警視庁公安部が「しばき隊」と誤認・微罪逮捕した男性が明かす取り調べの中身!「どの政党がついているのかと尋問され…」

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公安は、カウンターを政治的な組織と思い込み、組織の構造や金の流れを尋問してきた

 TBSはこの映像を〈「対レイシスト行動集団」メンバー、“車庫飛ばし”で逮捕〉と題して放送した。移送される瞬間の映像を撮影できたのは、警察側からリークがあったからだとみて間違いない。「警視庁がしばき隊・C.R.A.Cの中心メンバーを逮捕した」と大々的にアピールしたかったわけだ。

 ところが、実はこれ、その意味においては完全に“誤認逮捕”だった。Mさんによると、ヘイトへのカウンター行動には2013年から参加していたものの、「レイシストをしばき隊」や「C.R.A.C」のメンバーにはならなかった。SNSでの呼びかけ見て、個人としてカウンターへ行き、沿道からプラカードを掲げたり反差別の声をあげていた一人にすぎず、公安が得意げに喧伝している「しばき隊の中心人物」でもなんでもなかったのだ。

「しばき隊やC.R.A.Cを結成した野間(易通)さんとは昔からの個人的な友人ではあったんですが、しばき隊に入ろうとは思わなかった。一度、メンバーには誘われたけどお断りしたんですね。何か手伝えることがあれば野間さんが個人的に言ってください、と。カウンターには一人で行って一人で帰る感じ。僕はANTIFA(アンチファシズム運動)や東京給水クルー(安保法制反対デモでのプロテスターへの給水支援活動)を軸足にしてきたので、『メンバー』と言われるならそっちだと思います。だから報道で『しばき隊の中心メンバー逮捕』みたいになっているのを知ったときは、ちょっと苦笑いというか。ああ、公安はそう見せたいんだなと」(Mさん)

 いかに公安が無能集団かがよくわかるというものだが、この“誤認逮捕”が「レイシストをしばき隊」や「C.R.A.C」をターゲットにしたものであることは、Mさんが警視庁で受けた取り調べ内容からもはっきりする。警察は「車庫飛ばし」の容疑とは無関係のことを根掘り葉掘り聞いてきたのだ。

「警察側に元からある程度の台本があって、文書を読みあげながら僕に『そうですよね』と同意をとろうとするんですが、その冒頭に『私は右派系団体に抗議する運動に参加しており、車両はその運動のために所有使用〜』みたいなことが書いてありました。いや、それは違うだろうと否定しましたけど、ようは、最初から決めつけられていたんです。さらに調書の読み上げと確認が終わると、警察は『カウンターとは組織なのか』と尋問してきました。『誰が主催しているのか』『何人くらいいるのか』『事務所はあるのか』『カウンターの上部構造にはどの政党がついているのか』と立て続けに聞いてくる。SNSを見て個人で参加したと言っても、まったく理解できないような顔をするんです」(Mさん)

 このとき、自身の逮捕が公安マターの弾圧であることを確信したという。警察の取り調べからはツイッターのアカウントが細かく監視されていることもうかがえた。

「いずれにしても、車庫飛ばしの容疑とはまったく関係のない尋問ですよね。よくわかりました。公安は、カウンターを政治的な『組織』だと思い込んでいて、彼らの本命は、そのありもしない『組織』の構造や人脈、金の流れを探ることだったのだと」(Mさん)

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