山P、キムタク、稲垣、大野…ジャニーズの犯罪はぜーんぶなかったことに!

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書類送検された山Pこと山下智久

 昨日21日、山下智久が器物損壊の疑いで警視庁麻布署に書類送検されたというニュースが新聞・テレビで報道された。

 事件の発端は、今年6月下旬、山下と関ジャニ∞の錦戸亮、ジャニーズを退社した赤西仁という通称“赤西軍団”が、六本木の路上で一般人グループとトラブルとなり、その揉めている模様を一般人である女性が携帯電話で撮影。そのことに腹を立てた山下らは、なんと女性から携帯電話を取り上げ、そのまま逃亡したという。この携帯電話を奪われた女性が警視庁麻布署に被害届を提出、そして昨日、書類送検にいたったというわけだ。

 だが、この報道をめぐり珍妙な出来事が起こった。通常ならば「書類送検」という言葉を使うはずなのに、サンケイスポーツやスポーツニッポンなどのスポーツ紙と、フジテレビのニュース番組では「捜査書類を送付しました」という聞き慣れない表現を用いてこの事件を伝えたのだ。

 この事態に、「書類を送付しました……ってビジネス案件か何かですか?」と逆に違和感をもった人も多かったようだが、さらにフジは錦戸や赤西のことを「歌手仲間2人」と、これまた妙な表現を繰り出していた。だが、こうした大手マスコミによる“ジャニーズへの配慮”は、いまに始まった話ではない。

 まず最初に思い出されるのは、SMAPの稲垣吾郎が2001年に公務執行妨害と道路交通法違反で警視庁渋谷警察署に現行犯逮捕された際に生み出された「稲垣メンバー」なる表現だろう。このときも、通常ならば「稲垣容疑者」と伝えるところをテレビ局はジャニーズ事務所に気を遣い、なんとか事件性を感じさせない言い回しとして「メンバー」という突飛な肩書きを用意した。ただし、この呼称には視聴者から抗議が殺到、さらに朝日新聞主催の「ワード・オブ・ザ・イヤー2001」で3位に輝くという不名誉な結果を招いたこともあり、09年に草彅剛が公然わいせつ罪で現行犯逮捕されたときには使用されることがなかった。

 だが、謹慎処分となった稲垣よりもっとひどいのは、木村拓哉の事件のほうだ。12年に「週刊文春」(文藝春秋)が、11年に木村がスピード違反で取り締まられていたことを報じたのだが、これを受けてジャニーズ事務所は、木村がこのほかにもスピード違反を起こしており、免許停止処分を受けていることを公表。つまり、「文春」の報道がなければダンマリを決め込むつもりだったのだろう。しかし、問題は木村がトヨタ自動車のCMに出演していたこと。車のCMに出ている人間が免停をくらっているなど、当然あり得ない話。それでもマスコミによる追及はなかった。そこには大広告主であるトヨタへの気遣いもあったのだろうが、ジャニーズの影響力も大きかったはずだ。ご存じの通り、そうしていまも木村は何食わぬ顔でトヨタのCMに出演しつづけている。

 また、05年には、関ジャニ8とNEWSのメンバーだった内博貴が、未成年ながら酒に酔い、仙台市内の公園で暴れているところを警察に補導されるという事件が発生した。内には無期謹慎という処分が下されたが、飲酒したときにはフジテレビの菊間千乃アナウンサーやフジ社員が同席していたこともあり、マスコミは一斉に菊間アナのバッシングを開始。内は菊間と合流する前からすでに酩酊状態だったという情報もあったが、“菊間が未成年の内を酒に誘い、泥酔させた”という論調に終始し、事件の収束を図ったのだ。

 ちなみに、翌年06年には同じNEWSの未成年メンバーだった草野博紀の飲酒疑惑を「BUBKA」(コアマガジン)と東京スポーツが報道。これを受けてジャニーズは草野のNEWS脱退と、NEWSの年内活動休止という処置を発表した。このように連続して未成年飲酒が起これば、普通ならばマスコミはジャニーズに対して未成年タレントの管理責任を問うべき事態。しかし、ジャニーズタレントに依存しきっているテレビ局や出版社から、そのような声があがることはもちろんなかった。

 そして、なんといっても忘れてはいけないのは、08年に「週刊現代」(講談社)がスクープした、嵐・大野智の“大麻3P疑惑”である。

 このとき「週刊現代」は、カラオケボックスで大野があきらかに“イってる”目つきで女性と写っている写真を大々的に掲載。同時に、写真が撮影された日に大野とカラオケボックスで同席した女性が、参加者のひとりが大麻を取り出し、大野が「面白いねぇ~」と言いながら楽しげにその大麻を吸ったこと、その後、カラオケボックスを出て女性2名と3Pとなったことなどを告白している。──まさに国民的アイドルグループである嵐に巻き起こった、超ド級のスキャンダルだ。

 だが、この一大スキャンダルを後追いするスポーツ紙・テレビ局は皆無。11年には、大野の“大麻疑惑”の告白者である女性が自殺し、「週刊文春」(文藝春秋)が彼女から流出したというジャニーズタレントたちとの親密な関係をうかがわせる写真を掲載。大野をはじめ、相葉雅紀に二宮和也、松本潤とも関係があったと彼女が告白していたことを記事にしたが、これもまた大手芸能マスコミはスルーしている。

 同じように、99年には「噂の真相」が、芸能ブローカーが主催していた“乱交パーティ”の存在をスクープし、TOKIO・長瀬智也や松岡昌宏、山口達也、KinKi-Kids・堂本光一らが参加していたことを伝えた。その衝撃は大きく、この報道を受けてスポーツ紙や週刊誌は後追い記事を掲載したのだが、なぜか実名で報じられたのは弱小プロダクション所属のいしだ壱成のみだった。

 ──このように、テレビ局や一部を除いたスポーツ紙・週刊誌にとって、ジャニーズ事務所のスキャンダルは“なかったこと”として葬るのが鉄則。今回の山下智久らの事件のように警察沙汰となっていても、ダメージを最小限に抑えるのが仕事なのだ。

 こんなことをやっていながら、朝日問題では「報道は公正中立でなければ」「メディアは事実の追及が使命」とかいう建前を声高に叫べるんだから、マスコミの二枚舌ってほんとうにすごいわ。
(サニーうどん)

最終更新:2018.07.22 10:03

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