安倍首相が「令和」を安倍応援団に事前リークか! NHK岩田明子が知っていたとしか思えない解説、田崎史郎も…

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安倍首相は『ニュースウオッチ9』にも生出演したが…(NHK NEWS WEBより)


 昨日、新元号が「令和」と発表されたが、やっぱりという行動をとったのが安倍首相だった。皇室の伝統を覆して「国書由来」の元号を強行しただけでは飽き足らず、平成のときになかった会見を開き、勝手な解釈で自分の政策との関連をアピール。その後もテレビ番組に出演して、まるで自分が元号を決めたかのような発言を繰り返した。

 まさに元号私物化の極みだが、ここにきて、新たな疑惑も浮上した。安倍首相が「令和」を“安倍応援団ジャーナリスト”に事前に漏らしていた可能性が濃厚になっているのだ。

 そのジャーナリストとは、安倍首相と家族ぐるみの付き合いで「安倍首相のスポークスマン」と言われる、NHK政治部の岩田明子記者だ。

 岩田記者は昨日、午前中から夕方まで放送された新元号発表関連の特番に出演しつづけ、安倍首相が生出演した夜の『ニュースウオッチ9』にも当然、出演。宮内庁担当記者でもない政治部の岩田記者が解説しつづけるのもおかしな話だが、しかし、問題はその岩田記者による解説だった。

 菅義偉官房長官が新元号を「令和」と発表した直後のこと。岩田記者は、こんな解説をはじめたのだ。

「この令和の『令』というのは、良いとか立派なという意味があります。たとえば嘉辰令月ですとか、そういう言葉にも使われるように、良い意味があると。また、『和』は穏やかで暖かい、また争いのないという意味が込められています。想像なんですけども、これまで安倍総理大臣、よく色紙に書を求められますと『和を以って尊しとなす』という字を書いておりましたので、『和』という文字にはもしかするとこだわりがあったかもしれません」

 新元号はさっき発表されたばかりなのに、まるで準備されていたかのような解説──。しかも、岩田記者は「(新元号の)理由、思いについては、これからあとおこなわれる安倍総理大臣の会見を待ちたいと思います」と前置きしながら、こうも述べたのだ。

「ただ、安倍総理大臣がどういった思いを寄せたのか、それはひとりひとり、個人個人が夢や希望を託せる時代にしたいというこの将来の希望から過去の古典に遡って考え方というものを手繰り寄せたということがにじみ出るのではないかと」

 ご存じの通り、安倍首相はその後おこなった会見で、「見事に咲き誇る梅の花のように、ひとりひとりの日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いを込め、『令和』に決定いたしました」と発言した。ようするに、岩田記者による「ひとりひとり、個人個人が夢や希望を託せる時代に」という解説とほとんど一緒だったのだ。

 これはどう考えても、岩田記者は事前に新元号を知らされ、挙げ句、選定した理由まで伝えられていたとしか考えられないだろう。

新元号は秘密中の秘密であり、実際に「昭和」に決まる直前には東京日日新聞(現・毎日新聞)が新元号を「光文」であると報道、それによって元号が「昭和」に差し替えられたと元宮内省の中島利一郎氏が告白しているほど。今回の新元号も、官邸中枢のごくわずかな人数の人間しか知らなかった、ということになっている。つまり、新元号は最高機密と言ってもいいほどのトップシークレットだ。

 だいたい、安倍首相は夕方に生出演した『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)で、新元号の情報管理について、こう語っていた。

「やはりみんなが一度にですね、発表で一度に知るということが大切なのかなと思いまして。そのためには情報を管理しなければいけないのかなと思いました」

 ところが、岩田記者は事前に新元号を知っていたとしか思えない、完璧な解説をおこなっていたのだ。身内のような記者にトップシークレットの情報を平気で漏らし、しかも自分の考えを代弁させるような解説をさせる──。これが事実なら、まさに元号私物化の極みではないか。

田崎史郎は新元号を「総理が誘導」と発言、他の出演者からツッコミが

 たしかに、東京オリンピックを筆頭に、安倍首相は使えるものはなんでも私物化・政治利用してきた。だが、さすがに今回のやり方は露骨すぎて、正直、言葉を失わざるを得ない。

 しかし、新元号を事前に知っていたと疑われたのは、岩田記者だけではない。岩田記者とならんで「安倍首相に近いジャーナリスト」のひとりであり、「スシロー」の愛称で知られる田崎史郎氏も同様だ。

 田崎氏は昨日、新元号が発表される前に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に出演したのだが、元財務省官僚の山口真由氏が「これって内々に決まっているものなんですか? 平成のときはあきらかに平成に向かって誘導があったっていう話があるじゃないですか」「(今回も)これは本命っていうものがあるものなんですか?」と質問。すると、田崎氏はこう答えたのだ。

「おそらく総理の頭のなかでは『これにしたい』ってことはあるんだと思いますよ」

 どの新元号がいいのか、安倍首相は決めている──。これは重大発言だが、さらに田崎氏は、番組後半でこんなことまで言い出したのだ。

「最後はやっぱり誘導に近いものになると思うんですけども、途中まではやっぱり、しっかりみなさんの意見を聞くということ」

 この田崎氏の発言に、スタジオは「やっぱり誘導なんだ!」とざわついたが、一方の田崎氏はニコニコ顔。ようするに、田崎氏もまた新元号がすでにもう決まっていることを知っているかのような余裕の態度を見せつけたのだ。

 しかも、こうした田崎氏の解説に対しては、テレ朝コメンテーターの玉川徹氏は「田崎さん、ホントは(新元号を)聞いてるんじゃないの?」「ご飯とか食べながら、安倍総理から聞いてるんじゃないですか?」とツッコミを入れ、羽鳥慎一キャスターも「昨日の時点で(新元号を)知っているのは5人です。田崎さん入れて6人」などとからかい、石原良純までもが「田崎さん、(新元号を)ポロッと言っちゃったら、それ使えなくなるでしょ?」と言及したのだが、田崎氏は「全然聞いてないですよ」と否定しつつ、やはりニヤニヤと笑いを浮かべていたのだった。

NHK岩田明子記者への「令和」事前リーク疑惑が追及されない異常

 実際、田崎氏は議論のなかでも、少なくとも新元号の方向性を知らされていたかのような態度をとっていた。

 新元号が日本の古典から引用されるのかどうかという話題になったときのこと。玉川氏が、漢書から引用してきた伝統を破ることになることにふれ、「それは保守じゃないですよね?」と言い、山本博文・東京大学史料編纂所教授も「日本の文献というのは基本的に中国の影響下につくられているもの中心。日本の古典から選んでも、必ずしも中国離れできるというものでもない」と指摘したのだが、こうした話の流れに対して、田崎氏はまるで、国書由来の元号が前提であるかのようにこう擁護したのだ。

「保守だから同じことをつづけるということではなくて、保守というのはつねに革新しているわけですよ。だから何か変えていくというのはね、やはり日本古来のものに戻ろうというのは。別に元号そのものを変えようというわけではないですから」

 田崎氏の場合は、岩田記者と違って、ほんとうに新元号を具体的に知っていたかどうかはわからないが、問題なのは、“そうだとしても不思議はない”という空気がすでにスタジオに広がっていたことだ。それどころか、普通ならば大問題である「事前に新元号を聞いている」という話がネタ化して、それを前提に話が進んでしまっていた。これは、それくらい安倍政権下では御用ジャーナリストの存在が当たり前になってしまったことの証拠だろう。

 しかし、繰り返すが、総理に近いと言われる身内のようなジャーナリストに対して公式発表より前に新元号がリークされ、おまけに事前レクチャーを受けたとしか思えない“新元号に込められた総理の思い”などという政治利用のための解説が垂れ流されるような状況は、どう考えても大問題だ。

 そして、もっと問題なのは、少なくとも岩田記者については、その疑いがきわめて濃厚なのに、他のメディアがまったく追及しようという動きがないことだ。わたしたちはその異常さに気付かなくてはいけない。

最終更新:2019.04.02 12:04

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