているのではなく、まったく逆で田崎氏サイドが出演を断っていたというだけのことらしい。
「どれだけ抗議があろうと、テレビ局のほうから田崎さんを切れるわけがない。どの局もそうですが、田崎さんを出すのは政権に対する保険なんですよ。MCや他のコメンテーターが政権批判を口にしても、官邸から怒られないように、代理人である田崎さんをわざと出している。テレビ局のほうから切ったら、それこそ官邸に睨まれてしまいます」(民放政治部記者)
ようするに、政権に批判的なコメンテーターについては、ネトウヨやネトサポからの電凸に屈して、すぐ降板させてしまうテレビ局だが、政権代理人のコメンテーターはいくら批判があろうと、官邸の顔色をうかがうために、絶対に降ろさせないということらしい。
実際、『モーニングショー』は玉川氏の間違いについてはすぐに謝罪・訂正をしたが、田崎氏のCTスキャンデマや西浦教授の発言捏造については、いまも一切謝罪も訂正もしていない。
そして、検察庁法改正や持続化給付金の問題を扱った際、田崎氏の代わりに元テレビ朝日政治部の細川隆三氏を出演させ、田崎氏ほどではないにしろ政権側の言い分を解説させていた。つまり、政権代理人がいるという構造はまったく変わっていないのだ。
安倍政権へのエクスキューズに安倍応援団・御用記者を重用するテレビ局
なんとも情けない話だが、もちろんこれは『モーニングショー』に限ったことではなく、他のワイドショーも同様だ。田崎氏を出していなくても、政権の代弁をする御用ジャーナリストや御用評論家を出している番組がほとんどだ。
露骨な御用ジャーナリストがあまり出演しなかったのは唯一、『バイキング』(フジテレビ)だが、ここ最近、“フジのスシロー”こと平井文夫・フジテレビ上席解説委員が連日のように出演するようになり、田崎スシロー以上にアクロバティックな政権擁護を繰り広げている。実はこれも、何らかの圧力があったためだといわれている。
「『バイキング』はコロナ以降、コロナの補償問題や黒川人事問題、河井前法相夫妻の買収問題などで、かなり厳しく政権批判をするようになっていたからね。上層部か政治部からいろいろ言われたんじゃないか。本当は政治テーマ自体扱わせたくないんだろうが、あの番組はMCである坂上忍の意向が強く、政権批判を扱うなと言うのは難しい。それで苦肉の策として、平井さんを投入したんだろう」(フジテレビ関係者)
なぜ政治問題を扱う際に、いちいち政権側の代弁者を出演させ、都合のいい言い分をまるで真実かのように垂れ流させなくてはいけないのか。権力を監視・チェックするのがメディアの役割なのに、「中立」の意味をはき違えているとしか言いようがない。
しかもこうした御用ジャーナリストの出演や他局も取り上げているなど何らかのエクスキューズ・保険がないと、本来伝えるべき安倍政権の不祥事や問題のある政策について取り上げることすらしないケースも多い。実際、河井前法相の買収問題も逮捕翌日には取り上げるワイドショーがかなり減ってしまっていた。
田崎氏に代表される御用ジャーナリストをはびこらせている責任は、安倍政権の言論弾圧体質だけでなく、こうしたテレビ局の姿勢にもある。
(編集部)
最終更新:2020.06.22 12:54
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