「桜を見る会前夜祭」問題でニューオータニ元社員が「5000円ありえない」 安倍首相の強気の裏にニューオータニ幹部との関係

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自民党HPより


 公選法と政治資金規正法違反が指摘されている「桜を見る会」の「前夜祭」問題だが、安倍首相は完全に開き直っているようだ。

 先週15日、安倍首相が記者団に「会費5000円はホテル側が設定した価格」「参加者からホテル側への支払いがなされた」と説明をおこなったが、明細書などを出さずに「問題は一切ない」と言われたところで納得できるはずがない。しかし、安倍首相は昨日18日午前のぶら下がり取材で「総額を示す明細書等はあるのか、ないのか」と問われると、こう言い放ったのだ。

「事務所のほうに確認していますが、そうしたものはないということです」

 つまり、安倍首相は常識では考えられないような話を証拠もなく主張しているのだ。

 しかも、こんな到底納得しようのない説明をおこないながら、ぶら下がり取材の場を何度も立ち去ろうとした挙げ句、記者が「領収書についてなんですが」と“更問い”した際には「ちょっとすみません、時間がありませんので最後の質問にしてもらえますか」と苦言。いま時間がないと言うのなら別途、正式な記者会見をセットするか予算委員会の集中審議に応じるべきだが、与党は集中審議の開催を拒否。安倍首相は証拠も示していないのに「もう説明はし尽くした」という立場に立っているのである。

 だが、安倍首相がいくら言い張っても、その主張がまるっきりの嘘であることが、どんどんバレてきている。まず、そのひとつが「会費5000円はホテル側が設定した価格」という点。今年の「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」が開催されたホテルニューオータニは本サイトやNHKの取材に「最低でも1万1000円」「値切り交渉などには応じられない」と答えているが、安倍首相は15日のぶら下がりで「(「前夜祭」参加者の)大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格」と主張した。

 これについて、他でもないホテルニューオータニの元社員が完全否定したのだ。ホテルニューオータニに22年間勤務し、営業や宣伝を担当した経歴をもつプリンシプル・ホテルコンサルティング所長の中山晴史氏が、17日に放送された『サンデーステーション』(テレビ朝日)にVTR出演。「今回、(安倍首相は)『ホテル側が勘案した』というふうにおっしゃっていますが、ホテル側が自ら進んでこういう話を提案するということはまずないと思います」と証言した上、こうつづけた。

「あのようなパーティの場合は食事で売り上げを立てようというのはまず第一義的に考えるわけですから、スタートラインが5000円ではどういうメニュー構成にしようかというのが、おそらく調理部門に持っていけば突き返されちゃうと思いますね」

 さらに、中山氏は“どういう内容なら5000円であり得るか”という問いに対し、こう答えた。

「若干の乾き物とおつまみ程度で、飲み物もビールひとり1本くらいで構わないというようなお話であれば」

 だが、「前夜祭」参加者がネット上で「料理は結構出ました」と報告していたように、けっして「乾き物とつまみにビールひとり1本」などというケチくさいものではなかった。ようするに、5000円でそれなりの食事と飲み放題を用意することはホテル側にとっては常識はずれの大出血サービスであり、いくら宿泊者が多いからといって引き受けられるようなものではないのだ。

ホテル名義の領収書発行は何の潔白証明にもならない! 主催者が精算する必要が

 さらに、この安倍首相の主張でもっとも疑義が集まっているのが、「前夜祭」の収支の問題だ。安倍首相は15日のぶら下がりで、こう述べた。

「夕食会費用については、会場の入り口の受付にて、安倍事務所職員が1人5000円を集金をし、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に、集金したすべての現金をその場でホテル側に渡すというかたちで、参加者からホテル側への支払いがなされたということでございます」

 つまり、安倍首相は受付係として集金しただけで、精算もせず、その金はそっくりそのままホテルに渡した、と主張したのだが、そんなバカな話があるがはずがない。そもそも、いくら前もって参加者を募っていても、これほど大規模なパーティなら事情があってドタキャンする人は必ず出てくるものだ。その当日キャンセル分の補填は誰がおこなったというのだろうか。あるいは万が一多すぎた場合の余剰分は誰の懐に入るのか。

 たしかに、こうしたパーティの場合、領収書をホテル名義で渡すことはあるし、実際、今回の「前夜祭」でも参加者にはホテル名義で領収証が渡されている。しかし、本サイトが先週ニューオータニに問い合わせた際には、そういった便宜を図るケースはあるとした上で「総額の範囲内であれば」「個別のお客様からではなく、主催者からのご依頼がある場合」と強調していた。実際、ホテル名義での領収書発行は参加者が経費を清算する際にパーティ名が特定されないよう便宜を図るサービスに過ぎず、総額の料金はあくまで主催者が支払う必要があるのだ。しかも、ニューオータニが「総額の範囲内」と語っていたように、領収書の発行総額はパーティ総額料金を下回るのが普通だ。

 つまり、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」という開催名どおり、安倍晋三後援会が主催していた場合、おおよその参加者数を把握した上で、ホテル側に宴会の手配をおこない、前払い、あるいは当日集金した会費との差額を補填または余剰分の差し引きといった会計作業が発生する必要があるのだ。

 安倍首相は「事務所や後援会の収入、支出は一切ない。収支は発生していないから政治資金規制上の違反にはまったくあたらない」と主張しているが、このように、そんなことは現実的にありえない。もしそう言い張るならば、ホテルに宴会を手配した安倍首相側が何らかの証拠を出すしかない。

 しかも、「桜を見る会ツアー」の旅行代理店は、野党のヒアリングに対して、前夜祭についても宿泊についてもニューオータニとの交渉には一切関与していないと回答している。ニューオータニとの交渉や宴会の手配を担ったのは、安倍事務所か安倍首相の後援会以外に、あり得ないのだ。

 だが、昨日のぶら下がりでは、記者が「ホテル側から領収書をもらうためには先にホテル側に支払いをしないといけないのではないかという指摘もある。先にホテル側に払っているというようなことは一切ないということか」と質問しても、安倍首相はただ「それはありません」と否定しただけ。やはり、その証拠を示そうともしなかったのだ。

安倍首相と昭恵夫人は、ホテルニューオータニ代表取締役と「オトモダチ」だった!

 口だけで否定して「はい、終わり」になるはずがないのだが、しかし、ここで気になるのは、ホテル側に問題を押し付ける、安倍首相のその強気な姿勢だ。

 これまでも指摘してきたように、もし仮に一般客には値引きに応じられないと言っているのに、ホテル側が安倍首相にだけ「宿泊客が大半だから半額以下に」などと大幅な値引きしていたとしたら、この値引き分が事実上の政治献金にあたる可能性がある。だが、「ホテル側が決めたこと」などという説明をはじめたということは、すでにホテル側との口裏合わせなどの手回しは完了しているということだろう。

 振り返ると、「桜を見る会」問題について安倍首相に直接追及がおこなわれて大きな注目を集めたのは、ご存知のとおり8日(金)の参院予算委員会だ。だが、このとき安倍首相は妙な答弁をおこなっている。

 というのも、追及した共産党の田村智子議員は「桜を見る会」が後援会ツアーになっていることを指摘するなかで「前夜祭」の存在に軽くふれ、「『桜を見る会前夜祭』と翌日の『桜を見る会』がセットになって、山口県のみなさんと親しく懇親をする。そういう場になっているんじゃないですか」と質問したのだが、対する安倍首相は「(「前夜祭」の会費は)ホテルに直接払い込みをしている」と、訊かれてもいない「前夜祭」の言い訳をはじめたのである。

 しかも、さらに怪しいのはその後の動きだ。首相動静によると、週明けの11日(月)の夜、安倍首相はこんな人物と会食をおこなっている。

〈午後6時49分、官邸発。同59分、東京・銀座の日本料理店「東京吉兆」着。経団連の今井敬、御手洗冨士夫両名誉会長ら財界人と会食。〉

 いつもの財界安倍応援団の会食かと流しそうになるが、じつは、今井敬氏はニューオータニの取締役なのだ。ここで何らかの根回しをした可能性もゼロではない。

 また、周知のとおり今井敬氏は安倍首相の懐刀である今井尚哉首相秘書官兼補佐官の叔父にあたる人物だ。この会食で安倍首相が直接言及せずとも、今井首相秘書官がニューオータニ取締役の叔父に根回ししていても不思議ではない。

 さらにニューオータニにはもうひとり、安倍首相に協力してもおかしくない幹部がいる。ニューオータニの代表取締役常務であり総支配人の清水肇氏のFacebookを見ると、安倍首相そして夫人の昭恵氏の両方と「友達」となっているのだ。しかも清水氏はFB で、安倍首相の“ビッグサポーター”として知られるアパグループの元谷外志雄代表の私塾「勝兵塾」に「いいね」をしていたり、元谷芙美子アパホテル社長とカラオケを楽しむ様子をが投稿したりしており、人脈や思想が安倍首相と近いことがうかがえる。

内閣府は共産党議員が公開・閲覧を要求したその日に招待者名簿を廃棄!

 安倍官邸はもっと早くから「桜を見る会」問題に警戒してきたふしがある。「桜を見る会」をめぐっては、菅義偉官房長官や内閣府は今年の招待者名簿について「会の終了後、遅滞なく廃棄した」と説明しているが、招待者名簿が廃棄されたのは5月9日だったことが14日の野党合同ヒアリングで判明した。じつは、この5月9日というのは、同月13日にはじめて「桜を見る会」問題を国会追及した共産党・宮本徹議員が、質問準備のために内閣府・内閣官房宛てで「桜を見る会」にかんする招待者が増加した理由や選考基準を明記した文書などを資料請求した、その日なのだ。

 内閣府は宮本事務所に対し「偶然」などと述べているというが、そんな奇跡のような話があるはずがない。むしろ、内閣官房は国会追及の動きを知って急いで内閣府に招待者名簿を廃棄させたと考えるのが自然だ。

 森友問題の国会追及で「関与していたら総理も国会議員も辞める」と安倍首相が逆ギレ答弁をして財務省の公文書改ざんがはじまったように、今回も安倍首相の地元後援会関係者が大量に招待されていたことを隠すため、先回りして文書を破棄した──。この一件ひとつをとっても、森友・加計問題と同じことがいかにこの国では繰り返されているのか、その闇が浮き彫りになっているだろう。安倍首相の「やりたい放題」を許し、疑惑追及を封じ込める隠蔽構造が、すでにできあがってしまっているのだ。

 だからこそ、もう二度と逃すわけにはいかない。「問題はまったくない」と言うのであれば、安倍自民党は正々堂々と国会の集中審議に応じ、安倍首相は自身に持ち上がっている違法疑惑に対してはっきりとした証拠を出していただこうではないか。それができないということは、一体どういうことなのか。国民はしっかりと見定める必要がある。

最終更新:2019.11.19 12:59

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