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山本太郎と久米宏が反骨タッグ! 安倍政権とカジノ、杉田水脈を徹底批判し、原発タブーや創価学会に言及
2017年本サイトの直撃に答える山本太郎氏(撮影/編集部)
昨日、本サイトでも記事にしたように、フリーアナウンサーの久米宏が4日のTBSラジオ『久米宏 ラジオなんですけど』で安倍政権による東京五輪ゴリ押し開催を痛烈に批判したが、この放送回では五輪の話題とは別に、あの山本太郎参院議員がゲストとして登場。久米と一緒に、かなり踏み込んだトークを展開した。
そもそも山本といえば、本サイトでも取り上げてきたように、国会では他の野党議員が恐れて訊こうとしない鋭い質問を連発して話題になっているが、一方でマスコミからはほとんど無視されている。たまにテレビやラジオに出演しても、マイナーな番組であることが多い。
しかし、今回はラジオとはいえ、久米宏という大物司会者の人気番組に登場した。いったいどういう話を繰り広げるのか、注目していたわけだが、山本と久米は冒頭からフルスロットル。いきなり、原発と東京電力タブーに切り込んだ。まず、久米から政治家になった理由について訊かれた山本が、原発事故によって「国」についての見方が一変したことをこう語った。
「東電原発事故っていうのが自分の生き方が変わるきっかけになったことかもしれないですね。そのあと、国がどう対処するのかということに対して、あ、国は人々の命を守る気がないんだなって事柄にどんどん出会っていくわけですね。たとえば追加で被曝する限度みたいなものが、年間1ミリシーベルト以下に抑えるという話が、こどもたちも20ミリまでOKって話になったと。この数字はなんだったのかと調べてみたら、放射線管理区域の年間相当のかける4倍、これが20ミリだということに気づいて。あっ、なるほど、国とは形だけのものであって、たとえば目先のカネだったりとか企業との繋がりのほうを大事にするんだなってたことで、自分のなかで生き方が変わったというか。いままでの自分がメルトダウンしていくというか、メルトスルーしていくという状況なんですかね」
すると久米は、自らマスコミ・芸能界に原発タブー、東電タブーがあることを指摘。山本との間でこんなやりとりを行った。
久米「あのー、福島の原発事故が起きるずいぶん前から、有名な月刊誌だとか印刷媒体だとか、もちろんテレビもそうなんですけど、もう日本はカチっとした“あるシステム”ができていてね。東電というのは大スポンサーで。原発は安全だっていうキャンペーンもずーっとやってたんですよ。いろんな著名なタレントさんがそれに出て、原発の内部に立って笑ってる写真とかでキャンペーンやってきて。広告代理店も、もちろん芸能界で職を食んでいる人というか、生きている人たちも、原発に関してずっと流れがあったわけだから、つまり東電に対して、反旗を翻すようなことは絶対に言えないという土壌ができているなかで、山本さんが俳優さんだったのに『原発は危険だったんだ、いままでの東電のキャンペーンは嘘だったんだ』って言うのは、普通は言えなかったことだったんですよね」
山本「それ、ただ単に私の堪え性のなさというか(笑)。我慢できないタイプだったんで、我慢せずに言っちゃったら、やっぱり仕事はどんどんなくなっていくっていう現象が起きたということなんですけど」
久米「それはだから、原発事故を起こした後に(原発批判を)言っても仕事がなくなっていくという、この、なんて言いますかね、つながっちゃってる恐ろしさね。本当は、東電はあそこで悔い改めて、そんなことは全部なしにして、是とする意見は是とするべきだっていうふうに、生まれ変わるべきなのに、それがないんですね、この国は」
山本「ないですね。しかも、メディアとしても、そこらの企業が事故を起こしたわけじゃなくて、東電とかそういう大きな電力という絶対必要的なインフラを持つ権力がこのような事故を起こした場合には、間違いなくまた復活しますよね。しばらく静かにした後にっていうか、ことが落ち着いたあとには復活するだろうから、それはスポンサーとしてずっと続けられる話ですよね」
山本太郎が安倍政権のカジノ法案強行に「一番のヤクザは国家」
原発そのものに対する批判はこれまで大手マスコミも取り上げてきたが、その背後にいる東電と電力業界批判がタブーであること、マスメディアで明確に話したのはかなり貴重と言っていいだろう。しかも、久米と山本のコンビの勢いはここで止まらず、カジノ法案を巡る利権の問題にも踏み込んでいく。
また久米が、カジノ法について「カジノが日本に必要なのかって本当に思うんですけど」「なんで国会はこんな法案を、あんなに野党が反対しているのに無理やり通したりするのか。なんでこんなことになっているんですか」と訊くと、山本は「経済政策の目玉がカジノなんだっていう時点で、もう終わってますよね。どんな衰退国家ですかっていう?」と一刀両断。久米も「経済政策の目玉でカジノって、世も末だっていう感じしますよね」と応じると、山本はさらにこんな本質的な批判を語った。
「一番のヤクザは誰だって言ったら、国家だって話になってきますよね。このやってることを見ていても。このカジノ法案というものの審議の直前に、大災害が起こった、豪雨が起こったと。しかしこれと天秤にかけて一緒に同時進行しようということを決めちゃうわけですよね。これがちょっと考え方としてありえないんじゃないかと思うんですけど。たとえばこれが、この法案を通さなきゃ国民の生命財産にとってかなりのマイナスがあるんだっていう法案ならば、これは同時にやることも考えなきゃだめなんですけど、これは本当の利害関係者、カジノ業者だったりとか、カジノ業者からパーティチケット買ってもらってる議員だったりとか、そういう人たちしか、このカジノ法案を通す必要性感じていないわけですから」
さらに、興味深かったのは、カジノ法案の成立にからんで、公明党、創価学会の思惑と責任に言及したことだった。
「公明党がとにかく選挙の近くになってからカジノ法案を通すのをやめてくれ、と。創価学会のみなさんがカジノに対してよろしく思っていないので、ということで。だから、今国会で無理やり通したのは公明党のせいでしょうね。聞いてますか? 信濃町のみなさん!」
久米宏「公明党は死んだ」山本太郎「創価学会は自民党に魂を売った」
いうまでもなく「信濃町」というのは創価学会総本部の所在地のことを指しているわけだが、公共の電波で堂々と学会員へ「これでいいのか?」と呼びかけたのは、さすが「みなさんの鉄砲玉」を自認する山本太郎といったところ。久米もそんな山本に触発されたのか、少し経ってから「僕がもっともよくわからないのは実は公明党なんです」と話題をぶり返し、こう続けたのだ。
久米「公明党の話をすると……結構、ラジオ聞いている方のリアクションが激しかったりして。非常に、あの、僕もナーバスに話すように気をつかってるんですけれども」
山本「先言ってくださいよ、それ(笑)」
久米「やっぱり公明党はね、よくわからないんですよ。昔は、もうちょっと生活者の党とかね、平和の党とか言っていたのが、わりと自民党べったりになって、結局いま、公明党がいなかったら自民党は100人ぐらい落選しますよ、はっきり言って、衆議院選挙で。もう完全に、いいように使われているんです自民党に、公明党って。(以前は)そういうふうな党じゃなかったんですよ! もうちょっと、自分たちの考えをしっかりもってて、生活者それから主婦に目を向けて、女性の優しい目をしっかりくみ上げて、平和の党だって言っていたのが、いまはもうねえ、閲兵式に出そうな党になっちゃって。あの党が一番わかんないですね」
池田大作の「平和思想」を大切にしているはずの創価学会と、その政治部隊である公明党のギャップについては、とりわけ安保法制以降は内外から言われ続けてきたことではある。しかし、創価学会がスポンサーCMを流しているラジオ業界でここまで追及されたのは、異例と言ってもいいだろう。
この久米の踏み込んだ発言に対し、山本も「もう、いまは覚悟決まったんでしょうね。この権力側に寄り添うことというか。権力になることによって」と権力の走狗と化した公明党の現状を指摘。久米は「よくもまあ、いろいろな政策で自民党に寄り添って賛成票入れてましたけど、あの(創価学会)婦人部がよく我慢しているか、黙っているか。僕ね、公明党って死んじゃったのかと思ってるぐらいなんですね」と言及し、それを受けて山本が「でも、魂売った状態じゃなけりゃあ、いま自民党がやっていることに、一緒にやってらんないですよね」「大きく魂を売って小さく政策を実現させる、というところに集中されてるんじゃないですかね」と返すなど、公明党=創価学会にかんする的を射た分析と本質を突く批判がふたりから次々ととびだした。
久米宏が杉田水脈議員を「国会のサル山にはクズがいる」と辛辣批判
さらに、例のLGBTヘイトをぶちまけた杉田水脈衆院議員の話題も、久米は「なんでLGBTは生産性が低いって言うのがね、比例代表のトップのほうに入ってる人が当選しちゃうのかって、それ、比例代表の名簿ちゃんとチェックしてなかったからです、国民が。この女は、とんでもない文章を書いてて、LGBTの人に対しては非常に偏見を持っているっていうのを当選させちゃいけないのに、やすやすと当選させちゃってんの、われわれ国民ですから!」と力を込めた。
そして山本が有権者は国会を日頃からチェックしてほしいという意味で「結構おもしろいんですよ、動物園みたいなところですから」とリスナーに呼びかけると、久米が間髪を入れず「よく言いますよね(国会は)サル山だとかね」と頷き、こう言い放ったのだった。
「やっぱりね、サル山にはね、結構いるんですよ。クズが」
「上野(動物園)に行って見てるとよくわかりますけど、こいついなくてもいいんじゃないか、というよりも、いないほうがいいな、っていうのがかなりいますからね。あのLGBT差別なんかは、いなくてもいいって、いないほうがよっぽどいい」
いずれにせよ、地上波のテレビでは絶対聞くこのできないタブーに踏み込む発言を連発し、苛烈な与党批判を展開した久米宏と山本太郎の生ラジオ対談。安倍自民党の圧力に萎縮し、自分で自分の首を締め、ますますつまらなくなっていっている放送業界にあって、こうした姿勢は本当に貴重なものだ。
番組では、久米が山本に「また当選したら(番組に)来てください。落選したらでもいいかもしれない(笑)」と呼びかけ、山本も「そうですね、ってそうですねじゃない(笑)」と応じる一幕もあったが、次はぜひ、テレビで久米と山本の“反骨タッグ”を見てみたいものである。
(編集部)
最終更新:2018.12.21 03:34
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